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何
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なん
ふりがな文庫
“
何
(
なん
)” の例文
下にはその顔が鏡にうつしたように、くっきりと水にうつッていました。それはそれは
何
(
なん
)
とも言いようのない、うつくしい女でした。
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
然れども
畢
(
つひ
)
に交合は必然に産児を伴ふ以上、男子には冒険でも
何
(
なん
)
でもなけれど、女人には常に生死を
賭
(
と
)
する冒険たるを
免
(
まぬか
)
れざるべし。
娼婦美と冒険
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私
(
わたし
)
は
其時分
(
そのじぶん
)
は
何
(
なん
)
にも
知
(
し
)
らないで
居
(
ゐ
)
たけれども、
母様
(
おつかさん
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらしは、この
橋銭
(
はしせん
)
で
立
(
た
)
つて
行
(
い
)
つたので、
一人前
(
ひとりまへ
)
幾于宛
(
いくらかづゝ
)
取
(
と
)
つて
渡
(
わた
)
しました。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
今日
(
きょう
)
は、
風
(
かぜ
)
がおもしろくないと、つい、
自分
(
じぶん
)
のことのように
考
(
かんが
)
えるのです。
仕事
(
しごと
)
をするようになって、もう
何
(
なん
)
十
年
(
ねん
)
も
川
(
かわ
)
へいきません。
窓の内と外
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかしあなた
樣
(
さま
)
がわざわざおいで下さつたのですから、
何
(
なん
)
とかして還りたいと思います。
黄泉
(
よみ
)
の國の神樣に相談をして參りましよう。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
奧
(
おく
)
さんの
声
(
こゑ
)
にはもう
何
(
なん
)
となく
張
(
は
)
りがなかつた。そして、そのままひざに
視線
(
しせん
)
を
落
(
おと
)
すと、
思
(
おも
)
ひ出したやうにまた
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かし
始
(
はじ
)
めた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
「お
前
(
まえ
)
が
狐
(
きつね
)
であろうと
何
(
なん
)
であろうと、
子供
(
こども
)
のためにも、せめてこの子が十になるまででも、
元
(
もと
)
のようにいっしょにいてくれないか。」
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
這麼老朽
(
こんならうきう
)
な
體
(
からだ
)
は
死
(
し
)
んでも
可
(
い
)
い
時分
(
じぶん
)
だ、とさう
思
(
おも
)
ふと、
忽
(
たちま
)
ち
又
(
また
)
何
(
なん
)
やら
心
(
こゝろ
)
の
底
(
そこ
)
で
聲
(
こゑ
)
がする、
氣遣
(
きづか
)
ふな、
死
(
し
)
ぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
いと
云
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るやうな。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
すると
良人
(
おっと
)
は
私
(
わたくし
)
と
意見
(
いけん
)
が
違
(
ちが
)
いまして、それは
余
(
あま
)
り
面白
(
おもしろ
)
くない、
是非
(
ぜひ
)
『
若月
(
わかつき
)
』にせよと
言
(
い
)
い
張
(
は
)
って、
何
(
なん
)
と
申
(
もう
)
しても
肯
(
き
)
き
入
(
い
)
れないのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
三が日の
晴着
(
はれぎ
)
の
裾
(
すそ
)
踏み開きて
走
(
は
)
せ来たりし小間使いが、「御用?」と手をつかえて、「
何
(
なん
)
をうろうろしとっか、
早
(
はよ
)
玄関に行きなさい」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「いや、
気
(
き
)
に
病
(
や
)
むほどのことでもなかろうが、
何
(
なん
)
せ
若
(
わか
)
い
女
(
おんな
)
の
急病
(
きゅうびょう
)
での。ちっとばかり、
朝
(
あさ
)
から
世間
(
せけん
)
が
暗
(
くら
)
くなったような
気
(
き
)
がするのさ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
貴方
(
あんた
)
には
何
(
なん
)
でアノ業平橋で侍に切られる処を助かった大恩があるから、お礼をしていと思っても受けないから、
何
(
なん
)
ぞと思っていた処
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それで、百姓村でもずいぶんふるい
歴史
(
れきし
)
をもった村があり、
何
(
なん
)
十
代
(
だい
)
つづいたかわからないような百姓家が、方々に残っているわけです。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
数
(
かぞ
)
え
歳
(
どし
)
の二つにしかならない
