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焙
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い
ふりがな文庫
“
焙
(
い
)” の例文
結婚式の夜、茶の間で
良人
(
おっと
)
は私が堅くなってやっと
焙
(
い
)
れてあげた番茶をおいしそうに一口飲んでから、茶碗を膝に置いて云いました。
扉の彼方へ
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
腦天を
焙
(
い
)
りつける太陽が
宛然
(
まるで
)
火の樣で、
習
(
そよ
)
との風も吹かぬから、木といふ木が皆死にかかつた樣に其葉を垂れてゐた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
この頃色んな探偵事件に引っぱり出され初めて、
焙
(
い
)
り麦みたように
家
(
うち
)
の仕事をすっぽかすようになった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
兄がモカという上等の豆を食品屋で
焙
(
い
)
ってもらって宅で先程
砕
(
つぶ
)
しましたのですから焙りたてのひきたてでございます。珈琲は
珈琲碾
(
こーひーひき
)
の器械を買って家で
碾
(
ひ
)
くのに限ります。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
夫の苦しみが伸子の魂に
焙
(
い
)
りついた。ああ、彼は苦しいのだ、苦しいのだ。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
濡れ
焙
(
い
)
ぶる水無月ぞらの日の
名残
(
なごり
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
噴き出して
独楽
(
こま
)
のようにキリキリと廻転し初める……それを日比谷の大通りから米国の軍楽隊が
囃
(
はや
)
し立てる……数万の見物が豆を
焙
(
い
)
るように拍手喝采する……それを
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
焙
漢検1級
部首:⽕
12画
“焙”を含む語句
焙烙
火焙
手焙
焙炉
焙肉
焙爐
塩焙
焙火箸
焙烙地蔵
焙烙蒸
焙玉子
焙籠鉄灸
焙菓子
雲焙