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訪
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と
ふりがな文庫
“
訪
(
と
)” の例文
ついて
話
(
はな
)
しがある。(
猿
(
さる
)
どのの
夜寒
(
よさむ
)
訪
(
と
)
ひゆく
兎
(
うさぎ
)
かな)で、
水上
(
みなかみ
)
さんも、
私
(
わたし
)
も、
場所
(
ばしよ
)
はちがふが、
兩方
(
りやうはう
)
とも
交代夜番
(
かうたいよばん
)
のせこに
出
(
で
)
てゐる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其説に拠ると小十郎は何等の言をも発せずに終ったので、政宗は其夜
窃
(
ひそ
)
かに小十郎の家を
訪
(
と
)
うた。小十郎は主人の成りを
悦
(
よろこ
)
び迎えた。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
忠度の俊成を
訪
(
と
)
うた時が暮春であったからだろうとか、何とかいう理由でこれを解釈しようとするのは趣味の方を忘れた解釈である。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
しかしわれわれは人の家を
訪
(
と
)
うた時、座敷の
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
にその家伝来の書画を見れば何となく
奥床
(
おくゆか
)
しく
自
(
おのずか
)
ら主人に対して敬意を深くする。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
夕暮に僕は横浜
野毛町
(
のげまち
)
に桂を訪ねると、宿の者が「桂さんはまだ会社です」というから、会社の様子も見たく、その足で会社を
訪
(
と
)
うた。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
馬島氏、一日、余を
訪
(
と
)
いて曰く、「われは西洋伝来の催眠術を利用して治療上に施し、これを数十人に試むるに、みな好結果を得たり」
妖怪学
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
尋
(
つ
)
いでわたくしは保さんを
訪
(
と
)
おうと思っていると、
偶
(
たまたま
)
女
(
むすめ
)
杏奴
(
あんぬ
)
が病気になった。
日々
(
にちにち
)
官衙
(
かんが
)
には
通
(
かよ
)
ったが、公退の時には家路を急いだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
『中島五郎作の家を
訪
(
と
)
うて、それとなく探ってみたところ、六日は吉良どのに
差支
(
さしつかえ
)
があって、朝会は見合せになったと云うておる』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌朝の新聞に宅の
下手
(
へた
)
な合奏の光景が暴露されているかと思って読んでみると「……同学士をH町の自邸に
訪
(
と
)
えば」うんぬん、とあって
ジャーナリズム雑感
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そして静かな冬の日のさしかけている下河原の街を歩いて、数年前一度知っている心あたりの旅館を
訪
(
と
)
うと、快く通してくれた。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
神戸から同船して来た津田の店を
訪
(
と
)
うて
料
(
はか
)
らず
馬来街
(
マレイ・ストリイト
)
の
遊女街
(
いうぢよまち
)
に出た。同じ様な公娼の街は四箇所あるが
之
(
これ
)
が第一に
盛
(
さかん
)
だと津田が語つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
あるいは例の消極的修養に必要な道具かも知れない。
昔
(
むか
)
し或る学者が何とかいう智識を
訪
(
と
)
うたら、
和尚
(
おしょう
)
両肌を抜いで
甎
(
かわら
)
を
磨
(
ま
)
しておられた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私が武蔵野を
訪
(
と
)
うことはその頃からいよいよ繁くなって来た。自然はすべての不平と煩悶とを葬るにまことに適しき墓である。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
金福寺
(
こんぷくじ
)
に芭蕉の墓を
訪
(
と
)
うた時の句である。蕪村は芭蕉を崇拝して、自己を知る者ただ故人に一人の芭蕉あるのみと考えていた。
郷愁の詩人 与謝蕪村
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
スウィーデンボルクまさに死せんとするや友人彼の心中の様を問う、彼
答
(
こたえ
)
ていわく「幼時老母の家を
訪
(
と
)
わんとするの
喜悦
(
よろこび
)
あり」
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「お前さんが七年
前
(
あと
)
に清水さんを殺した其の白骨でも出さなけりゃア、跡に残った
女房子
(
にょうぼこ
)
が七回忌になりやしても、
訪
(
と
)
い
吊
(
とむら
)
いも出来やせん」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
あくる日武男はさらに母の保証をとり、さらに主治医を
訪
(
と
)
いて、ねんごろに浪子の上を託し、午後の汽車にて
逗子
(
ずし
)
