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訪
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おとず
ふりがな文庫
“
訪
(
おとず
)” の例文
年に一度の歓会しかない
七夕
(
たなばた
)
の
彦星
(
ひこぼし
)
に似たまれな
訪
(
おとず
)
れよりも待ちえられないにしても、婿君と見ることは幸福に違いないと思われた。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
実家
(
さと
)
の
両親
(
りょうしん
)
は
大
(
たい
)
へんに
私
(
わたくし
)
の
身
(
み
)
の
上
(
うえ
)
を
案
(
あん
)
じてくれまして、しのびやかに
私
(
わたくし
)
の
仮宅
(
かりずまい
)
を
訪
(
おとず
)
れ、
鎌倉
(
かまくら
)
へ
帰
(
かえ
)
れとすすめてくださるのでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ですから、ここを
訪
(
おとず
)
れる人々は芝生を
刈
(
か
)
りとらせました。はだの見える地面が、大きな文字や名前となって現われています。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
それからまた一
年
(
ねん
)
たって、二
度
(
ど
)
めの
春
(
はる
)
が
訪
(
おとず
)
れてくる
時分
(
じぶん
)
には、
保名
(
やすな
)
と
娘
(
むすめ
)
の
間
(
あいだ
)
にかわいらしい男の子が
一人
(
ひとり
)
生
(
う
)
まれていました。
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
一人の
比丘尼
(
びくに
)
が
訪
(
おとず
)
れて来た。女中が「お比丘尼さまがお見えになりました」といって丁寧に取次いだ。会ってみると、姿を変えたさきの少女である。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
▼ もっと見る
迎える門は、水を打ち、
厨
(
くりや
)
(台所)を
浄
(
きよ
)
めて、気をつかっていたが、やがて、どやどや
訪
(
おとず
)
れる方は、一歩前まで、勝手な放談を楽しみつつやって来た。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私の屡しば
訪
(
おとず
)
れたところのそのヴィラは、数年前に最後に私の見た時とはすっかり打って変っていた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
辛抱
(
しんぼう
)
に
辛抱
(
しんぼう
)
を
重
(
かさ
)
ねて
来
(
き
)
たとどのつまりが、そこは
女
(
おんな
)
の
乱
(
みだ
)
れる
思
(
おも
)
いの
堪
(
た
)
え
難
(
がた
)
く、きのうときょうの二
度
(
ど
)
も
続
(
つづ
)
けて、この
仕事場
(
しごとば
)
を、ひそかに
訪
(
おとず
)
れる
気
(
き
)
になったのであろう。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お六の家を
訪
(
おとず
)
れるのは、浜路にとっては初めてであった。恋人宗三郎の目的が、道人探しにあると聞くや、思い出したのは彦兵衛の事、道人の住居を知っているらしい。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とわめきながら、
四辺
(
あたり
)
を
歩
(
ある
)
きまわりました。そして、しまいには一
軒
(
けん
)
一
軒
(
けん
)
、よその
家
(
うち
)
を
訪
(
おとず
)
れて
少年の日の悲哀
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
時あって是よりニライを
訪
(
おとず
)
れたという語が、後世にもくり返されていたごとく、セヂがニルヤの使者によって、人界に
齎
(
もた
)
らされるという信仰は、なお久しい間続いていた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
春の
訪
(
おとず
)
れを最も早く感ずるのは、あらゆる野草のうちで福寿草が一番早いような気がします。
季節の植物帳
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
第十五夜のリューネブルク、第二十五夜のフランクフルトには一八三三、四年に
訪
(
おとず
)
れている。
絵のない絵本:02 解説
(新字新仮名)
/
矢崎源九郎
(著)
彼はもう間もなく
訪
(
おとず
)
れて来るに違いない。あたしはまた鏡に向って、髪かたちを
整
(
ととの
)
えた。
俘囚
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこへ、ガラッ!
威勢
(
いせい
)
よくおもての
格子
(
こうし
)
があいて、聞き
慣
(
な
)
れない人の
訪
(
おとず
)
れる声がする。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
武蔵野の家族が
斗満
(
とまむ
)
を
訪
(
おとず
)
れた其二周年が来た。
雁
(
かり
)
は二たび武蔵野の空に
来
(
き
)
鳴
(
な
)
いた。此四ヶ月の間には、明治天皇の
崩御
(
ほうぎょ
)
、
乃木翁
(
のぎおう
)
の
自刃
(
じじん
)
、など強い印象を人に与うる事実が相ついだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
おなじ里の某氏の許を
訪
(
おとず
)
れ、古今のよもやまばなしをしてはなしに興がのってきたとき、壁一重へだてた隣室から、人の苦しそうなうめき声が聞えてきて、いかにも可哀そうだったので
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
しかし空は青々と、吾々の
訪
(
おとず
)
れに味方してくれた。どこの細道も知りぬいている人力である。
小路
(
こうじ
)
をぬって目指す町へと向った。だがある横町を過ぎた時、はたと私たちの眼に映ったものがある。
思い出す職人
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
まことに不自由な花のようだが、実はそれがそう不自由でないのはおもしろいことではないか。なんとなれば、そこには花粉の
橋渡
(
はしわた
)
し役を
勤
(
つと
)
めるものがあって、
断
(
た
)
えずこの花を
訪
(
おとず
)
れるからである。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼は一人うなずいてから、
山間
(
さんかん
)
の森の中に山の神を
訪
(
おとず
)
れました。
コーカサスの禿鷹
