木犀の花もくせいのはな
木犀の花がさくのは中秋十五夜の月を見るころである。 甘いような、なつかしいような、そして又身に沁むような淋しい心持のする匂いである。 わたくしはこの花の香をかぐと、今だに尋常中学校を卒業したころの事を思出す。 わたくしの学んだ中学校はわたく …