男
(
おとこ
)
の
児
(
こ
)
であるが、あのきかない
気
(
き
)
の
光子
(
みつこ
)
さんに
比
(
くら
)
べたら、これはまた
何
(
なん
)
というおとなしいものだろう。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
B
又
(
また
)
俳句
(
はいく
)
だらう。
先年
(
せんねん
)
電車
(
でんしや
)
のストライキのあつた
時
(
とき
)
、あれは
何
(
なん
)
とか
云
(
い
)
つたつけな、
妙
(
めう
)
な
俳句
(
はいく
)
の
樣
(
やう
)
なものを
書
(
か
)
いてよこしたぢやないか。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
一体この社会の源は
何
(
なん
)
であるか。国の源は
何
(
なん
)
であるということについて考えてみますると、まず国民。国民の源は
何
(
なん
)
である。夫婦。
国民教育の複本位
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
家
(
うち
)
に
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
は
齋藤
(
さいとう
)
の
娘
(
むすめ
)
、
嫁入
(
よめい
)
つては
原田
(
はらだ
)
の
奧方
(
おくがた
)
ではないか、
勇
(
いさむ
)
さんの
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
る
樣
(
やう
)
にして
家
(
いへ
)
の
内
(
うち
)
を
納
(
おさ
)
めてさへ
行
(
ゆ
)
けば
何
(
なん
)
の
子細
(
しさい
)
は
無
(
な
)
い
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それは
丁度
(
ちやうど
)
日本
(
にほん
)
の
國號
(
こくがう
)
を
外人
(
ぐわいじん
)
が
何
(
なん
)
と
呼
(
よ
)
び
何
(
なん
)
と
書
(
か
)
かうとも、
吾人
(
ごじん
)
は
必
(
かなら
)
ず
常
(
つね
)
に
日本
(
にほん
)
と
呼
(
よ
)
び
日本
(
にほん
)
と
書
(
か
)
かねばならぬのと
同
(
おな
)
じ
理窟
(
りくつ
)
である。(完)
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
二号
(
にがう
)
活字
(
くわつじ
)
の
広告
(
くわうこく
)
で
披露
(
ひろう
)
さるゝ
外
(
ほか
)
は
何
(
なん
)
の
慾
(
よく
)
もなき
気楽
(
きらく
)
三
昧
(
まい
)
、あツたら
老先
(
おひさき
)
の
長
(
なが
)
い
青年
(
せいねん
)
男女
(
なんによ
)
を
堕落
(
だらく
)
せしむる事は
露
(
つゆ
)
思
(
おも
)
はずして
筆費
(
ふでづひ
)
え
紙費
(
かみづひ
)
え
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
若
(
も
)
し名前をきかれたら、自作の小説中にある女の名を言おうと思ったが、巡査は
何
(
なん
)
にも云わず、外套や背広のかくしを上から押え
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
『
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
でも
望遠鏡
(
ばうゑんきやう
)
のやうに
篏
(
は
)
め
込
(
こ
)
まれては
堪
(
たま
)
らない!
些
(
ちよツ
)
と
始
(
はじ
)
めさへ
解
(
わか
)
ればもう
占
(
し
)
めたものだ』
此頃
(
このごろ
)
では
身
(
み
)
にふりかゝる
種々
(
いろ/\
)
の
難事
(
なんじ
)
を
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
と、冷やかすように
仰
(
おっ
)
しゃった。己は藝術家の
何
(
なん
)
たるかを知らないのだから“Yes”とも“No”とも答える訳に行かなかった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
自分
(
じぶん
)
も
夫
(
それ
)
で
澤山
(
たくさん
)
だと
考
(
かんが
)
へて、
器械
(
きかい
)
か
何
(
なん
)
ぞと
膝
(
ひざ
)
を
突
(
つ
)
き
合
(
あは
)
せ
肩
(
かた
)
を
並
(
なら
)
べたかの
如
(
ごと
)
くに、
行
(
い
)
きたい
所
(
ところ
)
迄
(
まで
)
同席
(
どうせき
)
して
不意
(
ふい
)
と
下
(
お
)
りて
仕舞
(
しま
)
ふ
丈
(
だけ
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
なん
)
というよい
花
(
はな
)
だろう。
白
(
しろ
)
い
花
(
か
)
べんがふかぶかとかさなりあい、
花
(
か
)
べんの
影
(
かげ
)
がべつの
花
(
か
)
べんにうつって、ちょっとクリーム
色
(
いろ
)
に
見
(
み
)
える。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
そして悪口が見つかったので、やはり顔を
地面
(
じべた
)
に
埋
(
うず
)
めたまま、
笑
(
わら
)
いこけながら
大声
(
おおごえ
)
でそれをいってやった。けれど
何
(
なん
)
の返事もなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
『お
前
(
まへ
)
は
亞尼
(
アンニー
)
とか
云
(
い
)
つたねえ、
何
(
なん
)
の
用
(
よう
)
かね。』と
私
