いづく)” の例文
所が、あにいづくんぞ図らんや、この堂々として赤裸々たる処が却つて敵をして矢を放たしむる的となつた所以ゆゑんであつたのだ。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
われは身のいづくの處にあるを知らずして、只だ熱の脈絡の内におこりたるを覺えき。わがいかにして救はれ、いかにしてこゝに來しをつまびらかにすることを得しは、時を經ての後なりき。
よしや頭が禿げてもこのあたたかい若々しい心情こころもちだけは何日までも持つて居たいものだと思つて居る。いづくんぞ今にして早く蒸溜水の様な心に成られやう。
雲は天才である (新字旧仮名) / 石川啄木(著)