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饗
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よ
ふりがな文庫
“
饗
(
よ
)” の例文
国ヶ岩君が香を
嚊
(
かぎ
)
つけて『一杯
饗
(
よ
)
んで呉れ』と入つて来た。『これぢや食へんからのう』と差出す賄の上には塩鮭が一切れ佗しく戴つてあつた。
相撲の稽古
(新字旧仮名)
/
岡本一平
(著)
ついこなひだのこと、侯爵細川護立氏のところへ、春陽会の若い画家五六人が
饗
(
よ
)
ばれて往つたことがあつた。山崎省三氏もその中に
交
(
まじ
)
つてゐた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
少年の頃、自分がうまいものをよそで
饗
(
よ
)
ばれて帰って話すとき、母は根掘り葉掘り詳しく聞き返し、まるで自分が食べでもしたような満足さで顔を生々とさしたではないか。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
柴草を刈りに行く連中は、和助の家をいゝ休み場にして、お茶を
饗
(
よ
)
ばれて辨當をつかつた。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
先日
(
こなひだ
)
神戸高商の小川忠蔵、小久保
定之助
(
ていのすけ
)
の両氏が、英語専攻の学生に
饗
(
よ
)
ばれた返礼を、安上りだといつてカフエエ・オリエントでする事になつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
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で、ある日の
晩餐
(
デインナー
)
に、知り合ひの誰彼を
饗
(
よ
)
んで、試しに一皿づつ出してみた。そしてこんな事を言つて吹聴した。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
希臘
(
ギリシヤ
)
のある皮肉哲学者が
富豪
(
かねもち
)
に
饗
(
よ
)
ばれた事があつた。哲学者が
富豪
(
かねもち
)
に思想を説きたがるやうに、
富豪
(
かねもち
)
はまた哲学者に自分の住んでゐる世界を見せびらかしたいものなのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『シエーキスピア物語』で日本人にもよく知られてゐるチヤールス・ラムが、ある時多くの
知合
(
しりあひ
)
と一緒に誰かの晩餐に
饗
(
よ
)
ばれた事があつた。皆が食卓につくと、主人役は
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
狩野氏のやうに血眼になつて真理を捜してゐるか、
何
(
ど
)
うかは知らないが、狩野氏同様に独身主義者である。そのエエド氏がある時知り合ひの結婚式に
饗
(
よ
)
ばれて列席した事があつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
パスツウル研究所の創設者ルイス・パスツウルは名高い化学者だつたが、この人もモムゼンと同じやうに、どうかすると自分を忘れる
性
(
たち
)
であつた。ある時娘の
家
(
うち
)
に往つて、
桜実
(
さくらんぼ
)
を
饗
(
よ
)
ばれた事があつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
饗
漢検準1級
部首:⾷
22画
“饗”を含む語句
饗応
大饗
饗宴
饗應
饗庭篁村
饗庭
御饗
饗膳
御饗応
饗饌
道饗祭
大饗宴
大御饗
饗筵
饗庭黨
勅使饗応役
夕饗
饗礼
饗燕
饗應振
...