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寄
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よ
ふりがな文庫
“
寄
(
よ
)” の例文
ちょうど
私
(
わたし
)
と
同
(
おな
)
じい七つ、八つばかりの
子供
(
こども
)
が、
毎日
(
まいにち
)
五、六
人
(
にん
)
も
寄
(
よ
)
り
集
(
あつ
)
まって
鬼事
(
おにごっこ
)
をしたり、こまをまわしたりして
遊
(
あそ
)
んでいました。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ぼくは学校から帰る
途中
(
とちゅう
)
たびたびカムパネルラのうちに
寄
(
よ
)
った。カムパネルラのうちにはアルコールランプで走る汽車があったんだ。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
八の
字
(
じ
)
を
深
(
ふか
)
くしながら、
寄
(
よ
)
せた
松
(
まつ
)
五
郎
(
ろう
)
の
眼先
(
めさき
)
を、ちらとかすめたのは、
鶯
(
うぐいす
)
の
糞
(
ふん
)
をいれて
使
(
つか
)
うという、
近頃
(
ちかごろ
)
はやりの
紅色
(
べにいろ
)
の
糠袋
(
ぬかぶくろ
)
だった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
と
言葉
(
ことば
)
やさしく
愛兒
(
あいじ
)
の
房々
(
ふさ/″\
)
せる
頭髮
(
かみのけ
)
に
玉
(
たま
)
のやうなる
頬
(
ほゝ
)
をすり
寄
(
よ
)
せて、
餘念
(
よねん
)
もなく
物語
(
ものがた
)
る、これが
夫人
(
ふじん
)
の
爲
(
た
)
めには、
唯一
(
ゆいいつ
)
の
慰
(
なぐさみ
)
であらう。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ずいぶん注意して見ていたのであるが、やはり向こうから見つけてかけ
寄
(
よ
)
って来るまで、わたしたちはアルキシーを見つけなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
▼ もっと見る
妙見勝三郎——そう言えば、生き残りの番士を代表して、今夜一人で喬之助の件につき相談に来ると言って
寄
(
よ
)
こした妙見勝三郎……。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
俺
(
お
)
ら
其
(
そ
)
の
手拭
(
てぬげ
)
被
(
かぶ
)
つてこつち
向
(
む
)
いてる
姐樣
(
あねさま
)
こと
寄
(
よ
)
せて
見
(
み
)
てえもんだな」
立
(
た
)
ち
塞
(
ふさ
)
がつた
陰
(
かげ
)
から
瞽女
(
ごぜ
)
の
一人
(
ひとり
)
へ
揶揄
(
からか
)
つていつたものがある。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
寄
(
よ
)
れば
触
(
さは
)
れば
高慢
(
かうまん
)
の
舌
(
した
)
爛
(
たゞら
)
してヤレ
沙翁
(
シヱークスピーヤ
)
は
造化
(
ざうくわ
)
の
一人子
(
ひとりご
)
であると
胴羅魔声
(
どらまごゑ
)
を
振染
(
ふりしぼ
)
り
西鶴
(
さいくわく
)
は
九皐
(
きうかう
)
に
鳶
(
とんび
)
トロヽを
舞
(
ま
)
ふと
飛
(
と
)
ンだ
通
(
つう
)
を
抜
(
ぬ
)
かし
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
『もつと
近
(
ちか
)
うお
寄
(
よ
)
りなさい。それで
檢死
(
けんし
)
の
役目
(
やくめ
)
は
濟
(
す
)
みますか。』と
言
(
い
)
ひ/\、
玄竹
(
げんちく
)
は
腐
(
くさ
)
つた
死體
(
したい
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に、
幾度
(
いくたび
)
もひつくりかへした。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
跡取
(
あとと
)
りの弟は
糟谷
(
かすや
)
をばかにして、東京へきても用でもなければ
寄
(
よ
)
らぬということもわかった。細君の顔はよりはなはだしく青くなった。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ドカリ——
洗面所
(
せんめんじよ
)
の
方
(
かた
)
なる、
扉
(
どあ
)
へ
立
(
た
)
つた、
茶色
(
