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何所
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どこ
ふりがな文庫
“
何所
(
どこ
)” の例文
愛
(
あい
)
ちやんは
再
(
ふたゝ
)
び
福鼠
(
ふくねずみ
)
に
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
たせまいと、
極
(
きは
)
めて
愼
(
つゝ
)
ましやかに、『
私
(
わたし
)
には
解
(
わか
)
りませんわ。
何所
(
どこ
)
から
皆
(
みん
)
な
糖蜜
(
たうみつ
)
を
汲
(
く
)
んで
來
(
き
)
たのでせう?』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
のみならず、道徳の
敗退
(
はいたい
)
も一所に
来
(
き
)
てゐる。日本国中
何所
(
どこ
)
を見渡したつて、
輝
(
かゞや
)
いてる
断面
(
だんめん
)
は一寸四方も無いぢやないか。悉く暗黒だ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
あんな大きな
腫物
(
はれもの
)
のあとなんてある
筈
(
はず
)
がないし、筋肉の内部の病気にしても、これ程大きな切口を残す様な
藪
(
やぶ
)
医者は
何所
(
どこ
)
にもないのだ。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
是
(
これ
)
は
面白
(
おもしろ
)
い、
近頃
(
ちかごろ
)
落語
(
らくご
)
が
大分
(
だいぶ
)
流行
(
はや
)
るから、
何所
(
どこ
)
かで
座料
(
ざれう
)
を
取
(
とつ
)
て
内職
(
ないしよく
)
にやつたら
面白
(
おもしろ
)
からう、事に
依
(
よつ
)
たら
片商売
(
かたしやうばい
)
になるかもしれない。
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何故
(
なぜ
)
かと
申
(
もう
)
すに、
巌
(
いわ
)
の
上
(
うえ
)
から
見渡
(
みわた
)
す一
帯
(
たい
)
の
景色
(
けしき
)
が、どう
見
(
み
)
ても
昔馴染
(
むかしなじみ
)
の
三浦
(
みうら
)
の
西海岸
(
にしかいがん
)
に
何所
(
どこ
)
やら
似通
(
にかよ
)
って
居
(
い
)
るのでございますから……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
しかし世界の
何所
(
どこ
)
にも、そんな現象がないのは、山頂の積雪は、それ自身の圧力で表面は融解し、時々の雨や雲霧で氷に固形し
高山の雪
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
さア隠すなら
何所
(
どこ
)
へ隠す、着物の
衣嚢
(
かくし
)
とか其他先ず自分の身の
中
(
うち
)
には違い無いが其
鋭利
(
するど
)
いものを身の中へ隠すのは極めて
険呑
(
けんのん
)
だ
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
で、この一千万人の婦人等は
何所
(
どこ
)
如何
(
いか
)
なる地におるものでも、毎日熱心に働いて国のため家のためにつくしつつあるのである。
婦人に対する実業思想の急務
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
すると最前
何所
(
どこ
)
かへ逃げた小い可愛い仔狸が、何所からかヒヨコヒヨコと出て来て、面白
可笑
(
おか
)
しい手付腰付をして、踊り出して来たのです。
馬鹿七
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
今ではさすがに解消して、住民は
何所
(
どこ
)
かへ散ってしまったけれども、おそらくやはり、何所かで秘密の集団生活を続けているにちがいない。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
みのるは今朝早く
何所
(
どこ
)
と云ふ當てもなく仕事を探しに出た良人の行先を思ひながら、ふところ手をした儘、二階の窓に立つて空を眺めてゐた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
見渡す大空が先ず雪に埋められたように
何所
(
どこ
)
から何所まで真白になった。そこから雪は
滾々
(
こんこん
)
としてとめ度なく降って来た。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
即ち
偏頗
(
へんぱ
)
なる心を全く取去り、その大目的として、必ずや円満なる人間を造るよう、即ち
何所
(
どこ
)
までもソシアスとして子弟を薫陶するようにありたい。
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それを、そんな事を云ッて置きながら、ずうずうしく、のべんくらりと、大飯を食らッて……ているとは
何所
(
どこ
)
まで
押
(
おし
)
が
重
(
おもた
)
いンだか
数
(
すう
)
が知れないと思ッて
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
………何? 行つたとは限らん?………阿呆らしい! 人の家の台所借つて、
鶏
(
かしわ
)
の肉
煮
(
た
)
いたりして、リヽーの
所
(
とこ
)
やなかつたら、
何所
(
どこ
)
へ持つて行きまんね。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「おい、人を
撲
(
なぐ
)
らせて、相手を引込ませるつて言ふ法は
何所
(
どこ
)
にあるだ。おい、こら、相手を出せ、出さねえだか」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
それとも
何所
(
どこ
