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自己
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じこ
ふりがな文庫
“
自己
(
じこ
)” の例文
間斷
(
かんだん
)
なく
消耗
(
せうまう
)
して
行
(
ゆ
)
く
肉體
(
にくたい
)
の
缺損
(
けつそん
)
を
補給
(
ほきふ
)
するために
攝取
(
せつしゆ
)
する
食料
(
しよくれう
)
は一
椀
(
わん
)
と
雖
(
いへど
)
も
悉
(
こと/″\
)
く
自己
(
じこ
)
の
慘憺
(
さんたん
)
たる
勞力
(
らうりよく
)
の一
部
(
ぶ
)
を
割
(
さ
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
自己
(
じこ
)
の
現在
(
げんざい
)
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
經濟界
(
けいざいかい
)
は
夙
(
つと
)
に
變化
(
へんくわ
)
して
居
(
ゐ
)
るに
拘
(
かゝは
)
らず
此
(
こ
)
れに
對
(
たい
)
して
充分
(
じうぶん
)
の
理解
(
りかい
)
のないのが
寧
(
むし
)
ろより
重大
(
ぢうだい
)
なる
原因
(
げんいん
)
である。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
友を救うためには、
自己
(
じこ
)
の
危難
(
きなん
)
をかえりみるべきでない、
義侠
(
ぎきょう
)
の血をうけた富士男の
意気
(
いき
)
は、りんぜんとして五体にみちた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そして、ごまかしの
誘惑
(
ゆうわく
)
や、一
時
(
じ
)
の
宣伝
(
せんでん
)
にとりことなるのを
警戒
(
けいかい
)
し、
自己
(
じこ
)
の
信
(
しん
)
ずる
人
(
ひと
)
に
投票
(
とうひょう
)
しようとしたのであります。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼
(
かれ
)
はじつとしてゐられなかつた。
失
(
うしな
)
はれようとする
人気
(
にんき
)
を
取返
(
とりか
)
へさうとして、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さ
)
らに
世界的
(
せかいてき
)
に
自己
(
じこ
)
を
宣伝
(
せんでん
)
して、
圧倒的
(
あつたうてき
)
に
名声
(
めいせい
)
を
盛返
(
もりか
)
へさうと
考
(
かんが
)
へた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
そうしてこういうことが、
自己
(
じこ
)
の
天職
(
てんしょく
)
からみてもかえってとうといのじゃないかなど考えながら、ますます
乗
(
の
)
り
気
(
き
)
になって農民に
親
(
した
)
しむことをつとめた。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
これは、
獨
(
ひと
)
り
讀書
(
どくしよ
)
の
上
(
うへ
)
ばかりではない。
何
(
な
)
んでも、
自己
(
じこ
)
に
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑて
掛
(
かゝ
)
らなければ、
男
(
をとこ
)
でも
女
(
をんな
)
でも、一
生
(
しやう
)
、
精神上
(
せいしんじやう
)
の
奴隷
(
どれい
)
となつて
死
(
し
)
んで
行
(
ゆ
)
く
他
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのだ。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼等
(
かれら
)
は
自己
(
じこ
)
の
心
(
こゝろ
)
のある
部分
(
ぶぶん
)
に、
人
(
ひと
)
に
見
(
み
)
えない
結核性
(
けつかくせい
)
の
恐
(
おそ
)
ろしいものが
潛
(
ひそ
)
んでゐるのを、
仄
(
ほの
)
かに
自覺
(
じかく
)
しながら、わざと
知
(
し
)
らぬ
顏
(
がほ
)
に
互
(
たがひ
)
と
向
(
む
)
き
合
(
あ
)
つて
年
(
とし
)
を
過
(
すご
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
歐米諸國
(
をうべいしよこく
)
は
寸尺
(
すんしやく
)
の
土地
(
とち
)
と
雖
(
いへど
)
も
自己
(
じこ
)
の
領分
(
りようぶん
)
となさんと
競
(
きそひ
)
爭
(
あらそ
)
ひ、
若
(
も
)
し
茲
(
こゝ
)
に、
一個
(
いつこ
)
の
無人島
(
むじんとう
)
でもあつて
