“なッ”のいろいろな漢字の書き方と例文

語句	割合
成程	50.0%
何	50.0%

成程

「成程（なッ）、可（いい）わえ、それじゃ水心ありの方だの、こう、姉え、そしてお前どこへ行く。」

わか紫 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

「成程（なッ）、御夥間（おなかま）ですかい。はははは、可（よ）うございましょうとも。まあ、お掛けなさいまし。何ね、愚図々々（ぐずぐず）いや今の口上で追払（おっぱら）いまさ。貴女がお嬢様でも、どうです、あれじゃ厭（いや）とはいえますまい。」

式部小路 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

「成程々々（なな）、成程（なッ）。いや、こりゃ私（てまえ）、ちと了簡が若うがした。」

式部小路 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)

何

「———その妹が、今頃内地でボヤボヤしてることあれへん、ボロい仕事が何（なッ）ぼでもあるよって天津へ来なはれ、云うてくれてまんねん」

細雪：03 下巻 (新字新仮名) ／ 谷崎潤一郎(著)

汝（てめえ）のためならばな、兜（かぶと）も錣（しころ）も何（なッ）ちも用（い）らない、そらよ持って行きねえで、ぽんと身体（からだ）を投出してくれてやる場合もあります代りにゃ、女（あま）の達引（たてひ）く時なんざ、べらんめえ、これんばかしの端（はした）をどうする

黒百合 (新字新仮名) ／ 泉鏡花(著)