“訪:たず” の例文
“訪:たず”を含む作品の著者(上位)作品数
紫式部39
小川未明13
長谷川時雨7
島崎藤村7
原民喜6
“訪:たず”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 日本33.3%
文学 > フランス文学 > 小説 物語11.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語3.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
すると、新年になって、年始旁々かたがた譲吉の家をたずねた友人の杉野は、仕立下ろしと見える新しい大島の揃を着て居た。
大島が出来る話 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
岸本の船に乗るのを見送ろうとして、番町は東京から、赤城あかぎさかいの滞在先から、いずれも宿屋へたずねて来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
次男正己は妻籠の養家先からたずねて来て、木曾谷山林事件の大長咄おおながばなしを半蔵のもとに置いて行ったことがある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とうとう良人おっとほうからこのうみ修行場しゅぎょうばたずねてることになってしまいました。
命婦は御匣殿みくしげどのがほかへ移ったあとの御殿に部屋をいただいて住んでいたから、源氏はそのほうへたずねて行った。
源氏物語:19 薄雲 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ところが窪田がたずねて行って見ると、驚いたことには津島は下宿の六畳の間一ぱいに蔵経を積め込んで卒業論文を書いていた。
競漕 (新字新仮名) / 久米正雄(著)
うっかりあたしがたずねたら、あらぬ浮名うきなてられて、さぞ迷惑めいわくでもあろうかと、きょうがまで
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
あるやすみのに、正吉しょうきちは、まえ奉公ほうこうしていた、箔屋はくやたずねました。
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
客の言葉は短い。事情もよく半蔵にはわからない。しかし変名で夜おそくたずねて来るくらいだ。それに様子もただではない。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その考えに半蔵はやや心を安んじて、翌日はとりあえず、京都以来の平田鉄胤かねたね老先生をその隠棲いんせいたずねた。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女が先にいた家にいって、階下したの家主の老婦人のもとをたずねてみたが、今朝けさは宅にいるはずだと思っていたのに
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「私の心の常磐ときわな色に自信を持って、恐れのある場所へもおたずねして来たのですが、あなたは冷たくお扱いになる」
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「こちらで暮らすようになって、あなたに何か気に入らないことがありますか。つい忙しくてたずねに来ることも十分できないが」
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
かおるは新年になれば事が多くて、行こうとしても急には宇治へ出かけられまいと思って山荘の姫君がたをたずねてきた。
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
わたしもあそこへ腰をかけて、疲れをいやして、咽喉のどもうるおして、髪でもかきあげてたずねるところへゆくとしよう。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「お天気がいいのでたずねて来てくれたのかと思ったら、そんなことの相談でしたの」と妻は軽く諧謔かいぎゃくをまじえだした。
秋日記 (新字新仮名) / 原民喜(著)
こうしたことのある間は源氏も心に余裕が少なくて、愛してはいながらもたずねて行けない恋人の家が多かったであろうと思われる。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
僧などは平凡な者を呼ばずに学問と徳行のすぐれたのを選んで招じたその物事に、女王の兄の禅師も出た帰りに妹君をたずねて来た。
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ある正吉しょうきち画家がかたずねると、もう、すべてのことをっていて、画家がかのほうから、
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
岸本はこれから当分の間毎日たずねて来てくれそうな多くの客を待受けるような心持で、あちこちと家の内を歩いて見た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しかし、警察が彼らの私宅を訪問したり、その工場をたずねたりするようになると、彼らは真剣に聞くようになって来た。
海に生くる人々 (新字新仮名) / 葉山嘉樹(著)
こんな話をもって、中津川の香蔵が馬籠本陣をたずねるために、落合から十曲峠じっきょくとうげの山道を登って来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
江戸にある木曾福島の代官山村氏の屋敷を東片町ひがしかたまちたずねたが、あの辺の屋敷町もさみしかったと言うのは幸兵衛だ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
母さんのふるい友だちが十七年ぶりで私たちの家へたずねて来たというは、次郎に取っても心の驚きであったらしい。
分配 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かつみさんのような人がたずねて来てくれてもあの土屋の甥や子供らの母さんが達者でいたころのようには話せなかった。
分配 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かつて東牟婁郡高池町の素封家、佐藤長右衛門氏をたずねた時、船を用意して古座川を上り、有名な一枚岩を見せられた。
家職以外の者も始終集まって来ていたものであるが、たずねて来ることは官辺の目が恐ろしくてだれもできないのである。
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
この侍従が正月に「梅が枝」を歌いながらたずねて行った時に、合わせて和琴をいた中将の君も常にそのお役を命ぜられていた。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
母とか弟とかそうした人たちにさえすぐには知らすことをすまい、その場の都合で今日すぐに尼の家をたずねることになるかもしれぬ。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
しかしその二人は遠くに住んでいて、毎日苦しい仕事に追われていたので、幾週間も彼女をたずねて来ないことがあった。
いつもよるになつてから老人ろうじんたずねるのがつねで、あるとき、ひどくはげしい口調くちょう
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