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
俺だつて一個の人間であつて見れば、何時まで
自己
(
じこ
)
を
没却
(
ぼつきやく
)
して、此様に苦しむでゐる、ことあ有りやしない。一つ
羽
(
はね
)
を伸して、此のあやふやな
境遇
(
きやうぐう
)
を脱けて見やうじやないか。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
久
(
ひさ
)
しぶりで
孤獨
(
こどく
)
の
生活
(
せいくわつ
)
を
行
(
や
)
つて
居
(
ゐ
)
る、これも
病氣
(
びやうき
)
のお
蔭
(
かげ
)
かも
知
(
し
)
れない。
色々
(
いろ/\
)
なことを
考
(
かんが
)
へて
久
(
ひさ
)
しぶりで
自己
(
じこ
)
の
存在
(
そんざい
)
を
自覺
(
じかく
)
したやうな
氣
(
き
)
がする。これは
全
(
まつた
)
く
孤獨
(
こどく
)
のお
蔭
(
かげ
)
だらうと
思
(
おも
)
ふ。
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
世には
蓬的
(
よもぎてき
)
自己
(
じこ
)
を有して居る人も少くは無い、若し蓬的自己を有して居る人ならば、自己を沒卻して仕舞つて、自己より卓絶した人、即ち自己が
然樣
(
さう
)
有り度いと望むやうな人に隨從して
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
重役へ願ひしが
自己
(
じこ
)
の
言状
(
いひじやう
)
を立んとて取上られず
據
(
よんどこ
)
ろなく今朝直願に及びしが是又御親子の御
愛情
(
あいじやう
)
に
惹
(
ひか
)
され給ひ
筋違
(
すぢちが
)
ひの事重役を
蔑如
(
べつじよ
)
し大法に背くとの趣きにて重き上意を
蒙
(
かうむ
)
り予は
閉門
(
へいもん
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
今此処から三里
隔
(
へだ
)
てゝ居る家の妻の顔が歴々と彼の眼に見えた。彼は電光の如く
自己
(
じこ
)
の生涯を省みた。其れは
美
(
うつく
)
しくない半生であった。妻に対する
負債
(
ふさい
)
の数々も、緋の
文字
(
もじ
)
をもて書いた様に顕れた。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
高
(
たか
)
うするものは
卑
(
いやし
)
くせられ
自己
(
じこ
)
を
卑
(
いやし
)
くするものは
高
(
たか
)
くせられん。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自己
(
じこ
)
の
詮議
(
せんぎ
)
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
假令
(
たとひ
)
他人
(
たにん
)
の
爲
(
ため
)
には
悲
(
かな
)
しい
日
(
ひ
)
でも
其
(
そ
)
の一
日
(
じつ
)
だけは
自己
(
じこ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
から
離
(
はな
)
れて
若干
(
じやくかん
)
の
人々
(
ひとびと
)
と一
緒
(
しよ
)
に
集合
(
しふがふ
)
することが
彼等
(
かれら
)
には
寧
(
むし
)
ろ
愉快
(
ゆくわい
)
な一
日
(
にち
)
でなければならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
代助が
黙然
(
もくねん
)
として、
自己
(
じこ
)
は何の
為
(
ため
)
に
此世
(
このよ
)
の
中
(
なか
)
に
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たかを考へるのは
斯
(
か
)
う云ふ時であつた。彼は今迄何遍も此大問題を
捕
(
とら
)
へて、
彼
(
かれ
)
の
眼前
(
がんぜん
)
に据ゑ付けて見た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
前
(
まへ
)
に
述
(
の
)
べた
如
(
ごと
)
く
政府
(
せいふ
)
は
自己
(
じこ
)
に
買取
(
かひと
)
つた
在外正貨
(
ざいぐわいせいくわ
)
とクレデイツトに
依
(
よ
)
つて
借
(
か
)
り
得
(
う
)
る
金
(
かね
)
と
併
(
あは
)
せて
相當
(
さうたう
)
巨額
(
きよがく
)
の
金
(
かね
)
を
持
(
も
)
つて
居
(
ゐ
)
るのであるから、
此
(
この
)
在外
(
ざいぐわい
)
の
資金
(
しきん
)
を
爲替資金
(
かはせしきん
)
として
利用
(
りよう
)
すれば
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
「そうです。人間は
自己
(
じこ
)
を忘れたところに
真生命
(
しんせいめい
)