ちやいろ
)
な
顔
(
かほ
)
が、ひよいと
立留
(
たちどま
)
つてぐいと
見込
(
みこ
)
むと、
茶
(
ちや
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
で
恁
(
か
)
う、
肩
(
かた
)
を
斜
(
はす
)
に
寄
(
よ
)
つたと
思
(
おも
)
ふと
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
つつましく膝に置いて
俯向
(
うつむ
)
き加減にしている盲目の
㒵
(
かお
)
のあでやかさは一座の
瞳
(
ひとみ
)
をことごとく
惹
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せて
恍惚
(
こうこつ
)
たらしめたのであった。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
梅子は何にも云はずに、
額
(
ひたい
)
に八の字を
寄
(
よ
)
せて、笑ひながら手を振り振り、代助の言葉を遮ぎつた。さうして、
向
(
むか
)
ふから
斯
(
か
)
う云つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ジリ、ジリ、と一
寸
(
すん
)
にじりに
寄
(
よ
)
りながら息をはかり、気合いをかけたが最後、ただ一刀に、
息
(
いき
)
の
根
(
ね
)
をとめてしまおうとするらしい。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おかあさんはその
夕方
(
ゆうがた
)
、
姫
(
ひい
)
さんをそっとまくら
元
(
もと
)
に
呼
(
よ
)
び
寄
(
よ
)
せて、やせ
衰
(
おとろ
)
えた手で、
姫
(
ひい
)
さんのふさふさした
髪
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
をさすりながら
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
すぐに
庫裏
(
くり
)
の
玄関先
(
げんくわんさき
)
へ
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
ると、
折
(
をり
)
よく
住職
(
ぢゆうしよく
)
らしい
年配
(
ねんぱい
)
の
坊
(
ばう
)
さんが
今
(
いま
)
がた
配達
(
はいたつ
)
されたらしい
郵便物
(
いうびんぶつ
)
を
見
(
み
)
ながら
立
(
た
)
つてゐたので
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
其れに引易え、或信心家は最初片っ方しか無い
車井
(
くるまい
)
の釣瓶なぞに随喜したが、此頃ではつい近所に来て泊っても
寄
(
よ
)
っても
往
(
い
)
かなくなった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
胡桃
(
くるみ
)
、
澤胡桃
(
さはくるみ
)
などゝいふ
木
(
き
)
は、
山毛欅
(
ぶな
)
の
木
(
き
)
なぞと
同
(
おな
)
じやうに、
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
には
生
(
は
)
えないで、
村里
(
むらさと
)
に
寄
(
よ
)
つた
方
(
はう
)
に
生
(
は
)
えて
居
(
ゐ
)
る
木
(
き
)
です。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
六
時
(
じ
)
が七
時
(
じ
)
になつても、
船
(
ふね
)
はひた/\と
波止場
(
はとば
)
の
際
(
きは
)
まで
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せて
居
(
ゐ
)
ながら、まだなか/\
著
(
つ
)
けさうにない。
其
(
そ
)
のうち
又
(
また
)
しても
銅鑼
(
どら
)
が
鳴
(
な
)
る。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
けれども……
皷動
(
こどう
)
が
全
(
まつた
)
く
靜
(
しづ
)
まつて、
血
(
ち
)
の
流
(
なが
)
れがもとのゆるやかさにかへつた
頃
(
ころ
)
、
極
(
きは
)
めて
靜
(
しづ
)
かに
歩
(
あゆ
)
み
寄
(
よ
)
つて
來
(
く
)
るもの
侘
(
わ
)
びしさを
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
大蛇
(
おろち
)
は人形を見ると、それを生きた人間と思ったのでしょう、いきなり大きな