(
わたくし
)
は
靜
(
しづ
)
かに
問
(
と
)
ふた。
老女
(
らうぢよ
)
は
虫
(
むし
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で『
賓人
(
まれびと
)
よ。』と
暫時
(
しばし
)
私
(
わたくし
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
を
)
つたが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
家じゅうしめっぽかったり
何
(
なん
)
かするところのないさっぱりした気分で、例の茶の間に坐って小説よんでいたら、青い八つ手の葉かげが
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
理科大學人類學教室
(
りくわだいがくじんるゐがくけうしつ
)
には磨製石斧三百
個
(
こ
)
計り有れど、
兩端
(
りやうたん
)
に刄有るものは
唯
(
ただ
)
一
個
(
こ
)
のみ。コロボックルは磨製石斧を
何
(
なん
)
の
目的
(
もくてき
)
に用ゐしや。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
でも
大人
(
おとな
)
しくて、
何
(
なん
)
にも悪い事はあるんじゃありませんけれども、私の
祖父
(
じじい
)
は、「口を利くから、怖くって怖くって、仕方がなかった。」
「ああしんど」
(新字新仮名)
/
池田蕉園
(著)
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
に
私宅教授
(
したくけふじゆ
)
の口がありても
錢取道
(
ぜにとるみち
)
を
考
(
かんが
)
へず、
下宿屋
(
げしゆくや
)
の
婢
(
ひ
)
に、
何
(
なに
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
問
(
と
)
はれて
考
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
を
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ると
驚
(
おどろ
)
かしたるや。
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
何故
(
なにゆえ
)
にこれを排斥するかの
理由
(
わけ
)
もわからず、ただ
何
(
なん
)
かなしに「筋の違ったもの」として、これから遠ざかろうとしているのです。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
初
(
はじ
)
めは
俳畫
(
はいぐわ
)
のやうだと
思
(
おも
)
つて
見
(
み
)
て
居
(
ゐ
)
たが、これ
實
(
じつ
)
に
畫
(
ゑ
)
でも
何
(
なん
)
でもない。
細雨
(
さいう
)
に
暮
(
く
)
れなんとする
山間村落
(
さんかんそんらく
)
の
生活
(
せいくわつ
)
の
最
(
もつと
)
も
靜
(
しづ
)
かなる
部分
(
ぶゝん
)
である。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
百姓家
(
ひゃくしょうや
)
の
裏庭
(
にわ
)
で、
家鴨
(
あひる
)
の
巣
(
す
)
の
中
(
なか
)
に
生
(
うま
)
れようとも、それが
白鳥
(
はくちょう
)
の
卵
(
たまご
)
から
孵
(
かえ
)
る
以上
(
いじょう
)
、
鳥
(
とり
)
の
生
(
うま
)
れつきには
何
(
なん
)
のかかわりもないのでした。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
あれと
私達
(
わたしたち
)
とは
何
(
なん
)
の
關係
(
くわんけい
)
も
無
(
な
)
いやうなものの、あれも
着物
(
きもの
)
、
私達
(
わたしたち
)
お
互
(
たがひ
)
も
着物
(
きもの
)
、
何
(
なん
)
となく
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
して、
私
(
わたし
)
は
氣耻
(
きはづか
)
しいやうでなりませんのよ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「だからヨ、一てえその十七の首はどこの誰で、また、
何
(
なに
)
やつが
何
(
なん
)
のために、十七の首をころがそうてえのか、それから聞こう」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
彼
(
かれ
)
は
何
(
なん
)
にも
不足
(
ふそく
)
に
思
(
おも
)
つては
居
(
ゐ
)
なかつた。それを
勘次
(
かんじ
)
が
歸
(
かへ
)
つて
見
(
み
)
ると
性來
(
しやうらい
)
好
(
す
)
きでない
勘次
(
かんじ
)
へ
忽
(
たちま
)
ちに
二人
(
ふたり
)
の
子
(
こ
)
は
靡
(
なび
)
いて
畢
(
しま
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
何
(
なん
)
だって、お
前
(
まえ
)
は
塀
(
へい
)
を
乗越
(
のりこ
)
えて
来
(
き
)
て、
盗賊
(
ぬすびと
)
のように、
私
(
わたし
)
のラプンツェルを
取
(
と
)
って
行
(
ゆ
)
くのだ? そんなことをすれば、
善
(
よ
)
いことは
無
(
な
)
いぞ。」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「そりゃ覚えてなくって!」と男もニッコリしたが、「
何
(
なん
)
しろまあいいとこで
出逢
(
であ
)
ったよ、やっぱり八幡様のお引合せとでも言うんだろう。 ...
