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美
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い
ふりがな文庫
“
美
(
い
)” の例文
そんな事を云い合っているうちに一人がマッチを
擦
(
す
)
って葉巻に火を
点
(
つ
)
けたようなの。間もなく
美
(
い
)
い匂いがプンプンして来たから……。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
何といっても、あの方は
美
(
い
)
い男ね、あんな美い男は、ちょっとありませんね。それに比べると田山白雲先生は美い男とはいえないわ。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうだろう、そう
来
(
こ
)
なくちゃアお艶さんじゃアねえ。わしもそれで大きに安心をしました。だがヨ、見れば見るほど
美
(
い
)
い女ッぷりだ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、靜子が次の間へ立つた時、『
怎
(
どう
)
だ、仲々
美
(
い
)
いだらう?』と低い聲で言つたのが襖越しに聞こえた。靜子は心に
憤
(
いきどほ
)
つてゐた。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何を言うのさ、お前さんなんかはどうせ
面
(
つら
)
が
美
(
い
)
いだけのことで、この暑いのにどんなに働いたところで大した出世は出来るわけはない。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
「ゆうべ、この千吉の妹のやつが、殺されたんです。いつぞやお話し申し上げた、柳橋から
雛妓
(
おしゃく
)
に出ていたお
半
(
はん
)
という
美
(
い
)
い
娘
(
こ
)
です」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『よく見えるね、岸本のお爺さん——猫のお婆さんは
美
(
い
)
い人だね、私はほんとに、お婆さんのやうに思うてくれるとうれしいよ』
死線を越えて:02 太陽を射るもの
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
△「えへゝゝ殿様なんざア男が
好
(
よ
)
くって
美
(
い
)
い
扮装
(
なり
)
だからもてやすが、
私
(
わっち
)
どもはもてた事はなく振られてばかり居ても行き
度
(
た
)
えから別段で」
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
値の高い楽器からは、
美
(
い
)
い
音
(
ね
)
がするものだと思ひ込んでるらしい音楽好きは、その日になると吾れ勝ちに会場に押しかけて来た。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
美
(
い
)
い着物が着られてお金があるから大きな呉服屋さんへお嫁に行きたいですト——それを聞いた時は、私はゾーとしましたネ
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
美音で思い出したが、
十軒店
(
じっけんだな
)
にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも
美
(
い
)
い声で淫猥な唄ばかり歌って、好く
稲荷鮨
(
いなりずし
)
を売りに来たものだった。
梵雲庵漫録
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
「そいつが切り髪の女なのか?」「へい、さようでございます。
滅法
(
めっぽう
)
仇
(
あだ
)
っぽい
美
(
い
)
い女で、阪東しゅうかの弟子だそうです」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私は始めて見たのであるが、森本は二十七八の色の白い
美
(
い
)
い男であつた。金縁の眼鏡をかけ、髪を綺麗に分けて居た。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
ちと気が
狂
(
ふ
)
れて血相変り、取乱してはいるけれど、すらっとして中肉中脊、
戦慄
(
ぞっ
)
とするほど
美
(
い
)
い女さ。と
空嘯
(
そらうそぶ
)
いて
毛脛
(
けずね
)
の蚊をびしゃりと叩く
憎体面
(
にくていづら
)
。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
阿母さんの名は知らないが、年の頃は五十ぐらいで、色の白い、痩形で背のたかい、若いときにはまず
美
(
い
)
い女の部であったらしく思われる人であった。
ゆず湯
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
阿母
(
かあ
)
さん阿母さん」、と雪江さんは私が眼へ入らぬように挨拶もせず、華やかな若い
艶
(
つや
)
のある
美
(
い
)
い声で、「
矢張
(
やっぱり
)
私の言った
通
(
とおり
)
だわ。
明日
(
あした
)
が
楽
(
らく
)
だわ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
三重吉が聞いたらさぞ喜ぶだろうと思うほどな
美
(
い
)
い声で千代と云った。三重吉は今に
馴
(
な
)
れると千代と鳴きますよ、きっと鳴きますよ、と受合って帰って行った。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
白粉つけて
美
(
い
)
い
衣類
(
きもの
)
きて迷ふて來る人を誰れかれなしに丸めるが彼の人達が商賣、あゝ
我
(
お
)
れが貧乏に成つたから構いつけて呉れぬなと思へば何の事なく濟ましよう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「若奴さん、ほんとに
美
(
い
)
い芸妓さんになったなあ」と私はまたつくづくとその
容姿
(
すがた
)
に見入りながら
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
引ッぱずされて、よろめく足をふみこたえて、ビュッ、ビュッと、切ってかかるのを、すっと隙につけ入って、
利
(
き
)
き腕を逆に取った、白い顔、匂いの
美
(
い
)
い女装の男性。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「まさかそんなこともあるまい。
俺達
(
おれたち
)
が
美
(
い
)
い声で唄つてやりさへすれば
悦
(
よろこ
)
んでゐるのだから……」
漁師の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
さてこの三つをことごとく長所にしてしまおうと
美
(
い
)
しくも覚悟を定めてしまったことなのです。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
茂兵衛 その時は二十三、四、色の白い、
美
(
い
)
い女でしたが——ご存じござんせんか。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
その代り買う方でもロースをくれとかビフテキをくれとか肉の名を指して注文します。東京辺ではまだ買う方も売る方も
曖昧
(
あいまい
)
としていて
折角
(
せっかく
)
美
(
い
)
い味を持っている肉も不適当の料理にされています。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
浜を誰か
唸
(
うな
)
って通る。あの
節廻
(
ふしまわ
)
しは
吉次
(
きちじ
)
だ。
彼奴
(
きゃつ
)
声は全たく
美
(
い
)