鎌首
(
かまくび
)
をもたげて、
恐
(
おそ
)
ろしい
勢
(
いきおい
)
で
寄
(
よ
)
ってきました。
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
彼は楯と弓とを投げ捨てて父の傍へ
馳
(
か
)
け
寄
(
よ
)
った。彼は父の死の理由の
総
(
すべ
)
てを
識
(
し
)
った。彼は血潮の中に落ちている父の耳を見た。
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
今
(
いま
)
、この
新
(
あたら
)
しく
入
(
はい
)
って
来
(
き
)
た
仲間
(
なかま
)
を
歓迎
(
かんげい
)
するしるしに、
立派
(
りっぱ
)
な
白鳥達
(
はくちょうたち
)
がみんな
寄
(
よ
)
って、めいめいの
嘴
(
くちばし
)
でその
頸
(
くび
)
を
撫
(
な
)
でているではありませんか。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
かえりにはまた
必
(
かなら
)
ず立ち
寄
(
よ
)
るからとお言いのこしになって、さらに東の国へお進みになり、山や川に住んでいる、
荒
(
あら
)
くれ神や
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
敦子
(
あつこ
)
さまはそう
言
(
い
)
って、
私
(
わたくし
)
に
膝
(
ひざ
)
をすり
寄
(
よ
)
せました。
私
(
わたくし
)
は
何事
(
なにごと
)
かしらと、
襟
(
えり
)
を
正
(
ただ
)
しましたが、
案外
(
あんがい
)
それはつまらないことでございました。——
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
こないだっから
仕掛
(
しか
)
けて居たものが「つまずい」て仕舞ったのでその事を思うと
眉
(
まゆ
)
が一人手に
寄
(
よ
)
って気がイライラして来る。
秋風
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
村の人たちは
寄
(
よ
)
り合いをやって
相談
(
そうだん
)
をした。そして
結局
(
けっきょく
)
、村の人の中で、寺の鬼どもを
退治
(
たいじ
)
したものを寺の住職にしようということになった。
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
源一は、できるだけの速力で、
泥田
(
どろた
)
の中へとびこんでいった。ひっくりかえったジープの横をぬけ、たおれているアメリカ人のそばへ
寄
(
よ
)
った。
一坪館
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それと
知
(
し
)
れば
俄
(
にはか
)
に
肩
(
かた
)
すぼめられて
見
(
み
)
る
人
(
ひと
)
なければ
遽
(
あはたゞ
)
しく
片蔭
(
かたかげ
)
のある
薄暗
(
うすくら
)
がりに
車
(
くるま
)
も
我
(
われ
)
も
寄
(
よ
)
せて
憩
(
いこ
)
ひつ、
靜
(
しづ
)
かに
顧
(
かへり
)
みれば
是
(
こ
)
れも
笹原
(
さゝはら
)
走
(
はし
)
るたぐひ
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
然
(
しか
)
るところ寛永十八年妙解院殿存じ
寄
(
よ
)
らざる御病気にて、御父上に先立ち、御
逝去
(
せいきょ
)
遊ばされ、肥後守殿の御代と相成り候。
興津弥五右衛門の遺書(初稿)
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
沖
(
おき
)
なる
島山
(
しまやま
)
の
頂
(
いたゞき
)
は
紫嵐
(
しらん
)
に
包
(
つゝ
)
まれ、
天地
(
てんち
)
見
(
み
)
るとして
清新
(
せいしん
)
の
氣
(
き
)
に
充
(
み
)
たされて
居
(
ゐ
)
る
時
(
とき
)
、
濱
(
はま
)
は
寂寞
(
じやくばく
)
として
一
(
いつ
)
の
人影
(
じんえい
)
なく、
穩
(
おだや
)
かに
寄
(
よ
)
せては
返
(
か
)
へす
浪
(
なみ
)
を
弄
(
ろう
)
し
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
先年横山大観、
寺崎広業
(
てらさきくわうげふ
)
、山岡
米華
(
べいくわ
)
の諸氏が
連立
(
つれだつ
)
て支那観光に出掛ける
途
(
みち
)
すがら神戸へ立寄ると、
土地
(
ところ
)
の
富豪連
(
かねもちれん
)
が