今朝けさこの叔父おじの所をたずねたというお秀の自白が、話しをそっちへ持って行くに都合のいい便利を与えた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
館松たてまつさんは、もう錦小路にしきこうじ(鉄胤の寓居ぐうきょをさす)をおたずねでございましたか。」
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「君の内儀かみさんは一体何だね。」と新吉は初めてこの女を見てから、小野がたずねて来た時不思議そうに訊いた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
村で同姓の知合いを、神田の鍛冶町かじちょうたずねるか、石川島の会社の方へ出ている妻の弟を築地つきじの家に訪ねるかした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
お清は日の暮になってもお源の姿が見えないので心配して御気慊ごきげん取りと風邪見舞とを兼ねてお源をたずねた。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
源氏にたずねて来させるのによいおりであると思った命婦のしらせが行ったか、この春のようにそっと源氏が出て来た。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「京を出てからは昔懇意にした人たちともなかなかえないことになっていたのに、わざわざたずねて来てくれたことを満足に思う」
源氏物語:12 須磨 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「こちらへ伺いましたついでにおたずねいたさないことは、志のないもののように、誤解を受けましょうから、あちらへも参りましょう」
源氏物語:20 朝顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
とお言いになって、その後双方から手紙の書きかわされることになり、薫中将が自身でおたずねして行くようになった。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
草隠そういんの病骨へ、度々、おもの好きなるおたずね、おこころざしもだし難く、粗茶ひとつけんじ参らすべく、待ち申し上げ候
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕方のかすみが物をおぼろに見せる美しい時間であったから、院はそこからすぐ明石あかし夫人の住居すまいをおたずねになった。
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
またあした村へ行って村長さんをたずねるというのでは、きっとじいさんとのやくそくはできなかったにちがいない。
お延がなぜこういう用向ようむきを帯びて夫人をたずねるのをきらったのか、津田は不思議でならなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そうして、やがて一と月ほども無事にすぎた時に、お角はいつものようにたずねて来て、文字春となにかの話の末にこんなことをささやいた。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今まで何度来ても、それはこちらでぎょくをつけてやるから来るので、向うからついぞたずねて来たことなどなかったのに、めずらしい。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「みんな聞いてしまいましたよ。前に京都から女がたずねて来たことも、どこかの後家さんと懇意であったことも、ちゃんと知ってますよ。」
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
このままくなって心の残るのはよろしくないことであるから、たいそうにはせず宮がたずねておいでになることをお言いやりになった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
お近しくした高官たちとか、御兄弟の宮がたとかは始終おたずねされるのであるがあまり御面会になることもない。
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
薫はおさえきれぬものを心に覚えて、例のとおりにしんみりとした夕方に二条の院の中の君をたずねて来た。すぐに縁側へ敷き物を出させて、
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「しかも急にまた思い出したように出かけて行って、おまえを赤んぼうのじぶん拾った人をたずねたのだからなあ」
そして出発しようとしてる時に、ひとりの従弟いとこたずねて来たのでそのくわだては行なわれませんでした。
青春の息の痕 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
それにひきかえて、くさには、あさからばんまで、ちょうや、あぶや、みつばちがたずねてきました。
小さな草と太陽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのとき、伯父おじさんのなかのよいともだちであったペンキ親方おやかたたずねてきて、
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
私のように親しい者の所へは微行しのびででもおたずねくださればいいと恨めしい気になっている時もあります
源氏物語:29 行幸 (新字新仮名) / 紫式部(著)
京にお住いになった時すら来訪がなかったのであるから、山の重なった中へはるばるおたずねする人などはない。
源氏物語:47 橋姫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御所辺の空気ははなやかなものになって、それに引かれておいでになるというのでもなく、わざわざ宇治をおたずねになろうとしないのでもなく
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いっそ、二人ふたりのところへたずねてゆこうかしらんとかんがえたが、お正月しょうがつは、めいわくだろうとおもってやめた。
ある少年の正月の日記 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そんな話を持って、先輩暮田正香くれたまさかから、友人の香蔵や景蔵まで集まっている京都の方へたずねて行って見ると、そこでもまた雨だ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
だが、彼はつい先日その大学病院をたずねて行って大先生に来診を求めたときの情景がまざまざと甦ってくる。
美しき死の岸に (新字新仮名) / 原民喜(著)
私はいままで何んにも知らなかったので、ついそのおばさんにはよそよそしくばかりしていたが、そのうちに是非ともおたずねしてみたいものだ。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
これまでも折々に自分がたずねていくと『おばあさんだけならいつでも引きとるから来なさるといい』と言って
朴の咲く頃 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
源氏は子息の中将にも、こうこうした娘を呼び寄せたから、気をつけて交際するがよいと言ったので、中将はすぐに玉鬘の御殿へたずねて行った。
