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柔和
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おとな
ふりがな文庫
“
柔和
(
おとな
)” の例文
主人はあんな事を、
柔和
(
おとな
)
しいAさんに頼んだのを後悔しはじめた。彼は下駄を突つかけて、未見の男目がけて緊張して歩いて行つた。
姉弟と新聞配達
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
「サア、新さんが
柔和
(
おとな
)
しいからね。」と嫂も
曖昧
(
あいまい
)
なことを言った。そうして溜息を
吐
(
つ
)
いた。その顔を見ると、何だか望みが少なそうに見える。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
母「汝口が
苛
(
えら
)
いから人中へ入って詰らねえ口利いては旦那様の顔に障るから気イ付けて能く
柔和
(
おとな
)
しく慎しんで
往
(
い
)
てこうよ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかも「
柔和
(
おとな
)
しい馬を村中探したが
無
(
ね
)
えから」と、探すに事を欠いて「
漸
(
ようや
)
っと小松川から盲目馬を一匹牽いてきやした」
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
父
(
ちゝ
)
にまで
遠慮
(
ゑんりよ
)
がちなれば
自
(
おの
)
づから
詞
(
ことば
)
かずも
多
(
おほ
)
からず、一
目
(
め
)
に
見
(
み
)
わたした
處
(
ところ
)
では
柔和
(
おとな
)
しい
温順
(
すなほ
)
の
娘
(
むすめ
)
といふばかり、
格別
(
かくべつ
)
利發
(
りはつ
)
ともはげしいとも
人
(
ひと
)
は
思
(
おも
)
ふまじ
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
逃ぐる者をば龍となりて追ひ、齒や財布を見する者には
羔
(
こひつじ
)
のごとく
柔和
(
おとな
)
しきかの僭越の
族
(
うから
)
一一五—一一七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
柔和
(
おとな
)
しいというよりはいくじのないといったほうがほんとうの、からきしだらしのなかった、臆病だった、そのくせいたってみえ坊だったわたしは、いまだ嘗て
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
何しろ
柔和
(
おとな
)
しい足立さんも今日はよほど激していたようでした
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
あんたはお
家
(
うち
)
で
柔和
(
おとな
)
しやかに
裁縫
(
しごと
)
をなすっていらっしゃるは、どうも恐入りますねえ、ド、どうも富五郎どうも頂きました
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
柔和
(
おとな
)
しいというよりはいくじのないといったほうがほんとうの、からきしだらしのなかった、臆病だった、そのくせいたってみえ坊だったわたしは、いまだ
嘗
(
かつ
)
て
雷門以北
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
我れも他人の手にて育ちし同情を持てばなり、何事も母親に気をかね、父にまで遠慮がちなれば自づから
詞
(
ことば
)
かずも多からず、一目に見わたした処では
柔和
(
おとな
)
しい
温順
(
すなほ
)
の娘といふばかり
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
作「えゝ
極
(
ごく
)
柔和
(
おとな
)
しい人で、
墓参
(
はかめえ
)
りばかりして居てね、身体が
悪
(
わり
)
いから墓参りして、
何
(
なん
)
でも無縁様の墓ア磨けば幻術が使えるとか何とか云ってね、
願掛
(
がんがけ
)
えして」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ず
沸
(
わき
)
かへる
涙
(
なみだ
)
も
人事
(
ひとごと
)
にして
御不憫
(
おいとし
)
や
孃
(
ぢやう
)
さま
此程
(
このほど
)
よりのお
煩
(
わづら
)
ひのもとはと
云
(
い
)
はゞ
何
(
なに
)
ゆゑならず
柔和
(
おとな
)
しき御
生質
(
たち
)
とて
口
(
くち
)
へとては
出
(
だ
)
し
給
(
たま
)
はぬほど
猶
(
なほ
)
さらに
御
(
お
)
いとほしお
心
(
こゝろ
)
は
中々
(
なか/\
)
我
(
わ
)
が
云
(
い
)
ふやうな
物
(
もの
)
にはあらず
此
(
この
)
お
文
(
ふみ
)
御覽
(
ごらん
)
ぜばお
分
(
わか
)
りになるべけれど
御前
(
おまへ
)
さま
無情
(
つれなき
)
お
返事
(
へんじ
)
もし
遊
(
あそ
)
ばされなば
彼
(
あ
)
のまゝに
居給
(
ゐたま
)
ふまじき
御决心
(
ごけつしん
)
ぞと
見
(
み
)
る
目
(
め
)
は
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
と
傍
(
かたわら
)
の茶見世へ這入ると、其処に四十八九になる婦人が居ります。髪は小さい丸髷に結い、
姿
(
なり
)
も堅い
拵
(
こしら
)
えで
柔和
(
おとな
)
しい
内儀
(
かみ
)
さんでございます、尾張焼の湯呑の怪しいのへ桜を入れて汲んで出す。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
柔
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“柔和”で始まる語句
柔和忍辱
柔和顏
柔和仮面