ねい)” の例文
師の名は疎石そせき夢窓むそうと号して、ねいさん会下えかに参じ、仏国禅師ぶっこくぜんじの法脈をつぎ、今や、五山第一のとなえもあるとか。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山下先生に別れると、額にかかつてゐたかみをうしろへきあげて、豐富ほうふかみの毛が外にはみ出さぬ樣に丁ねい帽子ぼうしをかむり石をつてひよいと體をかしまた走り出した。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
遼東りょうとう江陰侯こういんこう呉高ごこうを永平よりい、転じて大寧たいねいに至りて之を抜き、ねい王を擁してかんに入る。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
和田ねいは幕末における最大の大家であるけれども、数学の教授では生計が立てられないで、かたわら易占をしたり、習字の師匠をして収入を補い、また発明術を売って酒に代えたというが
「亡くなった親父のかたみでございますよ。臨終のせつ、父の遺言で、これはおいねいにやってくれといわれ、長いこと預っておりましたが、つい折もなくッて」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
第十三子けいだい王とし、大同府だいどうふに居き、第十四子えいしゅく王とし、藩に甘州府かんしゅうふに就かしめ、第十五子しょくを封じてりょう王とし、広寧府こうねいふに居き、第十六子せんけい王として寧夏ねいかに居き、第十七子けんねい王に封じ
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「ま、ねいさん。そうご落胆にゃ及びますまいぜ。下手人のホシはついてることだし」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)