)
かに生きているのでしょうか? 洞穴のなかを、荒潮は
大臼
(
おおうす
)
をひきずるような音をたて、あいかわらずはげしい渦巻をつくって流れています。
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
有繋
(
さすが
)
に
渠女
(
あれ
)
は約束の妻とも云ひかねて当座のがれの安請合をしたが其後間もなく御当人が第一に失恋を歌ふやうになつてからはプイと
何所
(
どこ
)
へか隠れて了つた。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
すると
一日
(
あるひ
)
一人
(
ひとり
)
の
老叟
(
らうそう
)
が
何所
(
どこ
)
からともなく
訪
(
たづ
)
ねて來て
祕藏
(
ひざう
)
の石を見せて
呉
(
く
)
れろといふ、イヤその石は
最早
(
もう
)
他人
(
たにん
)
に
奪
(
と
)
られて
了
(
しま
)
つて
久
(
ひさ
)
しい以前から無いと
謝絶
(
ことわ
)
つた。
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
王大臣に
告
(
い
)
うたは、我智馬の力に由って勝ち来ったに、馬死んでより他に侮られ外出さえ出来ぬ、
何所
(
どこ
)
かに智馬がないか捜して来いと。大臣
相馬人
(
うまみ
)
を伴れ、捜せど見当らず。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
彼はいっそ何も云わずに
此家
(
ここ
)
を出て行きたいと思った。二度と帰らぬ決心で
何所
(
どこ
)
か遠い遠いところへ行ってしまいたかった。そうするとこの恥辱が自分とともに去るわけだ。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
だからまあ
何所
(
どこ
)
へいっても人がおらないようなものです。それ故夜通し荷造りをしても、あるいは翌日人を雇うて送らしても人の疑いを惹き起すような事もなかったのです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
とうとう
何所
(
どこ
)
にも見出す事が出来なかった、最後に銀座の或る大きな洋品店で聞いて見ると一つ有った筈だと棚の方をさんざんさがして呉れたが、とうとう発見が出来なかった。
百姓弥之助の話:01 第一冊 植民地の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
政太夫は見てコレ
按摩殿
(
あんまどの
)
貴樣
(
きさま
)
は
淨瑠璃
(
じやうるり
)
が好か
何所
(
どこ
)
ぞで稽古でも仕たるかと尋ねけるに城富はハイ
然
(
さ
)
樣で御座りますが
未
(
いま
)
だ一
向
(
かう
)
稽古は致しません
親掛
(
おやがか
)
りの身の上ゆゑ
漸々
(
やう/\
)
針
(
はり
)
と按摩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
というような訳となって、若井氏は少しも私の日限に遅れたことを
咎
(
とが
)
め立てをせず、製作を見て、
何所
(
どこ
)
か気に入ったものと見え、私に対して厚意をもっていろいろいうてくれました。
幕末維新懐古談:58 矮鶏の製作に取り掛かったこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「日本の眼」が見つめたのは、
何所
(
どこ
)
までも「無事の美」である。かかる美鑑賞は海外にその例を見ぬ。近代の西洋藝術はとかく「有事」に執し異常に走る傾きが見えるのではないか。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
と
口癖
(
くちぐせ
)
に仰せらるゝは、
何所
(
どこ
)
やら我が心の顔に出でゝ、卑しむ色の見えけるにや。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そんな神は宇宙間の
何所
(
どこ
)
にも居ない。それはただ人間の
浅墓
(
あさはか
)
な心にのみ存在する。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
下りた男は
何所
(
どこ
)
の誰か判らない。女が好きなのか、男が嫌ひなのか、それも判らない。次ぎの電車で望み通りに若い美しい女と差し向ひに坐る事が出来たらうか、それもまた判らない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
粤西
(
えっせい
)
に
孫子楚
(
そんしそ
)
という名士があった。
枝指
(
むつゆび
)
のうえに
何所
(
どこ
)
かにぼんやりしたところがあったから、よく人にかつがれた。その孫は
他所
(
よそ
)
へ往って
歌妓
(
げいしゃ
)
でもいると、遠くから見ただけで逃げて帰った。
阿宝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
若し、その女を本当に私が見たものとすれば、私は十年後か、二十年後か、それは分らないけれども、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
その女にもう一度、
何所
(
どこ
)
かで会うような気がしている。確かに会えると信じている。
幼い頃の記憶
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そして直ぐ
何所
(
どこ
)
かへ出て行つてしまつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
何所
(
どこ
)
ぞでは五割
馘
(
き
)
つたと茶を冷まし同
大正東京錦絵
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
何所
(
どこ
)
に残つて居りますか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
と手を合せて伏拝み
何所
(
どこ
)
の人だか知りませんから心の
中
(
うち
)
