)” の例文
意外おもいのほかに暇どりて、日も全く西に沈み、夕月田面たのもに映るころようやくにして帰り着けば。鷲郎わしろうははや門にりて、黄金丸が帰着かえりを待ちわびけん。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
その心志の周旋するところ、日夜の郷往きょうおうするところ、その死してのち数十年、しかもその物、具存して、体魄たいはくりんより、気のるところを知る。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
殆んど終に至るまで討幕家たらざりき。而してただ攘夷の幕府にりて行わるべからざるを観、国体の幕府にりて保つべからざるを観、ここにおいてげて討幕のまたむべからざるを識認したり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)