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訓
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よ
ふりがな文庫
“
訓
(
よ
)” の例文
これだけでは不安心だが、アバラケは亭を
阿婆良也
(
あばらや
)
と
訓
(
よ
)
むごとく荒れ
寥
(
すさ
)
んだ義で毛なしと近く、ほとんど相通ずる意味の詞であろう。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
また「蟆」の一字をタニククと
訓
(
よ
)
ませた例もなければ、「蟆」は畢竟ククの音に当てた仮名であって、それ自身タニグクではなく
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
それゆえ椿には実は字音というものは無い筈だが、しかしそれを
強
(
しい
)
て字音で
訓
(
よ
)
みたければこれをシュンというより外致し方があるまい。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
右のほか峠をヒョウまたはヒヨと
訓
(
よ
)
む例はきわめて多い。『俚言集覧』に上総では嶺をヒヨという、タケガヒヨという高山がある。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「乞」をイデと
訓
(
よ
)
む例は、「
乞我君
(
イデアギミ
)
」、「
乞我駒
(
イデワガコマ
)
」などで、元来さあさあと促がす
詞
(
ことば
)
であるのだが「出で」と同音だから借りたのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
叡山南都の大衆——などというばあいは、わざとフリ仮名をつけて「だいじゅ」と古典どおりな
訓
(
よ
)
みをつかって書いている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
禁厭
(
きんえん
)
をまじないやむると
訓
(
よ
)
んでいるのは古いことだ。
神代
(
じんだい
)
から存したのである。しかし神代のは、悪いこと兇なることを圧し
禁
(
と
)
むるのであった。
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
古くから祖の字を「おや」と
訓
(
よ
)
まして、両親の意でなく「おっかさん」の意に使うことになっているのは、字は借り物だが、語には歴史がある。
最古日本の女性生活の根柢
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
その頃まだ百五十首ばかり読めない歌が残っていたのだが、それは鎌倉の中頃、
仙覚
(
せんがく
)
律師の新点で一応すべて
訓
(
よ
)
み解かれるようになるのである。
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
香以の履歴は
主
(
おも
)
に資料を仮名垣魯文の「再来紀文廓花街」に仰いだ。今紀文
曲輪
(
くるわ
)
の花道と
訓
(
よ
)
むのだそうである。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かように、「奚」がいかなる類に属するかによって「さやけく」と
訓
(
よ
)
んだのは間違いで「きよけく」と訓まなければならぬときめることが出来るのであります。
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
「あらえびす」の方は、新聞に音楽や、絵のことを書くのに、胡堂でははなはだ堅いので、胡という字を柔らかく
訓
(
よ
)
んで、「あらえびす」としたまでのことである。
随筆銭形平次:07 ペンネーム由来記
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
されば「東行西行雲
眇眇
(
びようびよう
)
。二月三月日遅遅」を「とざまにゆき、かうざまに、くもはるばる。きさらぎ、やよひ、ひうらうら」と
訓
(
よ
)
み給ひけむ神託もさることながら
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
「なるほど。はやぶさと
訓
(
よ
)
ませるのですか。それでは余り
無造作
(
むぞうさ
)
に過ぎはしませんか。こうしたらどうでしょう。もう一字足して二字名にしては。隼男というように。」
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
もっとも「イソ」はまた冠の縁や楽器の縁辺でもある。海の縁でもあるから、頭と比較するのは無理かもしれない。しかし「上」は「ほとり」と
訓
(
よ
)
まれることがあるのである。
言葉の不思議
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
水海道はミツカイドウと
訓
(
よ
)
むべきことは
高田与清
(
たかだともきよ
)
の『相馬日記』に説かれている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
約
(
つづ
)
めて「童話」としるし、これを、ドウワまたはムカシバナシと
訓
(
よ
)
ませている。
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
ことに異彩を極めたのは
大元帥明王
(
だいげんみょうおう
)
の大画像でございます、
大元帥
(
だいげんすい
)
と書きましても、帥の字は読まず、ただ大元明王と
訓
(
よ
)
むのが宗教の方の作法でございますが、あの大画像は、いつの頃
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いや、違ふ。堪忍とは、『たへしのぶ』と
訓
(
よ
)
んで二字で出来てゐるのだ。」
茶話:08 大正十五(一九二六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「宇をつくる」と
訓
(
よ
)
むべきこの「為宇」を、いつのころからか「宇となす」と訓み「宇」を
譬喩
(
ひゆ
)
の語として見るものがあったので、そこから八紘を一家とするというような解釈が加えられ
日本歴史の研究に於ける科学的態度
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
「お父さま、百
日紅
(
にちこう
)
と書いてどうしてサルスベリと
訓
(
よ
)
むんですか?」
人造人間
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
私はミズナガレと読んだが、それはツルと
訓
(
よ
)
むのだそうだった。
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
大阪の新聞の三面記事に折々現われて来る柴島警察分署、あの柴島は今でもクニシマと
訓
(
よ
)
むのである(西成郡中島村大字柴島)。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
上の歌ではスガノミのスガに菅の字が
充
(
あ
)
て用いてある。この菅の字は通常スゲ(Carex)の場合に用いスゲともスガとも
訓
(
よ
)
ませてある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
併し、「夏山の木末の繁に」といって生かしているのを後代の吾等は注意していい。「
繁
(
しじ
)
に」は
槻落葉
(
つきのおちば
)
にシゲニと
訓
(
よ
)
んでいる。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
『和名抄』に
