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訪
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おとの
ふりがな文庫
“
訪
(
おとの
)” の例文
仕事は
盛
(
さかん
)
で、島を
訪
(
おとの
)
うと
筬
(
おさ
)
の音をほとんど戸
毎
(
ごと
)
に聞くでありましょう。特色ある織物としてこの島にとっては大切な仕事であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
尋常に
訪
(
おとの
)
うては、いよいよ敵に警戒を与えるばかり。雨戸越しにでもはいる手段はないかと、調べてみたが、これもおぼつかない。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
余はこの点についてその範囲及び細目を知るの必要ありしを以て時の専門学務局長
上田萬年
(
うえだかずとし
)
氏を文部省に
訪
(
おとの
)
ふて委細を
質
(
ただ
)
したり。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
芳子が父母に
許可
(
ゆるし
)
を得て、父に
伴
(
つ
)
れられて、時雄の門を
訪
(
おとの
)
うたのは翌年の二月で、丁度時雄の三番目の男の児の生れた七夜の日であった。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
呉秀三
(
くれしゅうぞう
)
博士の『精神啓微』や『精神病者の書態』を愛読して、親しく呉博士を
訪
(
おとの
)
うて
蘊蓄
(
うんちく
)
を
叩
(
たた
)
いたのはやはりその頃であった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
▼ もっと見る
その電報が来た時、私は露国大使館を
訪
(
おとの
)
うて、書記官か誰かにエカテリンブルグの位置などを訊いたことを覚えて居ます。
たちあな姫
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
七草
(
ななくさ
)
の日に、職人すがたに変装して、壁辰の家を
訪
(
おとの
)
うたとき、いつものように手を拭きふき台所から出て行った娘のお妙は、その男のあまりの
綺麗
(
きれい
)
に
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
一方は日ならずして、時の花の都、
開封
(
かいほう
)
東京
(
とうけい
)
にたどり着き、さっそく
大相国寺
(
だいそうこくじ
)
の
智清大禅師
(
ちせいだいぜんじ
)
をその山門に
訪
(
おとの
)
うて
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌朝出で立ちて、途中で始めて気付き、引き還して亭主を責めたが応ぜず。叔父を
訪
(
おとの
)
うて泣き付くと、広げさえすれば飲食思いのままに備わる机懸けをくれる。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
しかし不思議にも人猿どもは、私を絶えず監視して森の奥を
訪
(
おとの
)
うのを拒絶した。そしてもちろん
岩窟
(
いわや
)
の老人も私が森林へ分け入ることを非常に嫌っているらしかった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
私はほうぼう歩き廻って、世界でも最も高名な場所を
訪
(
おとの
)
うたり、または人類が最大級の言葉とともに、そのまわりを躍り廻っているような芸術品を見に行ったりしたものです。
幻滅
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
ヨブの病中は
傍
(
そば
)
に寄りつく事だにしなかった兄弟姉妹知友たち、今ヨブが病
癒
(
い
)
えて昔日以上の繁栄に入るや、
俄
(
にわか
)
に彼の家を
訪
(
おとの
)
うて飲食し、
既
(
すで
)
に慰めいたわる必要なきヨブを慰め
労
(
いたわ
)
り
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
回顧すれば既に十有余年の昔となったが、明治三十八年、我輩がアメリカのハーヴァード大学を
訪
(
おとの
)
うた時、同大学の法科大学の大教場に、このオースチン夫人サラーの肖像を掲げてあるのを見た。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
北国の
瑞典
(
スウェーデン
)
はこの仕事のために今は世界の瑞典である。私たちが欧洲を
訪
(
おとの
)
うたのも、一つにはそこに足を運びたかったからである。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
二度目に美妙を
訪
(
おとの
)
うたのは
駿河台
(
するがだい
)
の自宅であった。
水道橋
(
すいどうばし
)
内の
皁莢坂
(
さいかちざか
)
を駿河台へ登り切った
堤際
(
どてきわ
)
の、その頃坊城伯爵が
住
(
すま
)
っていた
旗本
(
はたもと
)
屋敷の長屋であった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
よく留守を
訪
(
おとの
)
うてくれる。またいろいろな消息を知らせてもくれた。きょうも
袂
(
たもと
)
から一通の書面を出して
日本名婦伝:小野寺十内の妻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どんな人が来るのだろうと、お吉は仕事をしながらも、それを心待ちに待ちかまえていましたが、風呂が沸く時分になっても、一向この家へ、
訪
(
おとの
)
うて来る人はありません。
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
が、一人も友達のなくなった彼は、深い憎悪を懐かれているとは知りながらも、なお昔親しく交わった雄吉を
訪
(
おとの
)
うて、カフェで一杯のコーヒーをでも、一緒に飲みたかったのであろう。
青木の出京
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
岡山は
備州
(
びしゅう
)
の都、池田氏の城下町で、黒い
烏城
(
うじょう
)
の姿と、緑の
後楽園
(
こうらくえん
)
とは、
訪
(
おとの
)
う者にとって忘れ得ない景色であります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
そこを
訪
(
おとの
)
うた者の言によると、彼は依然たる貧乏と
画三昧
(
がさんまい
)
のうちに慎んでおり、それについて訊ねてみても、自分がしたともいわなければ、自分ではないともいわない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(これからは、心のまま、不自由のないところにも楽しみ、また、不自由の中にも楽しむ——という気で独り送りたいから、わしの
住居
(
すまい
)
へは、誰も
訪
(
おとの
)
うてくれるな。出家したと思うてくれ)
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「灯の洩る家をみたら
訪
(
おとの
)
うてみい。何とかなろうが」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ばば、出てみい。たれか
門
(
かど
)
で
訪
(
おとの
)
うらしいぞ」
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訪”を含む語句
訪問
探訪
来訪
音訪
諏訪法性
諏訪
下諏訪
上諏訪
諏訪湖
歴訪
御訪
諏訪神社
諏訪明神裏
訪客
訪問着
諏訪山
諏訪町
諏訪明神
訪鉦
諏訪社
...