おつと)” の例文
「僕は今日けふの事がある以上は、世間的のおつと立場たちばからして、もう君と交際する訳には行かない。今日けふ限り絶交するから左様さう思つて呉れ玉へ」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「わたしの子は死ななかつた」「わたしのおつとは死ななかつたのだ」と言つて手足に取りすがつて泣き悲しみました。
おやあるひはおつと山に入りそりを引てかへるに、遠く輴哥そりうたをきゝて親夫おやをつとのかへるをしり、そりあふ処までむかへにいで、親夫をば輴につみたるたきゞまたがらせて、つまむすめがこれをひきつゝ
今倒れたるそのめぐりおつとの姉妹、兄弟の
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
てゐる病人を君にるのはいやだ。病気がなほる迄君にれないとすれば、夫迄は僕がおつとだから、おつととして看護する責任がある
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おやあるひはおつと山に入りそりを引てかへるに、遠く輴哥そりうたをきゝて親夫おやをつとのかへるをしり、そりあふ処までむかへにいで、親夫をば輴につみたるたきゞまたがらせて、つまむすめがこれをひきつゝ
それをおつとの君は心く思つて、出雲から大和の國にお上りになろうとして、お支度遊ばされました時に、片手は馬の鞍に懸け、片足はそのあぶみに蹈み入れて、おうたい遊ばされた歌は
看護をしてから二日目ふつかめばんに、三千代みちよなみだを流して、是非あやまらなければならない事があるから、代助の所へ行つて其訳を聞いて呉れろとおつとに告げた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あなた以外におつとはございません。
おつとは細君の手柄だと聞いても嬉しさうである。三人のうちで一番鄭重な礼を述べたのはおつとである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
然しおつと仕送しおくりが途切れて、仕方なしにおやの里へ帰るのだから心配だ。おつとくれに居てながらく海軍の職工をしてゐたが戦争中は旅順の方に行つてゐた。戦争が済んでから一旦帰つて来た。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
其代り、おつととして尊敬の出来ない人の所へは始からく気はないんだから、相手になるものは其気で居なくつちや不可いけない。さう云ふ点で君だの僕だのは、あの女のおつとになる資格はないんだよ
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)