どん)” の例文
「それはもうお請合いたします。今度こそはどんな事をしても曲者を嗅ぎ出して、萬に一つも、父上樣に間違のあるやうな事はさせません」
其留守はどんなに静で好だろう是からネ其様そんな時にはのがさず手紙を遣るから来てお泊りよ、二階が広々として、エお出なネお出よお出なね、お出よう
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
古いうちだからどんなに密と歩いても足音が聞えます、早四郎は床の内で来たなと思っていますと、密と障子を開け、スウー。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
八五郎は聞て然共々々さうとも/\奴等きやつら邪魔じやまをして見ろ後で何樣どのやう意恨いこんかへされるも知れずこんの惡ひ日にはまたどんな惡ひ奴が來るか計られねば早く見世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『生きてるなら、どんなに遠くつても、お金をもつて、訪ねてくけれど、お墓になつててはねえ!』
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
直ぐ来て呉れねばどんなことになるも知れぬと云ふのだからよんどころない——実に梅、悪い奴共の寄合よりあひだ、警視庁へ掛合つて社会党の奴等やつら片端から牢へでもブチ込まんぢや安心がならない
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お村はどんなに責められても、お松を殺したとは言はないばかりでなく、考へれば考へるほど、事件があやしくなつて來たのです。
知らねえのだから仕方がねえや、どんなのがうごぜえやすえ、長いのが宜うがすかえ、丸いのが宜うがすかえ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ほかきくとは何所で聞くのだ(谷)夫を知らない様で此事件の探偵が出来る者か夫はう君の常に謂う臨機応変だから己の様に何所を推せばどんな音が出ると云う事を
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
私には何にも判りません、——主人やどが亡くなる二三日前から、どうも危ない、此儘で居るとどんな事になるか解らないから、これを
う云う訳だが、かねてお前も知っての通り、昨年悴がアいう訳になってわしつとめは辛いし、大きに気力も衰えたから、照にどんな者でも養子をして、隠居して楽がしたい訳でもないが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あんな綺麗な一人娘に死なれて、親方の氣持はどんなだらう、考へただけでも、私も胸が痛くなる——どんな事をされても決してうらみとは思はない——が」
滅多に人を縛らないといふ錢形の親分がお出で下すつたんで、どんなに心強いかわかりません。
俺のやつた事を、男の恥だつて言ふ者もあるだらうが、俺の身になると、外に工夫も手段てだてもねえ、俺はどんな目に逢つても、どんな事をされても、お松の側に居たかつたんだ——
あつしが恥を掻く位は何でもないが、笹野樣もことの外の御心配の樣子だし、石原の親分も、緑町の藤六の家で、どんな事をしても、親分を伴れて來るやうにつて、首を長くして待つてゐなさる——