トップ
>
何
>
いず
ふりがな文庫
“
何
(
いず
)” の例文
従って、
屡々
(
しばしば
)
自分の
頂戴
(
ちょうだい
)
する
新理智派
(
しんりちは
)
と云い、新技巧派と云う名称の如きは、
何
(
いず
)
れも自分にとっては
寧
(
むし
)
ろ迷惑な
貼札
(
はりふだ
)
たるに過ぎない。
羅生門の後に
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
センティメンタリズム、リアリズム、ロマンティシズム——この三つのイズムは、その
何
(
いず
)
れかを
抱
(
いだ
)
く人の資質によって決定せられる。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
しかしその菫菫菜が我がスミレの
何
(
いず
)
れに
中
(
あた
)
るかは今
遽
(
にわ
)
かに分り兼るが
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
スミレのある一種の名でそれは支那でそういうのである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
私
(
わたくし
)
はだんだんそんな
風
(
ふう
)
に
感
(
かん
)
ずるようになったのでございます。
何
(
いず
)
れ、あなた
方
(
がた
)
にも、その
味
(
あじ
)
がやがてお
判
(
わか
)
りになる
時
(
とき
)
が
参
(
まい
)
ります……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
送って出た女房や子供が連れ立ってこの
聚落
(
しゅうらく
)
の出外れまで
従
(
つ
)
いて来ていた。
何
(
いず
)
れにせよ彼らにとってはこれも門出にちがいなかった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
▼ もっと見る
しかし
何
(
いず
)
れにせよ、慾と敬愛と、折合わない二つのものを、一つ対象に抱くなどという例は
他
(
ほか
)
になかった。義経だけが例外であった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
至極
(
しごく
)
静かに知らせるといっていたが、それは
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
何
(
いず
)
れの僧侶に訊ねても、この寺へ知らせに来るというのは、真実のものらしい。
テレパシー
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
他馬匹も同く、予は群馬の
中
(
うち
)
に囲まれて、
何
(
いず
)
れも予に接せん事を欲するが如く最も親しく慣るるは、此れ一種言うべからざるの感あり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
真理は断じて
或
(
あ
)
る教義教条の独占物ではない。むろん
何
(
いず
)
れの教義にも真理の種子はある。が、
何
(
いず
)
れの教義にも
誤謬
(
ごびゅう
)
の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
がある。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
と其の場を
外
(
はず
)
して次の間へ
退
(
さが
)
り、胸に
企
(
たく
)
みある蟠龍軒は、近習の者に
連
(
しき
)
りと酒を
侑
(
すゝ
)
めますので、
何
(
いず
)
れも
酩酊
(
めいてい
)
して居眠りをして居ります。
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしその
何
(
いず
)
れにせよ、認識することなしに芸術は有り得ない。なぜなら芸術は表現であり、そして表現は観照なしに有り得ないから。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
梅子の態度は、父の怒りから代助を
庇
(
かば
)
う様にも見えた。又彼を
疎外
(
そがい
)
する様にも取れた。代助は両方の
何
(
いず
)
れだろうかと
煩
(
わずら
)
って待っていた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何
(
いず
)
れ大
西郷
(
さいごう
)
などがリキンでとう/\助かるようになったのでしょう。
是
(
こ
)
れは私の
為
(
た
)
めには
大童信太夫
(
おおわらしんだゆう
)
よりか
余程
(
よほど
)
骨の折れた仕事でした。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
さてこの二つの意義の
何
(
いず
)
れにおいても、これまで一般に日本の上代史といわれているものは、まちがっている、といい得られる。
建国の事情と万世一系の思想
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
先ず
可
(
よ
)
しと
何
(
いず
)
れも安心したが、何ぞ測らん右の蛙がそもそも不思議の発端で、それからこの邸内に種々の
怪異
(
あやしみ
)
を見る事となった。
池袋の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、
何
(
いず
)
れにしても今の場合土岐の力を借りるより外、この気の弱い青年には縋るものが無かったので、前後も無く早口にこう話し出した。
