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富豪連
先年横山大観、
寺崎広業、山岡
米華の諸氏が
連立て支那観光に出掛ける
途すがら神戸へ立寄ると、
土地の
富豪連が
寄つて
集つて三人を
招待した。
すると最前からそれを見て居た
富豪連は、いつの間にか
各自にそつと画絹を抱へ込んで
遁げ出した。そして言ひ合はせたやうに米華の前に
集つて来た。
でその費用は一般の寄進からとあつて、大きな
奉加帳が順繰りに
富豪連の手に廻される事になつた。それを何番目かに
請取つたIといふ
富豪は発起人の
顔触を見ると、急に苦い顔をした。