におりつ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
武蔵野の彼等が斗満を
訪
(
と
)
うた其年の冬、関翁は最後の出京して、翌明治四十四年の四月斗満に帰った。出京中に二度
粕谷
(
かすや
)
の
茅廬
(
ぼうろ
)
に遊びに来た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
官位の昇進した
窮屈
(
きゅうくつ
)
さもあって、忍び歩きももう軽々しくできないのである。あちらにもこちらにも待って
訪
(
と
)
われぬ恋人の悩みを作らせていた。
源氏物語:09 葵
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
文吉
(
ぶんきち
)
は
操
(
みさお
)
を渋谷に
訪
(
と
)
うた。無限の喜と楽と望とは彼の胸に
漲
(
みなぎ
)
るのであった。途中一二人の友人を訪問したのはただこれが口実を作るためである。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
だが、これからもなお、水を
訪
(
と
)
い山を
訪
(
たず
)
ね、そして水も山も温かく私を抱擁してくれるであろうと思うだけが、せめて私の生へのきずなである。
利根川の鮎
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
なお通夜の晩の話を聞いてみると、某は、生前懇意にしていた尼僧の
許
(
もと
)
へも行っていた。時刻は、熊谷の実家を
訪
(
と
)
うたのより、少し前であった。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
「何者なればかくしばしば予を
訪
(
と
)
い苦しむるぞ。ああ人生のわずらわしさ。永久の眠りこそ望ましいわい」という
朧気
(
おぼろげ
)
な声がきこえてきました。
ハムレット
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
遠山の家を
訪
(
と
)
うおりには必ずこの禰宜のところへ来て泊まったが、来て見るたびに変わって行く
行者
(
ぎょうじゃ
)
宿の光景が目につく。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
勝沼へ行くと言ったのも、おそらくは親戚の家を
訪
(
と
)
わんがためではなくて、いかにして江戸へ逃げようかという準備のためであったかも知れません。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
大阪なる友人を
訪
(
と
)
うを名とし重井に面して両親の意向を告げしに、その喜び
一方
(
ひとかた
)
ならず、この上は直ちに御両親に
見
(
まみ
)
えんとて、
相挈
(
あいたずさ
)
えて岡山に来り
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
閑
(
ひま
)
ある身なれば、宮は月々
生家
(
さと
)
なる両親を見舞ひ、母も同じほど
訪
(
と
)
ひ音づるるをば、
此上無
(
こよな
)
き隠居の保養と為るなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
蜀漢
(
しょくかん
)
の
劉備
(
りゅうび
)
、
諸葛孔明
(
しょかつこうめい
)
の
草廬
(
そうろ
)
を三たび
訪
(
と
)
う。これを三
顧
(
こ
)
の
礼
(
れい
)
と言うてナ。
臣
(
しん
)
、もと
布衣
(
ほい
)
……作阿弥殿、御名作をお残しになるよう、祈っておりますぞ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
家は殿の来らせ給ふ道の
一二三
すこし引き入りたる方なり。
一二四
便りなくませば
時々
(
をりをり
)
訪
(
と
)
はせ給へ。
一二五
待ち侘び給はんものをと
前
(
さき
)
に立ちてあゆむ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
私は矢田部教授の処置に痛く失望悲憤し、自分に厚意をもつマキシモヴィッチ氏を遠く露都に
訪
(
と
)
わんと決心した。
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
いでやこの涙を捧げものにして詩人の墓を
訪
(
と
)
おう。……ああ、おそろしい風! このあたりは落葉で
径
(
みち
)
も見えぬ。
面影:ハーン先生の一周忌に
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
責
(
せ
)
めて
仕
(
つか
)
へんか
夫
(
それ
)
は
何
(
なん
)
としてもなる
事
(
こと
)
ならず
兎
(
と
)
ても
角
(
かく
)
ても
憂
(
う
)
き
世
(
よ
)
なれば
人
(
ひと
)
訪
(
と
)
はぬ
深山
(
みやま
)
の
奧
(
おく
)
にかき
籠
(
こも
)
りて
松風
(
まつかぜ
)
に
耳
(
みゝ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
この題を得たる
八公
(
はちこう
)
熊公
(
くまこう
)
の徒はなかなか以て「
朝比奈
(
あさひな
)
の
曾我
(
そが
)
を
訪
(
と
)
ふ日や初松魚」などいふ句の味を知る者に非ず
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
是故にわれ死者の門を
訪
(
と
)
ひ、彼をこゝに導ける者にむかひて、泣きつゝわが乞ふところを陳べぬ 一三九—一四一
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