白蛇の死
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そんないらぬ心配よりも早く金を呉れというのである。彼が教会と言ったのは、コロールに在る
独逸
(
ドイツ
)
教会か
西班牙
(
スペイン
)
教会かの
何
(
いず
)
れかである。
南島譚:03 雞
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
「さん
候
(
ぞうろう
)
、
何
(
いず
)
れもの旦那衆にさように
勧進
(
かんじん
)
を申し上げて御用をつとめまいらせ候、今法界坊とは、やつがれのことに御座あり候」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
若い坊主一名、ドイツの学生一名、スペインの詩人一名、其他九名の愛書家を殺したのであるが、
何
(
いず
)
れも一度売った書物を取戻す為だった。
愛書癖
(新字新仮名)
/
辰野隆
(著)
何
(
いず
)
れにもせよ、彼は賊の罠に陥り自由を奪われてしまったものに相違ない。ひょっとしたら、それ以上の危害をさえ
蒙
(
こうむ
)
っているかも知れぬ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
博識才能あるもの何ぞ一派の特有物ならんや、余にして自己の信仰を定むる
能
(
あた
)
わざれば余は果して
何
(
いず
)
れの派に己を投ずべきか、カルヂナル
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
「
何
(
いず
)
れ又ゆっくりお願いに上ります。関校長も連れて参りましょう。先生、教え子の中から初めて学士が出たと言って大喜びをしています」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
何
(
いず
)
れにせよXの町のこの豪家には、必ず老人の番人がいるに相違ない。而して誰が訪ねて行くとも決してその大きな青い門から中へ入れない。
薔薇と巫女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
何
(
いず
)
れは何処かへ身を
堅
(
かた
)
めなくちゃならないんだけど……そういうことについて、別に相談する所も、親身になって下さる所もないのでしょう。
女の一生
(新字新仮名)
/
森本薫
(著)
何
(
いず
)
れにしても我々は御身の同僚でまた友人であるから、御身がこの家の掟に反して夜分外出なさる理由を承るのが正当じゃ
忠五郎のはなし
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
俺
(
おれ
)
はこんな男に対して、どんな手段を取るだろう、俺が
蜀
(
しょく
)
の都へ
往
(
ゆ
)
くのは、
拗
(
す
)
ねて往くのではない、苦しいから逃げて往くのだ、
何
(
いず
)
れにしても
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
五十万
円
(
ママ
)
を以て三隻の
水雷船
(
すいらいせん
)
を造り、以て敵を
鏖
(
みなごろし
)
にすべしなど真に一
場
(
じょう
)
の
戯言
(
ぎげん
)
に
似
(
に
)
たれども、
何
(
いず
)
れの時代にもかくのごとき
奇談
(
きだん
)
は珍らしからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
嘗
(
かつ
)
て
阿媽港
(
あまこう
)
、
呂宋
(
ルソン
)
を征せんと欲し、「図南の
鵬翼
(
ほうよく
)
何
(
いず
)
れの時にか奮わん、久しく待つ扶揺万里の風」と歌いたる独眼政宗も
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
性根まで溶らかされ魔に魅入られたが如く心乱れ、
遂
(
つい
)
には
何
(
いず
)
れも命まで失う有様、
然
(
しか
)
もこの若衆というは色里にさ迷うこと既に数年に及べども
艶容万年若衆
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
同時にかくの如き人が
何
(
いず
)
れの国を問わず国民の
中
(
うち
)
にあったならば、それこそいわゆる国の師ともいうべきものであって
真の愛国心
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
何
(
いず
)
れ議会の開期中だから、左様遠くもあるめエ、然しネ、オイ、
斯様
(
こんな
)
一目瞭然の事実を山の鬼共はどう
糊塗
(
ごまか
)
す積かナア、一寸思案が付かねエがナア
監獄部屋
(新字新仮名)
/
羽志主水
(著)
何
(
いず
)
れもその時の私の心境を率直、如実に告白致したいために、日記の記録する通りに文章を
取纏
(
とりまと
)
めたものですから……。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
思えば、明治文学の早い開拓者の多くは、
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
からの文学を取り入れる上に就いて、
何
(
いず
)
れも要領の好い人達であった。そこに自国の特色がある。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
翁の
臨終
(
りんじゅう
)
には、
形
(
かたち
)
に於て乃木翁に近く、精神に於てトルストイ翁に近く、而して
何
(
いず
)
