)” の例文
「ほんに待兼ねていなさったえ。あの、笛の音ばかり気にしなさるので、私もどうやらめなんだが、やっと分ったわな、何んともお待遠でござんしたの。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
めたり/\、檜葉菩薩の賢明、三馬鹿の陰謀をそれと見拔き、釣られたる風をして、そつと三馬鹿を出し拔き、麓にて待ち合はす相手にとて、六一菩薩を招きたるよな、その手は喰はぬと
夜の高尾山 (旧字旧仮名) / 大町桂月(著)
ロミオ いかにも……不幸ふしあはせふて、不運ふうんむわい。
「満面桃花七十春。誰図化作九原塵。才如白也生無敵。骨似微之没有神。走卒猶能識詩仏。啼鵑也解喚天民。想公遺集不労嘱。已見半彫梨棗新。」〔満面ノ桃花七十春/誰カ図ラン化シテ九原ノ塵トルヲ/才ハ白ノ如クシテ生マレナガラ敵無ク/骨ハ微之ノごとクシテ没シテ神有リ/走卒モ猶ク詩仏ヲ識リ/啼鵑モまたク天民ヲ
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
乏しい様子が、燐寸ばかりも、等閑なおざりになし得ない道理はめるが、焚残もえのこりの軸を何にしよう……
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
事情ことがらめている。半ば上の空でいううちに、小県のまたながめていたのは、その次の絵馬で。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
成程、とめた風で、皆白けて控えた。あらためて、新しく立ちかかったものもあった。
革鞄の怪 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
はてな、で、その筋を据眼すえまなこで、続く方へ辿たどってくと……いや、めましたて。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それでそのすずも、雲のような行衣もめた。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
六蔵めぬ面の眉をしか
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)