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訪
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おとづ
ふりがな文庫
“
訪
(
おとづ
)” の例文
しかし、ローウッドの不自由、といふよりも寧ろ
苦難
(
くるしみ
)
は、だん/\少なくなつて來た。春が近づいたのだ。事實、春はもう
訪
(
おとづ
)
れてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
貫一も彼の
主
(
あるじ
)
もこの家に公然の
出入
(
でいり
)
を
憚
(
はばか
)
る身なれば、玄関
側
(
わき
)
なる
格子口
(
こうしぐち
)
より
訪
(
おとづ
)
るるを常とせり。彼は戸口に立寄りけるに、鰐淵の
履物
(
はきもの
)
は在らず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
わが今引ける汝の
言
(
ことば
)
、新しき道を傳ふる者とその
調
(
しらべ
)
を同じうせしかば、彼等を
訪
(
おとづ
)
るることわが習ひとなり 七九—八一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
讀者諸君にして若しレイクランヅの地を
訪
(
おとづ
)
れられたならば、この物語についてもつと聞かれるところがあらう。
水車のある教会
(旧字旧仮名)
/
オー・ヘンリー
(著)
せめて嵯峨の奧にありと聞く瀧口が庵室に
訪
(
おとづ
)
れて我が誠の心を
打明
(
うちあ
)
かさばやと、さかしくも思ひ
決
(
さだ
)
めつ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
此夜彼が「梅子、相変らずの勉強か」と、いとも
柔
(
やは
)
らかに
我女
(
わがこ
)
の書斎を
訪
(
おとづ
)
れしも
是
(
こ
)
れが為めなり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
弔礼
(
てうれい
)
のために、
香川家
(
かがはけ
)
を
訪
(
おとづ
)
れたものが、うけつけの
机
(
つくゑ
)
も、
四
(
よ
)
つばかり、
応接
(
おうせつ
)
に
山
(
やま
)
をなす
中
(
なか
)
から、
其処
(
そこ
)
へ
通
(
とほ
)
された
親類縁者
(
しんるゐえんじや
)
、それ/″\、
又
(
また
)
他方面
(
たはうめん
)
の
客
(
きやく
)
は、
大方
(
おほかた
)
別室
(
べつしつ
)
であらう。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大久保
(
おほくぼ
)
は
出発前
(
しゆつぱつぜん
)
よりも一
層
(
そう
)
あせつてゐたが、
先
(
ま
)
づ
訪
(
おとづ
)
れたのは、やはり
竹村
(
たけむら
)
であつた。
彼
(
かれ
)
はロンドン
仕立
(
じたて
)
の
脊広
(
せびろ
)
を
着
(
き
)
こんでゐただけで、一
年
(
ねん
)
前
(
まへ
)
の
彼
(
かれ
)
と
少
(
すこ
)
しも
変
(
かは
)
つたところはなかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼等
(
かれら
)
の
或
(
ある
)
者
(
もの
)
は
更
(
さら
)
に
夜
(
よる
)
の
眠
(
ねむ
)
りに
就
(
つ
)
く
前
(
まへ
)
に
戸口
(
とぐち
)
に
近
(
ちか
)
く
蚊帳
(
かや
)
の
裾
(
すそ
)
にくるまつては
竊
(
ひそか
)
に
雨戸
(
あまど
)
の
外
(
そと
)
に
訪
(
おとづ
)
るゝ
男
(
をとこ
)
を
待
(
ま
)
たうとさへするのである。
男
(
をとこ
)
は
雨戸
(
あまど
)
を
開
(
あ
)
けて
忍
(
しの
)
ぶ
時
(
とき
)
月
(
つき
)
が
冴
(
さ
)
え
居
(
ゐ
)
てさへ
躊躇
(
ちうちよ
)
せぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
判事はあの
欝陶
(
うつたう
)
しい部屋で、あの
気色
(
きしよく
)
悪い人間の死を
訪
(
おとづ
)
れることを避ける為には、少くない金をも
吝
(
をし
)
まなかつた。婚礼と新築祝ならいつでも行くんだけれど、俺は病人や葬式は真平だ。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
をぢは母上のみまかり給ひしを聞き、又人の我に盾銀二十を
貽