仁之木倍美
(
にしきへみ
)
と
訓
(
よ
)
んだ蚺蛇は日本にない。予漢洋諸典を調べるに後インドとマレー諸島産なる大蛇ピゾン・レチクラツスに相違ない。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
恐らくその地にあった仏堂の本尊の名の、顕れた為にさよう
訓
(
よ
)
んだものだろうとせられている。併し、ここに一説がある。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
「新・平家物語」は、もちろん、現代語を基調としているから、それらの
訓
(
よ
)
みは、みな今日の読み方にあらためている。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「間人」と書いてマヒトと
訓
(
よ
)
む。これは全くその文字通りの意義であって、中間に位する人というに外ならぬ。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
香以の氏細木は、正しくは「さいき」と
訓
(
よ
)
むのだそうである。しかし「ほそき」と呼ぶ人も多いので、細木氏自らも「ほそき」と称したことがあるそうである。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
されば狼を恐れて大神とするも然るべきことにて、熊野は神野の義、神稲をくましねと
訓
(
よ
)
むたぐいを思うに、熊をくまと訓むはあるいは神の義なるや知るべからず。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
しかしそう読むと、今は余り耳遠いからして「ヒル」と
訓
(
よ
)
んで置くといっているのであります。そうすると、宣長翁も上二段活用であったと考えておられたと思われます。
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
『万葉』では楸をひさきと
訓
(
よ
)
ませてある。ひさきというのは、辞書で見ると、久しきに
堪
(
た
)
える意味からその名を得たという一説を挙げている。そんなわけで、賢所の前庭に植えてあったのであろう。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
因
(
ちなみに
)
曰く、馬琴は童話をワラベモノガタリと
訓
(
よ
)
ませている。
『グリム童話集』序
(新字新仮名)
/
金田鬼一
(著)
わたくしは例によって原文を次の如く
訓
(
よ
)
み
下
(
くだ
)
す。
上野
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それによく似た
五十雀
(
ごじゅうから
)
・
山雀
(
やまがら
)
・
小雀
(
こがら
)
、いずれも雀の字をガラと
訓
(
よ
)
んでいるのは、クラと原一つであると見て
大抵
(
たいてい
)
誤りはあるまい。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
大和の三輪明神始め熊野辺に、古来老樹大木のみありて社殿なき古社多かりし。これ上古の正式なり。『万葉集』には、社の字をモリと
訓
(
よ
)
めり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
日課として、源氏の
訓
(
よ
)
みと
解
(
とき
)
を教えている松琴尼は、文学には熱心なこの少女が、勉強の中途でこんな声を出したのは初めて見ることだったので
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
松浦竹四郎の著に『後方羊蹄日記』と題する一冊の書物があってこれを「シリベシ日記」と
訓
(
よ
)
む。書中に
雌岳
(
マチネジリ
)
なる知別岳を後方羊蹄と書いてある。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
略解でホフシ・ナカラカムと
訓
(
よ
)
み(古義同訓)、「なからは半分の意にて、なからにならんと戯れ言ふ也」と解した。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
日本の漢詩は、字面は支那の律に従うてゐても、実は変態の国文として
訓
(
よ
)
まれ、詠ぜられて来た。固有の詞章になかつた音律が、古く和讃・踏歌に伴うて起つた。
女房文学から隠者文学へ:後期王朝文学史
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
わたくしは紙を
展
(
の
)
べて漫然空車と題した。題しおわってなんと読もうかと思った。音読すれば耳に聴いて何事ともわきまえがたい。しからばからぐるまと
訓
(
よ
)
もうか。
空車
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
饒速日命
(
にぎはやひのみこと
)
の天降に随従した三十二人の供奉の人々の中に、天玉櫛彦命は間人連等祖とあるのがこれで、「間人」ここに「ハシビト」また「ハジウド」と
訓
(
よ
)
ませてある。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
水守は
筑波山
(
つくばさん
)
の南の北条の西である。兵は進んで下総堺の小貝川の川曲に来た。川曲は「かはわた」と
訓
(
よ
)
んだのであらう、今の川又村の地で当時は川の東岸であつたらしい。
平将門
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
伊賀では旧村名に二三の「界外」があって今はカイゲと呼んでいるが、これも「外」の字を「ト」と
訓
(
よ
)
んだのではあるまいか。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
白馬節会
(
あおうまのせちえ
)
の白馬を青馬と
訓
(
よ
)
ますを古く
不審
(
いぶか
)
しく思うた人少なからぬと見え、
平兼盛
(
たいらのかねもり
)
が「ふる雪に色もかはらて
曳
(
ひ
)
くものを、たれ青馬と
名
(
なづ
)
け
初
(
そめ
)
けん」
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
寧子と書いて、ねねと
訓
(
よ
)
む。その可憐な名も、この娘の人がらにふさわしかった。小さく整った
容貌
(
かおだち
)
に、ぱちりと、聡明らしい
眸
(
ひとみ
)
を静かに持っている。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ「撰経籍訪古志」に訓点を施して、経籍を撰び、古志を
訪
(
と
)
うと
訓
(
よ
)
ませてあるのに
慊
(
あきたら
)
なかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
混効験集に、「
大
(
おほ
)
ころ、男の事か、こしあて大ころと云へば夫の事なり」とあるコロはすなわちこれである。朝鮮にも古く「骨」の字をあててコルと
訓
(
よ
)
み、族の意義に用いた。
「ケット」と「マット」
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
秘かに思ふに、接吻を「口づけ」と
訓
(
よ
)
ませたのは、聖書の飜訳以来のことではなからうか。
接吻
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
“訓”の意味
《名詞》
漢字を和語で読んだもの。訓読み。
(出典:Wiktionary)
訓
常用漢字
小4
部首:⾔
10画
“訓”を含む語句
教訓
訓言
訓導
訓戒
庭訓
訓誡
訓練
訓示
和訓栞
訓誨
垂訓
戯場訓蒙図彙
訓詁
十訓抄
乙訓
庭訓往来
女庭訓
和訓
古訓
訓諭
...