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穩
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おとな
ふりがな文庫
“
穩
(
おとな
)” の例文
新字:
穏
頭を撫でても耳を引張つても、犬は目を細くして唯
穩
(
おとな
)
しくしてゐる。莨の煙を顏に吹かけても、僅かに鼻をふんふんいはす許り。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
蛇苺
(
へびいちご
)
、
芍藥
(
しやくやく
)
、
雪
(
ゆき
)
の
下
(
した
)
、もつと
穩
(
おとな
)
しい
隱立
(
かくしだて
)
よりも、おまへたちの
方
(
はう
)
がわたしは
好
(
すき
)
だ。
滅
(
ほろ
)
んだ花よ、むかしの花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
第一、あの男は一寸見たところぢやさうでもないが、あれで實に
穩
(
おとな
)
しい人間なんだ。醉つ拂ふことだつてめつたにないしさ。どうかすると一寸強情にはなるが、心は實に優しいもんだ。
氷島の漁夫:01 氷島の漁夫
(旧字旧仮名)
/
ピエール・ロティ
(著)
それに又渠は、其國訛りを出すと妙に言語が
穩
(
おとな
)
しく聞える樣な氣がするので、目上の者の前へ出ると殊更「ねす」を澤山使ふ癖があつた。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
呍咐
(
いひつか
)
つた通り云ふと
穩
(
おとな
)
しく歸つたのよ。それから主婦さんと私と二人で散々
揶揄
(
からか
)
つてやつたら、マア野村さん酷い事云つたの。
病院の窓
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
穩
(
おとな
)
しい字でどんな事件でも相應に要領を書きこなしてあるが、其の代り、これといふ新しみも、奇拔なところもない。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「お定ツ子は
穩
(
おとな
)
しくて
可
(
え
)
え
喃
(
なう
)
。」と言はれる度、今も昔も顏を染めては、「
俺
(
おら
)
知らねえす。」と人の後に隱れる。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
私は聞えぬ位に「ハイ」と答へて
叩頭
(
おじぎ
)
をすると、先生は私の頭を撫でて、「お前は餘り
穩
(
おとな
)
し過ぎる。」と言つた、そして
卓子
(
テーブル
)
の上のお盆から、麥煎餅を三枚取つて下すつたが
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
穩
部首:⽲
19画
“穩”を含む語句
安穩
平穩
靜穩
穩當
不穩
穩便
不穩當
乘穩
御安穩
穩戸