源氏物語:22 玉鬘 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こう言って、源氏は近い西の対をたずねようとしていたから、公子たちは皆見送りをするためについて行った。
源氏物語:26 常夏 (新字新仮名) / 紫式部(著)
秋の末のことであった。自分は駿河台するがだいの友人をたずねて、に入ってその家を辞して赤坂の自宅をしてみちを急いだ。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「大きくなったら、りっぱな音楽家になったら、ベルリンへ私をたずねておいでよ。力になってあげるから。」
「でも親方が刑務所けいむしょから出て来たときに、どうしてわたしをさがすでしょう。きっとこちらへたずねて来るにちがいありません」
さく明治四十二年の二月ごろより始めて夜分おりおりたずたりこの話をせられしを筆記せしなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たずねする人などはその時代から皆無といってよい状態だったのだから、今になってはまして草深い女王の邸へ出入りしようとする者はなかった。
源氏物語:06 末摘花 (新字新仮名) / 紫式部(著)
源氏は昔の日に変わらずよく左大臣家をたずねて行き故夫人の女房たちを愛護してやることを忘れなかった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
こんな住居すまいにまでたずねて来た源氏の志の身にしむことによってやっと力づいて何かを少し言った。
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と院をお恨みしていた。やすんでおいでになることをお知りになって、院はたずねようとあそばされた。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
宇治の村の人で、僧都に以前仕えたことのあった男が、宇治の院に僧都が泊まっていると聞いてたずねて来ていろいろと話をするのを聞いていると、
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)
文造ぶんぞうは約束どおり、その晩は訪問しないで、次の日の昼時分まで待った。そして彼女をたずねた。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「今日はこれからたずねて行くところがあるので失礼致しますが、またそのうちにお逢いできるでしょう」
火の唇 (新字新仮名) / 原民喜(著)
また、一人の妖怪——これは鮐魚ふぐの精だったが——は、悟浄の病を聞いて、わざわざたずねて来た。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
過去に経験のないひとみをする源氏に同情して、現在の三位さんみ中将は始終たずねて来て、世間話も多くこの人から源氏に伝わった。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
昨夜一条の宮をおたずねした時のあちらの様子などを大将が語るのを院は微笑して聞いておいでになった。
源氏物語:37 横笛 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そうした日の、ある夕ぐれ、青葉の匂いをいで、そぞろ歩きをしようと、当然帰途は美妙斎におくってもらうつもりでたずねると、留守だった。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あるごろからなかのいい三にんは、つれあって、ちの田川先生たがわせんせいをおたずねしたのであります。
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある日、仕事を終えて帰り仕度じたくをしていると、労働組合の同志の中村がぶらりとたずねて来た。
(新字新仮名) / 島木健作(著)
前に述べた任立政じんりっせいらが胡地こち李陵りりょうたずねて、ふたたび都に戻って来たころは、司馬遷はすでにこの世にかった。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
だれかと山荘の者が問うてみると、明石あかしの浦から前播磨守さきのはりまのかみ入道が船でたずねて来ていて、その使いとして来た者であった。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そこで、父の高次郎氏が、どういう考えであったか、その助手を私に頼むことに決めたと見え、或る日、突然、私の宅へその人がたずねて来たのである。
その頃波蘭ポーランドの革命党員ピルスウツキーという男が日本へ逃げて来て二葉亭をたずねて来た。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
この家へは、亭主が俳友らしい人たちもたずねて来れば、近くに住む相撲すもう取りも訪ねて来る。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そこで、気のはやい安床は、夜分やぶん、仕事をしまってから、私の父をたずねて参り、時に兼さん、これこれと始終のことをまず話し、それから、
三月ごろの空のうららかな日に、六条院へ兵部卿ひょうぶきょうの宮がおいでになり、衛門督もおたずねして来た。院はすぐに出ておいになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
つぎの朝、わたしたちは——マチアはヴァイオリン、わたしはハープと、てんでんの楽器がっきを持って、エピナッソー先生をたずねて行くことにした。
その頃であった、或る若い文人が椿岳をたずねると、椿岳は開口一番「く来なましたネエ」と。
良人おっとほうから実家さとたずねてまいったように記憶きおくしてります。
蔵人少将を母夫人への義理で二女の婿にもと思い、かつて尚侍はほのめかしたこともあったが、あの時以後もう少将はこの家をたずねることをしなくなった。
源氏物語:46 竹河 (新字新仮名) / 紫式部(著)
二人はパリーに着いた。たがいに住所も告げずたずねて来てほしいとも言わずに、そのまま別れた。
縁起えんぎがいいと言われてる正覚坊が、向こうからたずねて来てくれたんですもの、漁夫りょうしとしてこれくらい愉快ゆかいなことはありません。
正覚坊 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
鶴見が藤村をはじめてたずねたのは、『落梅集らくばいしゅう』が出る少し前であったかと思う。
それからずっとって、ある日楠緒さんがわざわざ早稲田へたずねて来てくれた事がある。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
せんぬし、先々の主、其外一飯いっぱんおんあるうちをも必たずねた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
気にとまらなかった村民などさえもたまさかにたずねてくれる時はうれしく思うようになった。
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「そこで貴殿におたずねしますが、この拙者という人間こそ、その独楽を手中に入れようとして、永年尋ねておりました者と、ご推量されたでござりましょうな」
仇討姉妹笠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
誰れか下の者がたずねてゆくでしょう「お前に何かやりたいねえ」というと、何処からか到来物らしい、新しいラッコの帽子を、そらきた、とやるのですからね。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)