があるのだ。君にしてはその病を忘れたところに君の生命があるのだ。いわんや君は文学という君の天地を持ってるではないか。」
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
いまの時代は
自己
(
じこ
)
一
点張
(
てんば
)
りでは生きてゆけない、少年はたがいにひじをとり、かたをならべて、共同戦線に立たねばならぬのだ、ひとりの
滅亡
(
めつぼう
)
は万人の滅亡だ、ひとりの
損害
(
そんがい
)
は万人の損害だ
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
俺が死んだら
何
(
ど
)
うする? 其の
癖
(
くせ
)
お前は、俺の體が
虚弱
(
きよじやく
)
だとか、俺の性質が
陰氣
(
いんき
)
だとか
謂
(
い
)
ツて、絶えず俺のことを
罵倒
(
ばたう
)
してゐる、罵倒しながら、
俺
(
おれ
)
に依ツて
自己
(
じこ
)
の
存立
(
そんりつ
)
を安全にしてゐるのだから
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
丁度
(
ちやうど
)
それは
子孫
(
しそん
)
の
繁殖
(
はんしよく
)
と
自己
(
じこ
)
の
防禦
(
ばうぎよ
)
との
必要
(
ひつえう
)
を
全
(
まつた
)
く
忘
(
わす
)
れさせられた
梨
(
なし
)
の
接木
(
つぎき
)
が、
大
(
おほ
)
きな
刺
(
とげ
)
を
幹
(
みき
)
にも
枝
(
えだ
)
にも
持
(
も
)
たなく
成
(
な
)
つたやうに、
恐怖
(
おそれ
)
が
彼等
(
かれら
)
を
去
(
さ
)
つたのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其時
(
そのとき
)
の
彼
(
かれ
)
は
他
(
ひと
)
の
事
(
こと
)
を
考
(
かんが
)
へる
餘裕
(
よゆう
)
を
失
(
うしな
)
つて、
悉
(
こと/″\
)
く
自己
(
じこ
)
本位
(
ほんゐ
)
になつてゐた。
今迄
(
いままで
)
は
忍耐
(
にんたい
)
で
世
(
よ
)
を
渡
(
わた
)
つて
來
(
き
)
た。
是
(
これ
)
からは
積極的
(
せききよくてき
)
に
人世觀
(
じんせいくわん
)
を
作
(
つく
)
り
易
(
か
)
へなければならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
地方公共團體
(
ちほうこうきようだんたい
)
の
財政
(
ざいせい
)
も
亦
(
また
)
斯
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きものである、
而
(
しか
)
して
國民
(
こくみん
)
はどうであるかと
云
(
い
)
ふと、
自己
(
じこ
)
の
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
經濟状態
(
けいざいじやうたい
)
に
對
(
たい
)
する
自覺
(
じかく
)
がないのである、さう
考
(
かんが
)
へて
見
(
み
)
ると
之
(
こ
)
れを
個人
(
こじん
)
に
譬
(
たと
)
へて
云
(
い
)
へば
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
小六
(
ころく
)
は
實際
(
じつさい
)
こんな
用
(
よう
)
をするのを、
内心
(
ないしん
)
では
大
(
おほ
)
いに
輕蔑
(
けいべつ
)
してゐた。ことに
昨今
(
さくこん
)
自分
(
じぶん
)
が
已
(
や
)
むなく
置
(
お
)
かれた
境遇
(
きやうぐう
)
からして、
此際
(
このさい
)
多少
(
たせう
)
自己
(
じこ
)
を
侮辱
(
ぶじよく
)
してゐるかの
觀
(
くわん
)
を
抱
(
いだ
)
いて
雜巾
(
ざふきん
)
を
手
(
て
)
にしてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
正気の
自己
(
じこ
)
の一部分を切り
放
(
はな
)
して、其儘の
姿
(
すがた
)
として、知らぬ
間
(
ま
)
に夢の
中
(
なか
)
へ
譲
(
ゆづ
)
り渡す方が
趣
(
おもむき
)
があると思つたからである。同時に、此作用は
気狂
(
きちがひ
)
になる時の状態と似て居はせぬかと考へ付いた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“自己”の意味
《名詞》
自 己(じこ)
自分自身。
(出典:Wiktionary)
“自己”の解説
自己(じこ、en: self)とは、心理学において自分によって経験または意識される自分自身をいう。
(出典:Wikipedia)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
己
常用漢字
小6
部首:⼰
3画
“自己”で始まる語句
自己嫌悪
自己犠牲
自己流
自己等
自己偽瞞
自己利益
自己批判
自己欺瞞
自己紹介
自己陶酔症