とい)” の例文
その頃あらたに隣家へ引移ッて参ッた官員は家内四人活計ぐらしで、細君もあれば娘もある。隣ずからの寒暄かんけんの挨拶が喰付きで、親々が心安く成るにつれ娘同志も親しくなり、毎日のようにといとわれつした。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
わが発句の口吟こうぎん、もとより集にあむべき心とてもなかりしかば、書きもとどめず、年とともに大方おおかたは忘れはてしに、おりおり人のとい来りて、わがいなむをも聴かず、短冊色帋しきしなんどわるるものから
自選 荷風百句 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)