いよ。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
少
(
ちつ
)
とも人ずれしないほんたうに
美
(
い
)
い綺縹のお喜乃
都会と田園
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
「今の若いひとは、なかなか、
美
(
い
)
い女ですネ」
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それでも
美
(
い
)
い声は出る。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「まあ
美
(
い
)
い女だわね。」
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
覗き込む様子に『もしお前さん、まさか身投げじやありますまいね』『知れた事さ。今時分、こんな所で、死ぬ奴があるものか』『でもお茶の水の一件から、何だかこの辺は不気味でね』『さうさ、女もお前のやうなのだと、どこであつても大丈夫だが。
美
(
い
)
い女は凄いものさ』
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「
否
(
いや
)
だ。
否
(
いや
)
だ。イケナイイケナイ。私から先だ私から先だ。私は
美
(
い
)
い
香気
(
におい
)
が
嗅
(
か
)
ぎたい。花だの香木だのの
芳香
(
におい
)
が嗅ぎたい。早く早く」
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
そして、静子が次の間へ立つた時、『
怎
(
どう
)
だ、仲々
美
(
い
)
いだらう?』と低い声で言つたのが襖越しに聞こえた。静子は心に
憤
(
いきどほ
)
つてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
仙台てところには、
美
(
い
)
い女は生れて来ねえんだそうだ、というのはそれ、昔、仙台様のうちの誰かが、高尾というすてきないい女を
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「おらが、月ヶ瀬を通るたんびに
美
(
い
)
い声して啼く
鶯
(
うぐいす
)
がいるんで、眼をつけといて捕まえたんさ。お通さんにやろうと思って——」
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
丙「どうも
美
(
い
)
い女だなア、あの後姿の
好
(
い
)
いこと、桜の花より美くしいや、ちょっと
姉
(
ねえ
)
さん、
此方
(
こちら
)
を向いて顔を見せておくれ」
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「三軒長屋の取っ付きが
按摩
(
あんま
)
の竹の市で、その隣は女が
美
(
い
)
い癖に、無口で無愛嬌で、町内の嫌われ者になっているお
妾
(
めかけ
)
のお糸、一番奥が空家で——」
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かれの提げている重箱の中には
鮓
(
すし
)
や駄菓子のたぐいを入れてあるが、それを売るばかりが彼等の目的ではなかった。勿論、
美
(
い
)
い女などは決していない。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あの娘は本当に
美
(
い
)
い女だ。聚楽中にもないくらいだ。で、ご愛妾の一人が死んだ。お前も知って居る京極のお方だ。
血ぬられた懐刀
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
水あぶらの
撥
(
ばち
)
さきが、ぱらっと散って、蒼味の走った面長な顔、職人にしては
険
(
けん
)
のある、切れ長な眼——人もなげな微笑をふくんだ、
美
(
い
)
いおとこである。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
狭い
一室
(
ひとま
)
に、
束髪
(
たばねがみ
)
の
引
(
ひっ
)
かけ
帯
(
おび
)
で、ふつくりした
美
(
い
)
い女が、糸車を廻して居たが、燭台につけた
蝋燭
(
ろうそく
)
の
灯影
(
ほかげ
)
に、横顔で、
旅商人
(
たびあきうど
)
、私の其の縁続きの美男を
見向
(
みむ
)
いて
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
白粉
(
おしろい
)
つけて
美
(
い
)
い
衣類
(
きもの
)
きて迷ふて来る人を
誰
(
た
)
れかれなしに丸めるがあの人達が商売、ああ
我
(
お
)
れが貧乏に成つたから
搆
(
かま
)
いつけてくれぬなと思へば何の事なく
済
(
すみ
)
ましよう
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「どうどす。お江戸は将軍家のお
膝下
(
ひざもと
)
やさうどすが、まさかこんな
美
(
い
)
い景色はたんとおすまい。」
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いや、こりゃあ、
美
(
い
)
い女の前で、つまらねえことをしゃべってしまったものだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
熟々
(
しみじみ
)
奥様があの巡礼の口唇を見つめて
美
(
い
)
い声に聞惚れた御様子から、
根彫葉刻
(
ねほりはほり
)
御尋ねなすった御話の
前後
(
あとさき
)
を考えれば、あんな
落魄
(
おちぶれ
)
た女をすら、まだしもと御
羨
(
うらや
)
みなさる程に御思召すのでした。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
仙蔵と次郎作は、巨人達から、とう/\虫と見られて、その
家
(
うち
)
につれていかれました。孫の巨人は、これは本当に悧巧で、
美
(
い
)
い声の虫だから、今晩は抱いてねるのだと、二人を寝床の中に入れました。
漁師の冒険
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
二階の青年は大声で「
美
(
い
)
いところ! 」と叫ぶ。
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
オーという例の
艶
(
つや
)
のある
美
(
い
)
い声が聞える。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
美
(
い
)
しくも今松はこう覚悟した。
寄席
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
「……とすれば、
美
(
い
)
い女などは、
天
(
あめ
)
が
下
(
した
)
、二人に限ったものではない。またさほど、女ひでりに
渇
(
かわ
)
いている道誉でもなかろうが」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
由「それ、お前さんが桃山を呼びに行ったら、其の時幸兵衛さんが来たんだよ、御新造が
美
(
い
)
い男だと云って、それ、あの」
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“美”の解説
この記事では美(び、el: καλόν カロン、la: venustas, bellus、fr: beauté、en: beauty)について解説する。
(出典:Wikipedia)
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
“美”を含む語句
美人
美味
美女
美麗
甘美
華美
優美
美貌
美術館
美酒
美妙
美男
虞美人草
美男子
美神
美鳥
褒美
美濃
美作
美々
...