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて三人を
招待
(
せうだい
)
した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
(
暑
(
あつ
)
い
日
(
ひ
)
で
直
(
すぐ
)
に
眠
(
ねむ
)
くなつたり、
懵然
(
ぼんやり
)
するものだから一
心
(
しん
)
に)
心
(
こゝろ
)
の
中
(
うち
)
で
考
(
かんが
)
へてゐますと、
突然
(
とつぜん
)
可愛
(
かあい
)
い
眼
(
め
)
をした
白兎
(
しろうさぎ
)
が、その
傍
(
そば
)
に
驅
(
か
)
け
寄
(
よ
)
つて
來
(
き
)
ました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
それらは
當時
(
とうじ
)
支那
(
しな
)
から
渡
(
わた
)
つた
石材
(
せきざい
)
を
取
(
と
)
り
寄
(
よ
)
せて、つくつたものと
思
(
おも
)
はれます。またこの
美
(
うつく
)
しい
楕圓形
(
だえんけい
)
の
石
(
いし
)
の
眞中
(
まんなか
)
に、
穴
(
あな
)
のあるものなどもあります。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
得ざれば汝ぢが申所は
道理
(
もつとも
)
に
似
(
に
)
たりと雖も親の罪を子に
負
(
おは
)
すると言ふ事には
成
(
なら
)
ず又罪も罪の次第に
寄
(
よ
)
る
況
(
まして
)
や其方は他人の
養子
(
やうし
)
と成りし
身
(
み
)
成
(
なら
)
ずや夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
魔女は、赤い目をしていて、
遠目
(
とおめ
)
のきかないものなのですが、そのかわり、けもののように鼻ききで、人間が
寄
(
よ
)
ってきたのを、すぐとかぎつけます。
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
といつて、
例
(
れい
)
の
車
(
くるま
)
をさし
寄
(
よ
)
せると、
不思議
(
ふしぎ
)
にも
堅
(
かた
)
く
閉
(
とざ
)
した
格子
(
こうし
)
も
土藏
(
どぞう
)
も
自然
(
しぜん
)
と
開
(
あ
)
いて、
姫
(
ひめ
)
の
體
(
からだ
)
はする/\と
出
(
で
)
ました。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
西洋風にすればパンの端を少しちぎっておいてそれでフライの肉をフークの背中へ
掻
(
か
)
き
寄
(
よ
)
せるようにして食べるのだ。イイエ、フークの腹ではない。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
いはゆる
目
(
め
)
の
寄
(
よ
)
るところに
玉
(
たま
)
で、この
新古今集
(
しんこきんしゆう
)
の
時
(
とき
)
ほど、
日本
(
につぽん
)
の
歌
(
うた
)
の
歴史
(
れきし
)
の
上
(
うへ
)
で、
名人
(
めいじん
)
・
上手
(
じようず
)
といふべき
人
(
ひと
)
が、たくさん
揃
(
そろ
)
つて
出
(
で
)
たことはありません。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
竹村
(
たけむら
)
はその
時
(
とき
)
姉
(
あね
)
なる
彼女
(
かのぢよ
)
の
身
(
み
)
のうへを、
少
(
すこ
)
しきいてみた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
東京
(
とうきやう
)
の
親類
(
しんるゐ
)
に
身
(
み
)
を
寄
(
よ
)
せて、
女学校
(
ぢよがくかう
)
を
出
(
で
)
てから、
語学
(
ごがく
)
か
音楽
(
おんがく
)
かを
研究
(
けんきう
)
してゐるらしかつた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
十分程すると、私達の立っている
処
(
ところ
)
より少しく左に
寄
(
よ
)
って、第二号
船渠
(
ドック
)
の
扉船
(
とせん
)
から三
米
(
メートル
)
程
隔
(
へだた
)
った海上へ、
夥
(
おびただ
)
しい泡が
真黒
(
まっくろ
)
な泥水と一緒に浮び上って来た。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
さう
答
(
こた
)
へて
玄関
(
げんくわん
)
にあがると、
機嫌
(
きげん
)
のいい
時
(
