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訪
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おと
ふりがな文庫
“
訪
(
おと
)” の例文
高枕したまま起きようともしない主水之介の居間にもその夕やみが忍びよったとき、突然、玄関先で
憚
(
はば
)
るように
訪
(
おと
)
のうた声がある。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
私
(
わたくし
)
は
元來
(
ぐわんらい
)
膝栗毛的
(
ひざくりげてき
)
の
旅行
(
りよかう
)
であるから、
何
(
なに
)
も
面倒
(
めんだう
)
はない、
手提革包
(
てさげかばん
)
一個
(
ひとつ
)
を
船室
(
キヤビン
)
の
中
(
なか
)
へ
投込
(
なげこ
)
んだまゝ
直
(
す
)
ぐ
春枝夫人等
(
はるえふじんら
)
の
船室
(
キヤビン
)
へ
訪
(
おと
)
づれた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「その不幸な
女
(
ひと
)
が兇行に遭っている最中に、誰か戸口へ
訪
(
おと
)
なっただろうという説もありますが、どうも
左様
(
そう
)
らしいですわね」
ペルゴレーズ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
向うの村の
梢
(
こずえ
)
に先ず
訪
(
おと
)
ずれて、丘の櫟林、谷の尾花が末、さては己が庭の松と、次第に吹いて来る秋風を
指点
(
してん
)
するに好い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「いつも旦那様の
天狗講釈
(
てんぐこうしゃく
)
にあてられておりますので、その
鬱憤
(
うっぷん
)
によく伺っておきましたので……」主従、笑いに
紛
(
まぎ
)
れている
門
(
かど
)
へ、女客の
訪
(
おと
)
ないがする。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
四萬六千日
(
しまんろくせんにち
)
は
八月
(
はちぐわつ
)
なり。さしもの
暑
(
あつ
)
さも、
此
(
こ
)
の
夜
(
よ
)
のころ、
觀音
(
くわんのん
)
の
山
(
やま
)
より
涼
(
すゞ
)
しき
風
(
かぜ
)
そよ/\と
訪
(
おと
)
づるゝ、
可懷
(
なつか
)
し。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
初め敵討ちの希望をもって、千葉道場を
訪
(
おと
)
ずれて、武術修行を懇願するや、周作はすぐに承知した。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
小閑を得て
訪
(
おと
)
ずれると、二階へともなって、箏を沢山たてた、
小間
(
こま
)
の机の前でこういった。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
平次は静かに
訪
(
おと
)
ずれると、奥で何やら言い争っておりましたが、しばらく経ってから
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
百姓は大きに腹を立てて厳重に
懸合
(
かけあ
)
うけれども、何分証拠がないこととて如何とも仕様がない。弱り果てて、当時有名の弁護士カランの許を
訪
(
おと
)
ずれ、どうか取戻の訴を起してくれと頼んだ。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
訪
(
おと
)
なへば梅の木の間に
艸千里
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
程よく焼いて用いるとき、——ピタピタと言う軽い足音が社務所の玄関口に近づいて来たかと思われるや一緒で、
訪
(
おと
)
のうた声はまさしく銀鈴のような涼しい女の声です。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
君の御前を退て和ならず山に分け入りぬれば、自ら世をのがると人はいふめれど、物うき山のすまひ
柴
(
しば
)
の
庵
(
いほり
)
の風のみあれて、かけひならでは露
訪
(
おと
)
なふものもなし……(中略)
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
然
(
しか
)
るに
今日
(
こんにち
)
まで
幾度
(
いくたび
)
か
各國市府
(
かくこくしふ
)
の
日本公使館
(
につぽんこうしくわん
)
や
領事館
(
りやうじくわん
)
を
訪
(
おと
)
づれたが、一
度
(
ど
)
もそれと
覺
(
おぼ
)
しき
消息
(
せうそく
)
を
耳
(
みゝ
)
にせぬのは、
大佐
(
たいさ
)
は
其
(
その
)
行衞
(
ゆくゑ
)
を
晦
(
くら
)
ましたまゝ
未
(
ま
)
だ
世
(
よ
)
に
現
(
あら
)
はれて
來
(
こ
)
ぬ
何
(
なに
)
よりの
證據
(
しようこ
)
。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
チャイコフスキーに突如として不幸の
訪
(
おと
)
ずれたのは、一八七七年の初夏であった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
おりから玄関に
訪
(
おと
)
なう声。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『ははあ。糸を染めておいでなさるのだ。
染桶
(
そめおけ
)
があるし、
勾欄
(
こうらん
)
から
紅葉
(
もみじ
)
の木へ、
濯
(
すす
)
ぎあげた五色の糸を、懸けつらねて、干してもある。……はて、何と
訪
(
おと
)
なおう。おどろかしてもよくないし』
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そんな話の最中に、障子一重の入口に物々しく
訪
(
おと
)
づれる聲がしました。
銭形平次捕物控:306 地中の富
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
右門は
慇懃
(
いんぎん
)
に
訪
(
おと
)
のうた。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
たたけば、こわれそうな門の
扉
(
と
)
である。いや、たたく必要もなく、二尺ほど、
曲
(
ま
)
がって、すいていた。しかし礼として、清盛は外から
訪
(
おと
)
なうことにした。
頼
(
たの
)
もう、頼もう——を二度ほどくり返す。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
千代之助の
訪
(
おと
)
なうのと一緒でした。
百唇の譜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、
訪
(
おと
)
なう者があった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訪”を含む語句
訪問
探訪
来訪
音訪
諏訪法性
諏訪
下諏訪
上諏訪
諏訪湖
歴訪
御訪
諏訪神社
諏訪明神裏
訪客
訪問着
諏訪山
諏訪町
諏訪明神
訪鉦
諏訪社
...