(
おく
)
りしを聞き、母上の
追悼
(
くやみ
)
よりは、かの金の
發落
(
なりゆき
)
のこゝろづかひのために、こゝには
訪
(
おとづ
)
れ來ぬるなり。をぢは聲振り立てゝいふやう。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
眼に映るすべては、秋の
訪
(
おとづ
)
れ速かな北國の寂しい朝の姿であつた。港を包む
遠近
(
をちこち
)
の山の頂には冷たい色の雲が流れて、その暗い陰影に劃られた山山の襞には憂欝と冷酷の色が深く刻まれてあつた。
修道院の秋
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
錆
(
さび
)
のある聲が少し落着きを失つて、また平次の戸口を
訪
(
おとづ
)
れました。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お道は半ば夢中で、まだ若かつた春の頃、情人に臥床を
訪
(
おとづ
)
れられた折のやうな風をして、何かなしに扉の錠前を開けると、轉げ込むやうにして入つて來たのは、大きな黒い塊のやうな太政官であつた。
太政官
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
彼女は、はじめて
訪
(
おとづ
)
れる北風の街をせつなく心に描いた……。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
鷹師
(
たかし
)
のもとに
訪
(
おとづ
)
れて
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
やうやく私に
訪
(
おとづ
)
れて來たのだとばかり思つて、それを取りに行つてみると、何でもないブリッグス氏からの事務に關した手紙であつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
山遠く谷深ければ、入りにし跡を
訪
(
と
)
ふ人とてあらざれば、松風ならで世に友もなき庵室に、夜に入りて
訪
(
おとづ
)
れし其人を誰れと思ひきや、小松の三位中將維盛卿にて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
が、
興行
(
こうぎやう
)
の
折
(
をり
)
の
桟敷
(
さじき
)
、
又
(
また
)
は
従兄弟
(
いとこ
)
の
住居
(
すまゐ
)
で、
顔
(
かほ
)
も
合
(
あ
)
はせれば、ものを
言
(
い
)
ひ
交
(
か
)
はす、
時々
(
とき/″\
)
と
言
(
い
)
ふほどでもないが、ともに
田端
(
たばた
)
の
家
(
いへ
)
を
訪
(
おとづ
)
れた
事
(
こと
)
もあつて、
人目
(
ひとめ
)
に
着
(
つ
)
くよりは
親
(
した
)
しかつた……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
多分彼女等は尊敬すべきその肉親と共に馬車で
訪
(
おとづ
)
れ、彼が取締りと事務を處理したり、洗濯婦に質問したり、監督者に説教したりしてゐる間中
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
如何
(
いか
)
に
女性
(
によしやう
)
、我れ
世
(
よ
)
に在りし時は、
御所
(
ごしよ
)
に
然
(
さ
)
る人あるを知りし事ありしが、我が知れる其人は我れを知らざる筈なり、されば
今宵
(
こよひ
)
我れを
訪
(
おとづ
)
れ給へる御身は、我が知れる横笛にてはよもあらじ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
……
極暑
(
ごくしよ
)
の
砌
(
みぎり
)
、
見
(
み
)
ても
咽喉
(
のど
)
の
乾
(
かわ
)
きさうな
鹽辛蜻蛉
(
しほからとんぼ
)
が
炎天
(
えんてん
)
の
屋根瓦
(
やねがはら
)
にこびりついたのさへ、
觸
(
さは
)
ると
熱
(
あつ
)
い
窓
(
まど
)
の
敷居
(
しきゐ
)
に
頬杖
(
ほゝづゑ
)
して
視
(
なが
)
めるほど、
庭
(
には
)
のない
家
(
いへ
)
には、どの
蜻蛉
(
とんぼ
)
も
訪
(
おとづ
)
れる
事
(
こと
)
が
少
(
すくな
)
いのに——よく
來
(
き
)
たな
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訪”を含む語句
訪問
探訪
来訪
音訪
諏訪法性
諏訪
下諏訪
上諏訪
諏訪湖
歴訪
御訪
諏訪神社
諏訪明神裏
訪客
訪問着
諏訪山
諏訪町
諏訪明神
訪鉦
諏訪社
...