とき
)
にするいつもの
癖
(
くせ
)
で、青木さんは小
柄
(
がら
)
な
奧
(
おく
)
さんの
體
(
からだ
)
を
軽
(
かる
)
く
引
(
ひ
)
き
寄
(
よ
)
せながら、そのくちびるに
短
(
みじか
)
い
接
(
せつ
)
ぷんを
與
(
あた
)
へた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
こんな集合花を、植物学上で
頭状花
(
とうじょうか
)
と称する。キク科の花はいずれもみな頭状花である。つまり
寄
(
よ
)
り合い
世帯
(
せたい
)
、すなわち一の社会を組み立ている花である。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
大勢
(
おほぜい
)
寄
(
よ
)
つて
集
(
たか
)
つて
己
(
おれ
)
を三つも四つも
打
(
ぶ
)
ち
倒
(
のめ
)
しアがつて、
揚句
(
あげく
)
のはてに
突飛
(
つきと
)
ばされたが、悪いところに石があつたので、
膝
(
ひざ
)
を
摺剥
(
すりむ
)
いて血が
大層
(
たいそう
)
出るからのう……。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
歌舞伎座と市村座で
骨
(
こつ
)
寄
(
よ
)
せの岩藤を演じたが、先代菊五郎の
演
(
や
)
った一昔の前には見物は喜んで見ていたのが、今では
骨
(
こつ
)
が寄るのを見ると、いずれも見物は笑った。
当今の劇壇をこのままに
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こいつはいけないと金太郎は思つた。兩足をもう一度ペタルにのせて
速
(
そく
)
度を
制
(
せい
)
御しようとしたが、ペタルの囘轉は速さを増すばかりで金太郎の足を
寄
(
よ
)
せつけない。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
初
(
はじ
)
めて
萱原
(
かやはら
)
に
分入
(
わけい
)
つた
時
(
とき
)
に
居
(
ゐ
)
た
活東子
(
くわつとうし
)
は
死
(
し
)
んだ。
望蜀生
(
ぼうしよくせい
)
は
如何
(
どう
)
したのか、
寄
(
よ
)
りつきも
仕
(
し
)
ない。
狹衣子
(
さごろもし
)
は
役者
(
やくしや
)
に
成
(
な
)
つて、あの
泥
(
どろ
)
を
渫
(
しやく
)
つた
手
(
て
)
でお
白粉
(
しろしい
)
を
解
(
と
)
きつゝあり。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そも/\
空想
(
くうさう
)
は、
空氣
(
くうき
)
よりも
仄
(
ほのか
)
なもので、
今
(
いま
)
は
北國
(
ほっこく
)
の
結氷
(
こほり
)
に
言寄
(
いひよ
)
るかと
思
(
おも
)
へば、
忽
(
たちま
)
ち
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てゝ
吹變
(
ふきかは
)
って、
南
(
みなみ
)
の
露
(
つゆ
)
に
心
(
こゝろ
)
を
寄
(
よ
)
するといふ
其
(
その
)
風
(
かぜ
)
よりも
浮氣
(
うはき
)
なものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
そこで大國主の命が
出雲
(
いずも
)
の
御大
(
みほ
)
の
御埼
(
みさき
)
においでになつた時に、
波
(
なみ
)
の
上
(
うえ
)
を
蔓芋
(
つるいも
)
のさやを
割
(
わ
)
つて船にして
蛾
(
が
)
の皮をそつくり
剥
(
は
)
いで
著物
(
きもの
)
にして
寄
(
よ
)
つて來る神樣があります。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
遠い
旅
(
たび
)
に出るまえに、一ど家へ
寄
(
よ
)
っていったらどうだい? 小人の話じゃ、おまえがいなくなってからというもの、おとうさんは
運
(
うん
)
が
悪
(
わる
)
くって、
借金
(
しゃっきん
)
はかさなるし
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
“寄(寄(松田町))”の解説
寄(やどりき)は、神奈川県足柄上郡松田町にある集落の地名。地名の由来は、諸説有るが、寄り合い(部落の集まり)が木の下で行われていた事から寄木=やどりぎになったと言われている。
(出典:Wikipedia)
寄
常用漢字
小5
部首:⼧
11画
“寄”を含む語句
寄席
寄合
寄生木
立寄
寄付
寄附
寄集
寄人
寄木
詰寄
馳寄
打寄
年寄
近寄
摺寄
似寄
取寄
駈寄
寄来
片寄
...