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温
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おとな
ふりがな文庫
“
温
(
おとな
)” の例文
『
怎
(
どう
)
したけな?』と囁いてみたが返事がなくて一層
歔欷
(
すゝりな
)
く。と、
平常
(
ふだん
)
から此女の
温
(
おとな
)
しく優しかつたのが、俄かに
可憐
(
いじらし
)
くなつて來て、丑之助は又
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
動物が巣にいる幼い子供を可愛がるように、家畜を可愛がっていたあの
温
(
おとな
)
しい眼は、今は、白く、何かを睨みつけるように
見開
(
みひらか
)
れて動かなかった。
パルチザン・ウォルコフ
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
それどころか子供に関する
温
(
おとな
)
しきに過ぎる若干の詩篇なぞは、愚弄さへされたのであつた。人々は此のフランスのサッフォを、幼年用の教訓詩人とさへ思ひ誤つた。
デボルド―ヷルモオル
(新字旧仮名)
/
中原中也
(著)
三河屋の仕事をして多少
生計
(
くらし
)
が楽になった時でありましたから、大変家の貧乏だった煎餅屋の悴を弟子に取るだけのことも出来ました訳……長次郎は至って
気質
(
きだて
)
の
温
(
おとな
)
しい男で
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
同じパッキングにいる
温
(
おとな
)
しい女工が、浮かない顔をしていた。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
それで信吾は、格別の用があつたでもなかつたが、案外
温
(
おとな
)
しく歸ることになつたのだ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
お八重はチラとお定の顏を見て、首尾よしと許り笑つたが、お定は父の露疑はぬ樣を見て、
温
(
おとな
)
しい娘だけに胸が迫つた。さしぐんで來る涙を見せまいと、ツイと立つて裏口へ行つた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『
何卒
(
どうか
)
ハア……』と、二人は血を吐く思で漸く言つて、
温
(
おとな
)
しく頭を下げた。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
温
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“温”を含む語句
温順
温和
温泉
温柔
温気
生温
微温
温暖
温習
温味
温雅
微温湯
温泉宿
温泉場
温厚
温室
温湯
温石
温突
温度
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