乙名おとな)” の例文
村々の庄屋、乙名おとな、早々御越あるべく候。島中此状御廻し可有之これあるべく候。ゼンチヨ方にても切支丹になり候者、御免なさるべく候。恐惶謹言。
譜第ふだい乙名おとな島徳右衛門が供をする。添島、野村は当時百石のものである。裏門の指揮役は知行五百石の側者頭高見権右衛門重政しげまさで、これも鉄砲組三十挺の頭である。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「あっ」と言いさま駈け出すのを見送って、忠利が「怪我をするなよ」と声をかけた。乙名おとな島徳右衛門、草履取ぞうりとり一人、槍持やりもち一人があとから続いた。主従四人である。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)