で
頻
(
しき
)
りと礼を云い、
翌日
(
あした
)
に成りますると
先
(
ま
)
ず
此金
(
これ
)
でお米を買うんだと云う
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何所
(
どこ
)
へまいるにもいつも
命
(
みこと
)
の
御随伴
(
おとも
)
をした
橘姫
(
たちばなひめ
)
がそう
申
(
もう
)
されることでございますから、よもやこれに
間違
(
まちがい
)
はあるまいと
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
三四郎は見渡す限り見渡して、此外にもまだ
眼
(
め
)
に入らない建物が沢山ある事を勘定に入れて、
何所
(
どこ
)
となく雄大な感じを
起
(
おこ
)
した。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「坊や! 坊や!」と
眼
(
め
)
を覚したおツ母さんは、きよろ/\
其所
(
そこ
)
らを
見廻
(
みまは
)
しましたが坊やは
何所
(
どこ
)
にも居ませんでした。
熊と猪
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
から風の幾日も吹きぬいた
挙句
(
あげく
)
に雲が青空をかき乱しはじめた。
霙
(
みぞれ
)
と日の光とが追いつ追われつして、やがて
何所
(
どこ
)
からともなく雪が降るようになった。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
そして樹木の多い郊外の屋敷町を、幾度かぐるぐる廻ったあとで、ふと或る
賑
(
にぎ
)
やかな往来へ出た。それは全く、私の知らない
何所
(
どこ
)
かの美しい町であった。
猫町:散文詩風な小説
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
………何? 行つたとは限らん?………阿呆らしい! 人の家の台所借つて、
鶏
(
かしわ
)
の肉
煮
(
た
)
いたりして、リヽーの
所
(
とこ
)
やなかつたら、
何所
(
どこ
)
へ持つて行きまんね。
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
正面より問進む目「えー、藻西太郎の伯父
梅五郎
(
ばいごろう
)
老人の殺されたのは一昨夜の九時から十二時までの間ですが其間丁度藻西太郎は
何所
(
どこ
)
に居ました何をして」
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
第二の買手は洋服の若い紳士で、その場で人力車を呼んで、持帰ったということであった。両方とも通りかかりの客で、
何所
(
どこ
)
の何という人だか勿論分らない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「オヤ
何所
(
どこ
)
かお悪う御座いますか」と細川は
搾
(
しぼ
)
り
出
(
いだ
)
すような声で
漸
(
やっ
)
と言った。富岡老人一言も発しない、一間は
寂
(
せき
)
としている、細川は
呼吸
(
いき
)
も
塞
(
つま
)
るべく感じた。
暫
(
しばら
)
くすると
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
英吉利
(
イギリス
)
の
海岸
(
かいがん
)
へ
行
(
ゆ
)
けば
何所
(
どこ
)
にでも、
海
(
うみ
)
の
中
(
なか
)
に
泳
(
およ
)
いでる
澤山
(
たくさん
)
の
機械
(
きかい
)
が
見
(
み
)
られる、
子供等
(
こどもら
)
は
木
(
き
)
の
鍬
(
くわ
)
で
沙
(
すな
)
ッ
掘
(
ぽじ
)
りをしてゐる、そして一
列
(
れつ
)
に
並
(
なら
)
んでる
宿屋
(
やどや
)
、それから
其
(
その
)
後
(
うし
)
ろには
停車場
(
ステーシヨン
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その森のおもてから目に見えぬほどづゝ
何所
(
どこ
)
からともなく青い色が次第に剥げていつた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
こんな事をしていたら、
何所
(
どこ
)
にまた何時、東洋の存在理由が見出されようか。日本人はいつも模倣の暮しをせねばならぬのか。そんな必要は
毫
(
ごう
)
もあるまい。明治この方もう一世紀近い。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
召連
(
めしつれ
)
候と申に原田は是を聞其方が虎松なるか
此脇差
(
このわきざし
)
を去月十一日稻荷町の十兵衞
方
(
かた
)
に於て
此
(
この
)
治助に
賣
(
うり
)
たるかとの
尋
(
たづ
)
ねに虎松
然樣
(
さやう
)
なりと答ふれば原田
而
(
し
)
て
此品
(
このしな
)
は
何所
(
どこ
)
から
買出
(
かひだし
)
たか其買先を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
薄痘痕
(
うすあばた
)
のある、背の高い男で、風采は
何所
(
どこ
)
となく
田舎臭
(
ゐなかくさ
)
いところがあるが、其の柔和な
眼色
(
めつき
)
の
中
(
うち
)
には
何所
(
どこ
)
となく人を引付ける不思議の力が
籠
(
こも
)
つて居て、一見して、僕は少なからず気に入つた。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
獄舎制度も面白くないが、教育制度も
甚
(
はなは
)
だ面白くない。まるきり心霊の知識を欠ける人類は半盲人である。到底
碌
(
ろく
)
な考えの浮ぶ筈がない。私は
衷心
(
ちゅうしん
)
から、日本国民よ、
何所
(
どこ
)
に行くと叫びたい。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“何所”で始まる語句
何所為
何所迄
何所爲
何所其所