“幃(い)” の例文
一夜(いちや)涼風(りょうふう)を銀座に追う。人(ひと)肩(かた)を摩(ま)す。正に是(これ)連袵(れんじん)幃(い)を成し挙袂(きょべい)幕を成し渾汗(こんかん)雨を成すの壮観なり。良家の児女盛装してカッフェーに出入す。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
枕山が求むる莫(なか)れ杜牧(とぼく)兵を論ずるの筆。かつ検せよ淵明が飲酒の詩。小室に幃(い)を垂れて旧業を温めん。残樽(ざんそん)断簡これ生涯。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
過(こ)ユルヲ妨ゲンヤ/菲才未ダ必ズシモ清時ヲ補ハズ/求ムル莫カレ杜牧ノ兵ヲ論ズルノ筆ヲ/且ツ検セヨ淵明ノ飲酒ノ詩ヲ/小室幃(い)ヲ垂レテ旧業ヲ温ム/残樽(ざんそん)断簡是レ生涯〕
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)