わたしも先年、出雲大社に参拝の帰路、津山の在に神原君の家を
訪
(
と
)
うて、その品々をみせて貰うことが出来た。
馬妖記
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
同窓の友を
訪
(
と
)
うて旧師に会す 私はカルカッタのマハーボーデ・ソサイティに着き、ここに二、三日居りましたが、日本人も居りませず話をする人もなし
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
神中は仙台の彼の下宿へ彼を
訪
(
と
)
うた日の数日
前
(
ぜん
)
、就職口を頼んであった友人を岐阜市内の銀行に訪うたのであった。神中はその前月県庁をよさせられていた。
雀が森の怪異
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この
人
(
ひと
)
の
先生
(
せんせい
)
は、
加納諸平
(
かのうもろひら
)
と
同門
(
どうもん
)
の
田中大秀
(
たなかおほひで
)
といふ
飛騨
(
ひだ
)
の
國
(
くに
)
の
學者
(
がくしや
)
でした。その
師匠
(
ししよう
)
を
訪
(
と
)
うた
時
(
とき
)
の
旅行
(
りよこう
)
の
歌
(
うた
)
。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
東京その他の方面から、名古屋市へ来た文人や俳優や、学者や雑誌編集者などは、一度は大概氏の家を
訪
(
と
)
うた。そうして一度訪うた者は、その後必ず訪問した。
名古屋の小酒井不木氏
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
倫敦
(
ロンドン
)
塔や、セント・ポールス寺院を
訪
(
と
)
うたびにエーンズウォースの小説を思い出さずにはいられなかった。
科学的研究と探偵小説
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
その日、ガスコアン大尉は、司令官から各砲台の視察を命ぜられたので、余儀なく第二砲台を
訪
(
と
)
わねばならなかった。大尉と中尉とはしばらく睨み合っていた。
ゼラール中尉
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
春雨秋風人の
訪
(
と
)
うなく、
謖々
(
しょくしょく
)
たる松声は、日本男児の記念たる桜花の雪に和して吟じ、
喞々
(
しょくしょく
)
たる虫語は武蔵野の原より出でて原に入る明月の清光を帯んで
咽
(
むせ
)
ぶ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
茅屋
(
ぼうおく
)
も金殿玉楼と思いなして
訪
(
と
)
いおとずれた、その当時はまだ若盛りであった、明治文壇の諸先輩の名をつらねることも、忘れてならない一事だろうと、ほんの
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
山遠く谷深ければ、入りにし跡を
訪
(
と
)
ふ人とてあらざれば、松風ならで世に友もなき庵室に、夜に入りて
訪
(
おとづ
)
れし其人を誰れと思ひきや、小松の三位中將維盛卿にて
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
少なくとも職分として魂をニルヤに去来せしむという者がかつて有り、または毎年季節を
定
(
き
)
めて、彼より
訪
(
と
)
い
寄
(
よ
)
る霊のあったことも、文献の上には
痕跡
(
こんせき
)
を
留
(
とど
)
めている。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そして明日の午前中に道玄坂を
訪
(
と
)
い、午後に土産物などを買って夜行で立とうと云うつもりであったが、夜汽車は来る時に
懲
(
こ
)
り
懲
(
ご
)
りした、睡眠不足が
溜
(
たま
)
っているから
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
南洲其の免れざることを知り相共に鹿兒島に
奔
(
はし
)
る。一日南洲、月照の宅を
訪
(
と
)
ふ。此の夜月色
清輝
(
せいき
)
なり。
預
(
あらかじ
)
め
酒饌
(
しゆせん
)
を
具
(
そな
)
へ、舟を薩海に
泛
(
うか
)
ぶ、南洲及び平野次郎一僕と從ふ。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
同地の
天部
(
あまべ
)
の篤志家故竹中庄右衛門翁の家庭を
訪
(
と
)
うて、その所蔵の古文書を見せてもらい、そのついでに翁の依頼に応じて、同町内の夜学校舎で、町内の有志のために
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
翌日は逢って
達
(
た
)
って
諌
(
いさ
)
めてどうしても京都に
還
(
かえ
)
らせるようにすると言って、芳子はその恋人の
許
(
もと
)
を
訪
(
と
)
うた。その男は停車場前のつるやという
旅館
(
はたごや
)
に
宿
(
とま
)
っているのである。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
昔気質
(
むかしかたぎ
)
の耳に立ち優れてよく響き渡り、かかる人に親しく語らうを身の面目とすれば、
訪
(
と
)
われたるあとよりすぐに訪い返して、ひたすらになお
睦
(
むつ
)
まじからんことを願えり。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“訪”を含む語句
訪問
探訪
来訪
音訪
諏訪法性
諏訪
下諏訪
上諏訪
諏訪湖
歴訪
御訪
諏訪神社
諏訪明神裏
訪客
訪問着
諏訪山
諏訪町
諏訪明神
訪鉦
諏訪社
...