れにもない苦しみがあった。然し今は
詳
(
つまびらか
)
に説く可き場合でない。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それは
何
(
いず
)
れしても教育はあるし家柄はよし、人によっては
却
(
かえ
)
ってこの方を好むものだ、などと
贔屓
(
ひいき
)
の考えもしてみた。
縁談
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
何
(
いず
)
れにしても若い将校たちの蹶起が民衆の感情と何処か微妙なところで喰いちがっていることを伍一は昂奮に声を顫わせてまくしたてたが、しかし
菎蒻
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
すると
山内
(
さんない
)
の方から、
二人曳
(
ににんびき
)
で威勢よく
駈
(
か
)
けて来た車が、
何
(
いず
)
れ注意をしたものだろうが、私はそれが耳にも入らず
中央
(
まんなか
)
に、ぽつりと立っていたので
死神
(新字新仮名)
/
岡崎雪声
(著)
目的は
何
(
いず
)
れも土地の力を強くする
呪法
(
じゅほう
)
であって、それには一年の特にめでたい日を選べばよく、ぜひともこの日に限るということはなかったのだが
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
何
(
いず
)
れも似たり寄ったりの、区民相手の中以下の日用品店のみだといっても大したおしかりを受けることもないだろう。
早稲田神楽坂
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
しかし、
何
(
いず
)
れにしても、そのような実験からガリレイが自由落下の法則を見つけ出したのには違いないのでしょう。
ガリレオ・ガリレイ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
「わが
郷関
(
きょうかん
)
何
(
いず
)
れの処ぞ
是
(
これ
)
なる、煙波江上、人をして愁えしむ」と魚容は、うっとり呟いた時、竹青は振りかえって
竹青
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
思想の発達せぬ
生
(
なま
)
若い者の感情、
追付
(
おっつけ
)
変って来るには相違ないと殿様の仰せ、行末は似つかわしい御縁を求めて
何
(
いず
)
れかの貴族の
若公
(
わかぎみ
)
を
納
(
いれ
)
らるゝ御積り
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
張儀は、友人蘇秦の合従策が成功している間は、ノンビリと構えて、秦王に仕えて、
何
(
いず
)
れにも仕事をしなかった。
今昔茶話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
日本中の大名等に対して、
何
(
いず
)
れをも軽蔑して、彼等と話すには、自分の部下に対する様であつた。気宇が大きく、又忍耐に富み、戦が不利でも驚かない。
イノチガケ:――ヨワン・シローテの殉教――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
何
(
いず
)
れも同じような物であったが、その代り、どこかにローカル・カラーといって好いような、食物の上にも
著
(
いちじる
)
しく異なった個性が現れていたようである。
四谷、赤坂
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
しかし当人は
何
(
いず
)
れにしてもつまりは
空々若々
(
くうくうじゃくじゃく
)
である。自分はどういう訳で好かれるのか、またどういう訳で
下賤
(
さげす
)
まれるのか、そんな事は更に考えはせぬ。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし、これとても浮世の無情、
有為天変
(
ういてんぺん
)
は
免
(
まぬが
)
れません。
何
(
いず
)
れはうたかたのはかないものと思って居ります。
ある日の蓮月尼
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
何
(
いず
)
れにせよ、自分の性質には思い切って人に逆らうことの出来る、ピンとしたところはないので、心では思っても
行
(
おこない
)
に出すことの出来ない場合が
幾多
(
いくら
)
もある。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
翌朝になると
早速
(
さっそく
)
裏木戸や
所々
(
ところどころ
)
と人の入った様な
形跡
(
あと
)
を尋ねてみたが、
何
(
いず
)
れも皆固く
閉
(
とざ
)
されていたのでその
迹方
(
あとかた
)
もない、彼自ら実は少し薄気味悪くなり出したが
暗夜の白髪
(新字新仮名)
/
沼田一雅
(著)
私の
覗
(
のぞ
)
いた店は、町でもかなり大きな本屋であったが、
何
(
いず
)
れの棚にも私の欲しいものは見当らなかった。
指導物語:或る国鉄機関士の述懐
(新字新仮名)
/
上田広
(著)
“何”の解説
何(か)は、漢姓のひとつ。『百家姓』の21番目。
(出典:Wikipedia)
何
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
“何”を含む語句
何処
如何
何方
何故
何人
何時
何所
幾何
奈何
何樣
何程
何様
何日
何處
何事
如何様
何家
何分
何等
何者
...