)” の例文
な独り同人ばかりでなく、先生の紹介によって、先生の宅に出入する幕賓連中迄兀々こつこつとして筆をこの種の田舎新聞に執ったものだ。
かつ如此かくのごとき事をこゝろみし事なし、こゝろみてそのはなは馬鹿気ばかげきつたる事をみとめたれば全然ぜん/\之を放棄はうきせり、みちおこなことみちく事なり
問答二三 (新字旧仮名) / 内村鑑三(著)
な会はざるにあらざるべし、作者の彼を写して粋癖をあらはすや、すでに恋愛と呼べる不粋者を度外視してかゝれるを知らざる可からず。
アヽ、先生はだおやすみにならんのか、何か書いて居らつしやる様だ、——明日の社説かナ、や、日常いつもやすみの時間に仕事なさるのだから
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
なその品行の方正謹直にして、世事に政談にもっとも着実の名を博し、塾中、つねに静謐せいひつなるは、あるいは他に比類を見ることまれなるべし。
慶応義塾学生諸氏に告ぐ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
しかるにわたくし苦心くしんまつた無益むえきであつた。第一端艇だいいちたんてい波上はじやううかぶやなや、たちま數百すうひやくひとは、雪崩なだれごと其處そこくづれかゝつた。
や/\それは八重やへらねばぞ杉原すぎはらさまはそのやうな柔弱にうじやく放垨はうらつなおひとければ申してからが心配しんぱいなり不埒者ふらちものいたづらもの御怒おいかりにならばなんとせん
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
えまあ、旦那様とそんないやな関係がないという証拠を知っていらして頂きたいんでございますの。
機密の魅惑 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
國「そりゃいやだね、行事だ詰らねえ事を云う、面倒臭いと斬られてしまいましょう、やだアねえ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
天変地異てんぺんちいわらつてますものは文学者ぶんがくしやなり。社会しやくわい人事じんじちやにして仕舞しまふ者は文学者ぶんがくしやなり。な、神の特別とくべつなる贔屓ひいきけて自然しぜんhypnotizeヒプノタイズ さる〻ものは文学者ぶんがくしやなり。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
遭遇であつたら忠告すると平生から意氣込んで居たのに顏を合したのがけなかつた。
永井荷風といふ男 (旧字旧仮名) / 生田葵山(著)
な宿したのもあるようです、それがすぐ形式の差は内容の差を伴うべきものだとさけび俳調俳歌いとうべしと罵倒ばとうして仕舞われたのです、吾々もそう思うですなあ、同じく詩であっても
子規と和歌 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
昭和十四年からおよそ五十二年程前の明治廿にじゅう年頃に民間の一書生であった私は、時々な、ほとんど不断に東京大学理科大学、すなわち今の東京帝国大学理学部の植物学教室へ通っていた。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
な、寧ろ「行」よりも意味が強いと思う。何故なぜならば、行は具体的にして、しかも場所と時とを制限するが、言に至っては、抽象的でその達し及ぶ所広く、時もまた無限であるではないか。
ソクラテス (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
しからば幕府の内情は如何いかんというに攘夷論じょういろんさかんなるは当時の諸藩しょはんゆずらず、な徳川を一藩として見れば諸藩中のもっとも強硬きょうこうなる攘夷じょうい藩というも可なるほどなれども、ただ責任せきにんの局にるがゆえ
冷たい鼻を頬にり付けたらと思って、主人の顔の先へ持って行ったら、主人は眠ったまま、手をうんと延ばして、吾輩の鼻づらをやと云うほど突き飛ばした。鼻は猫にとっても急所である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
え、さっき京太郎様と御一緒に、馬車で釣にいらっしただよ」
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
え、嘘です、昨日、天長節に来ておりました」
天長節の式場 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
と、これ愛国なり、他にあるなし、この真情はわが霊に附着するもの、な、霊の一部分にして、ほかより学び得たるものにあらざるなり。
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
「花ちやん、一つ松島君を操縦するの余力を以て」と河鰭の言ふを「そんな、おなぶりなさるなら、や」とツンとスネる
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
な、世間普通の官私諸学校に比すれば資力以外の事にまで着手して見るべきものありといえども、天下の時勢、いまだ独立の学校事業に可ならずして
拙郎やつがれ皆目かいもくるはずなけれど、一昨年をとゞし病亡なくなりしぢやうさまの乳母うばが、常日頃つねひごろあそびにてのはなしなりといふ、おとしは十九なれどまだまだ十六七としかえず
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
然るに我はゆくりなくも何物かの手に捕はれて窄々さく/\たる囚牢のうちにあり、もし彼女をして我と共にこの囚牢の中にあらしめば、この囚牢も囚牢にあらずなるべし、な彼女とは言はず
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
な、俗物ぞくぶつ信心しん/″\文学者ぶんがくしや即ちおん作者さくしや様方さまがた生命せいめいなれば、な、俗物ぞくぶつ鑑賞かんしやうかたじけなふするはおん作者さくしや様方さまがた即ち文学者ぶんがくしや一期いちご栄誉えいよなれば、之を非難ひなんするは畢竟ひつきやう当世たうせい文学ぶんがくらざる者といふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
少なくとも日本に関する知識においては、彼らはゼロ同然である、なゼロよりもかえってマイナスであろう。僕が今述ぶる問題の範囲内においては、彼らは取りも直さずまったく無知同様である。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
な僕はかくのごとき妙法に向って、かくのごとく考えかくのごとく企つべきものでないと信じている。僕はただかのおのずか敬虔けいけんの情を禁じあたわざるがごとき、微妙なる音調をとうとしとするものである。
え、踏み入れたんじゃない。引き摺り込まれたのさ」
むかでの跫音 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
な、人もしこれを得んと欲せばまずこれを捨てざるべからず(馬太マタイ伝十六章二十五節)、誠にまことにこの世は試錬の場所なり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
離間者の一言でこしもかしも出来るもんだと云ふことを発表しようとするのか——我々の周囲には日夜探偵の居ることを注意し給へ——
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
からずむかしをいはば三千ごく末流まつりうなりといふ、さらば旗下はたもと娘御むすめごにや、親御おやごなどもおはさぬか、一人ひとりみとはいたはしきことなりと、はやくもそのひと不憫ふびんになりぬ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
余は自己を欺きつつありしものにして余の真性は悪鬼なりしなり、何ぞ今日こんにちよりは基督信徒たるの名を全く脱し普通世人の世涯せいがいに帰らざる、
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
れにちからおとさせまじとて八重やへつくろひてるにはあらずやや/\八重やへとして其樣そのやうのことあるはづなしひと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まつばかりにても見惚みとるゝやうなりとほゝめば、別莊べつさうにはあらず本宅ほんたくにておはすなりとこたふ、これはなしの糸口いとぐちとして、見惚みとたまふはまつばかりならず、うつくしき御主人ごしゆじんこうなりといふ
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なやましげにて子猫こねこのヂヤレるはもやらでにはながめて茫然ばうぜんたりじやうさま今日けふもお不快こゝろわるう御坐ございますか左樣さうけれどうも此處こゝがとしてするむねうちにはなにがありやおもおもひをられじとかことば
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)