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
落城後
(
らくじょうご
)
私
(
わたくし
)
があの
諸磯
(
もろいそ
)
の
海辺
(
うみべ
)
に
佗住居
(
わびずまい
)
をして
居
(
い
)
た
時分
(
じぶん
)
などは、
何度
(
なんど
)
も
何度
(
なんど
)
も
訪
(
おとず
)
れて
来
(
き
)
て、
何
(
なに
)
かと
私
(
わたくし
)
に
力
(
ちから
)
をつけてくれました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今夜の月の
訪
(
おとず
)
れはあまりに短いものでした。しかしわたしは、人からいやしまれているその狭い小路に住む年とった婦人のことを考えてみました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
鏡
(
かがみ
)
のおもてに
映
(
うつ
)
した
眉間
(
みけん
)
に、
深
(
ふか
)
い八の
字
(
じ
)
を
寄
(
よ
)
せたまま、ただいらいらした
気持
(
きもち
)
を
繰返
(
くりかえ
)
していた
中村松江
(
なかむらしょうこう
)
は、ふと、
格子戸
(
こうしど
)
の
外
(
そと
)
に
人
(
ひと
)
の
訪
(
おとず
)
れた
気配
(
けはい
)
を
感
(
かん
)
じて、じッと
耳
(
みみ
)
を
澄
(
すま
)
した。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
秀吉の
訪
(
おとず
)
れも、実に
無造作
(
むぞうさ
)
な突然であったが、景勝の迎え方も、
虚飾
(
きょしょく
)
のない率直さであった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小僧
(
こぞう
)
さんは、こんなにして
倒
(
たお
)
れていたけれど、ときどき
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
したように
電車
(
でんしゃ
)
のうなり
音
(
おと
)
が
訪
(
おとず
)
れてくるほかは、だれもそばへよってきて、ようすをたずねるものもありませんでした。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
かりそめにも京へ出ることをせず、物思いをしてこもっていることを知って、世間の人も故人を薫が深く愛していたことを知り、宮中をはじめとして諸方面からの慰問の使いが山荘を多く
訪
(
おとず
)
れた。
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
友だちのところを
訪
(
おとず
)
れることも、まれであった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それは、この一行のだれもが考えていることでした。だから赤々と輝く暁の光は、ふたたび
訪
(
おとず
)
れてくるであろう幸運の太陽の
福音
(
ふくいん
)
のように思われたのです。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ある
日
(
ひ
)
敦子
(
あつこ
)
さまが
私
(
わたくし
)
の
許
(
もと
)
へ
訪
(
おとず
)
れましたので、
私
(
わたくし
)
からいろいろ
言
(
い
)
いきかせてあげたことがございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
東叡山
(
とうえいざん
)
寛永寺
(
かんえいじ
)
の
山裾
(
やますそ
)
に、
周囲
(
しゅうい
)
一
里
(
り
)
の
池
(
いけ
)
を
見
(
み
)
ることは、
開府以来
(
かいふいらい
)
江戸
(
えど
)
っ
子
(
こ
)
がもつ
誇
(
ほこ
)
りの一つであったが、わけても
雁
(
かり
)
の
訪
(
おとず
)
れを
待
(
ま
)
つまでの、
蓮
(
はす
)
の
花
(
はな
)
が
池面
(
いけおも
)
に
浮
(
う
)
き
出
(
で
)
た
初秋
(
しょしゅう
)
の
風情
(
ふぜい
)
は
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
また、
折
(
おり
)
ふし
訪
(
おとず
)
れた
白髯
(
はくぜん
)
の
高士
(
こうし
)
の
意見
(
いけん
)
もここに
加
(
くわ
)
わっているのである。その高野の僧の名は明かしがたいが、高士の名はあかしてもよい。それは、
鞍馬
(
くらま
)
の
隠士
(
いんし
)
僧正谷
(
そうじょうがたに
)
の
果心居士
(
かしんこじ
)
である。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、三
月
(
がつ
)
の
季節
(
きせつ
)
となりました。
春
(
はる
)
がこの
村
(
むら
)
にも
訪
(
おとず
)
れてきたのであります。
村へ帰った傷兵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、兼好法師の
訪
(
おとず
)
れを彼に取次いだ。それは、彼にも意外だったに相違なく
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春
(
はる
)
のころ、一
度
(
ど
)
この
谷間
(
たにま
)
を
訪
(
おとず
)
れたことのあるしじゅうからは、やがて
涼風
(
すずかぜ
)
のたとうとする
今日
(
きょう
)
、
谷川
(
たにがわ
)
の
岸
(
きし
)
にあった
同
(
おな
)
じ
石
(
いし
)
の
上
(
うえ
)
に
降
(
お
)
りて、なつかしそうに、あたりの
景色
(
けしき
)
をながめていたのであります。
谷間のしじゅうから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「漁師の家と見える、ひとつ、
訪
(
おとず
)
れてみよう」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六星、
壇
(
だん
)
に誓う門外に、また
訪
(
おとず
)
れる一星のこと
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そのとき、庵の外で、
訪
(
おとず
)
れがしていた。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東北にはすでに早い秋が
訪
(
おとず
)
れている。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、
訪
(
おとず
)
れらしいぞ」
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訪”を含む語句
訪問
探訪
来訪
音訪
諏訪法性
諏訪
下諏訪
上諏訪
諏訪湖
歴訪
御訪
諏訪神社
諏訪明神裏
訪客
訪問着
諏訪山
諏訪町
諏訪明神
訪鉦
諏訪社
...