)” の例文
船暈ふなよいをした人が、下腹部したばらに力を入れて、一生懸命に抵抗しようとすればする程、いがつのって来る時のように、心の平静を失うまいとして、とりわけ
予審調書 (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
揺れない大きな船の乗組員は、小さな船の船員よりもうとの事だ。つまりたまにより大揺れに逢わないからである。サロンの桃の花しだいにこぼれていく。
欧洲紀行 (新字新仮名) / 横光利一(著)
曹丕そうひは船にって、重病人のように船房の中に臥していた。それを文聘ぶんぺいが背に負って、小舟に飛び移り、辛くも淮河わいがのふところをなしている一商港に上陸あがった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
皇后は舟にわれたのか、身うごきもなさらない。伏徳が背に負いまいらせてとぼとぼ歩きだした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「イヤ、すこし、船にったとみえる……。とにかく、住吉へでも行って、よい宿を見つけよう」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「船頭でも船にうことがあるという。こんどの御合戦ばかりは、血にうた」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ったのか」と弦之丞が優しく訊く。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)