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
誰
(
だれ
)
が
戦争
(
せんそう
)
で
儲
(
まう
)
け、
誰
(
だれ
)
が
何
(
なん
)
の
恨
(
うら
)
みもない
俺達
(
おれたち
)
に
殺
(
ころ
)
し
合
(
あ
)
ひをさせるか、
誰
(
だれ
)
が
死
(
し
)
を
賭
(
と
)
して
俺達
(
おれたち
)
のために
闘
(
たたか
)
ひ、
何
(
なに
)
が
俺達
(
おれたち
)
を
解放
(
かいほう
)
するかを
一九三二・二・二六:―白テロに斃た××聯隊の革命的兵士に―
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
「先生には色々御厄介をかけたものですよ。かう言つては
何
(
なん
)
のやうですが、先生もお弟子のなかでは、一番僕を頼りになすつたやうです。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
病
(
や
)
んでゐる
胸
(
むね
)
には、どんな
些細
(
ささい
)
な
慄
(
ふる
)
えも
傳
(
つた
)
はり
響
(
ひゞ
)
く。そして
死
(
し
)
を
凝視
(
みつめ
)
れば
凝視
(
みつめ
)
る
程
(
ほど
)
、
何
(
なん
)
といふすべてが
私
(
わたし
)
に
慕
(
した
)
はしく
懷
(
なつか
)
しまれる
事
(
こと
)
であらう。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
物の音を耳には聴いたが、
何
(
なん
)
にも考えることは出来なくなったんだ。それでもその時
忽然
(
こつぜん
)
として、万事が会得せられたのだね。
チチアンの死
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
で、
其手紙
(
そのてがみ
)
は一
時
(
じ
)
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
に
押収
(
おうしう
)
することにして、一
旦
(
たん
)
机
(
つくゑ
)
の
抽斗
(
ひきだし
)
の
底
(
そこ
)
へ
入
(
い
)
れて
見
(
み
)
たが、こんな
反故屑
(
ほごくづ
)
を
差押
(
さしおさ
)
へて
其
(
それ
)
が
何
(
なん
)
になるか。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「決してそんなわけでは無いけれど、お酌をされると、どうしても
勤氣
(
つとめぎ
)
が出て、
何
(
なん
)
ていつたらいゝかなあ、つまりもひとつ味ないんだよ。」
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
さて
其外
(
そのほか
)
では、
何
(
なん
)
であらうか?
性根
(
しゃうね
)
の
亂
(
みだ
)
れぬ
亂心
(
らんしん
)
……
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
をも
杜
(
と
)
むる
苦
(
にが
)
い
物
(
もの
)
。……
命
(
いのち
)
を
砂糖漬
(
さとうづけ
)
にする
程
(
ほど
)
の
甘
(
あま
)
い
物
(
もの
)
。さらば。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ふつうの
人間
(
にんげん
)
の
持物
(
もちもの
)
らしいのは、トランクだけだった。トランクは二個あった。そのほかの
荷物
(
にもつ
)
ときたら、
何
(
なん
)
ともいえずふうがわりなのだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
立んとて此大雪に出で行きたれ
共
(
ども
)
何
(
なん
)
の
甲斐
(
かひ
)
やあらん
骨折損
(
ほねをりぞん
)
の
草臥
(
くたびれ
)
所得
(
まうけ
)
今に
空手
(
からて
)
で歸り
來
(
こ
)
んアラ
笑止
(
せうし
)
の事やと
獨
(
ひと
)
り
言
(
ごと
)
留守
(
るす
)
してこそは居たりけり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
おまへの妹は
黄昏色
(
たそがれいろ
)
の髮を垂れて、水のほとりに愁へてゐる、
亂倫
(
らんりん
)
の
交
(
まじはり
)
を敢てするおまへたち、
何
(
なん
)
ぞ願があるのかい、
媒
(
なかうど
)
をして上げようか。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
我
(
わが
)
越後のごとく
年毎
(
としごと
)
に
幾丈
(
いくぢやう
)
の雪を
視
(
み
)
ば
何
(
なん
)
の
楽
(
たのし
)
き事かあらん。雪の
為
(
ため
)
に
力
(
ちから
)
を
尽
(
つく
)
し
財
(
ざい
)
を
費
(
つひや
)
し千
辛
(
しん
)
万
苦
(
く
)
する事、
下
(
しも
)
に
説
(
と
)
く
所
(
ところ
)
を
視
(
み
)
ておもひはかるべし。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
墓を去つて、
笠松
(
かさまつ
)
の
間
(
あひだ
)
の
路
(
みち
)
を街道に出やうとしたのは、それから十分ほど経つてからのことであつた。
何
(
なん
)
だか去るに忍びないやうな気がした。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
“何”の解説
何(か)は、漢姓のひとつ。『百家姓』の21番目。
(出典:Wikipedia)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“何”を含む語句
何処
如何
何方
何故
何人
何時
何所
幾何
奈何
何樣
何程
何様
何日
何處
何事
如何様
何家
何分
何等
何者
...