どれ)” の例文
其庇廂の大和がき結ひに吹きさらされて疝癪も起すことある職人風情は、どれほどの悪い業を前の世に為し置きて、同じ時候に他とは違ひ悩めくるしませらるゝものぞや
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
あのやうに乞食呼はりして貰ふ恩は無し、龍華寺はどれほど立派な檀家ありと知らねど、我が姉さま三年の馴染に銀行の川樣、兜町の米樣もあり、議員の短小ちいさま根曳して奧さまにと仰せられしを
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ま、どれでも可いから好ささうなのを一ツ呉れ。」といふと
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
どれれも俊秀しゆんしうなら、俊秀しゆんしう一山ひとやまもんだとも言得いひえられる。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
三人昨日五人とどれどうだか分る者か何でもいゝは金さへ取ば仔細なしだ生首なまくび一ツ渡してやらうと云はわきから一人の非人が夫でもおやくびだと云から向うにも見知みしりあらほかの首では承知しまいと云ば一人の非人さればさ何だと云て相手あひては座頭のばうだから見分みわけが有物か首さへやれいゝ然樣さうして直に下屋敷へ葬むるで有らうからいゝ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あのやうに乞食こじきよばはりしてもらおんし、龍華寺りうげじどれほど立派りつぱ檀家だんかありとらねど、わがあねさま三ねん馴染なじみ銀行ぎんこう川樣かわさま兜町かぶとちやう米樣よねさまもあり、議員ぎいん短小ちいさま根曳ねびきしておくさまにとおほせられしを
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)