ツマ)” の例文
「一夜夫」と解するのは考・古義の説で、「妻はかり字、ツマ也。初て一夜逢し也」(考)とあるが、これは遠く和歌童蒙抄わかどうもうしょうの説までさかのぼり得る。あとは多く「一夜妻」説である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
二人でその同性が、一人の異性を獲ようとして争ふと言つたことの外に、ツマツマとが争闘することも、「つまあらそひ」と言ふ語に這入る。だがさう言ふ繁雑ヤヽコしい用語は避けた方がよい。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
でないと、この考へが、マタ散らかつて行つてしまふ。おれの昔が、あり/\とワカつて来た。だが待てよ。……其にしても一体、こゝに居るおれは、だれなのだ。だれの子なのだ。だれのツマなのだ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だれのツマなのだ。其をおれは、忘れてしまつてゐるのだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
だれのツマなのだ。其をおれは、忘れてしまつてゐるのだ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)