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凴
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よ
ふりがな文庫
“
凴
(
よ
)” の例文
家は数十丈の絶壁にいと危くも
桟
(
かけ
)
づくりに
装置
(
しつら
)
いて、旅客が欄に
凴
(
よ
)
り深きに臨みて賞覧を
縦
(
ほしいまま
)
にせんを待つものの如し。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
去
(
さ
)
れど
是等
(
これら
)
の道具立てに不似合なる
逸物
(
いちもつ
)
は其汚れたる
卓子
(
てえぶる
)
に
凴
(
よ
)
り白き手に裁判所の呼出状を持ちしまゝ憂いに沈める一美人なり是ぞこれ噂に聞ける藻西太郎の妻倉子なり
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
ハイカラの久松に
凴
(
よ
)
りつくには、やはり片仮名のインフルエンザの方が似合うらしいと、私の父は笑っていた。そうして、その父も明治三十五年にやはりインフルエンザで死んだ。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
矢叫
(
やたけ
)
び
鬨
(
とき
)
の
声
(
こえ
)
の世の中でも放火殺人専門の野蛮な者では無かった。机に
凴
(
よ
)
りて静坐して書籍に親んだ人であった。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
すでに其の病いがお染と名乗る以上は、これに
凴
(
よ
)
りつかれる患者は久松でなければならない。そこで、お染の
闖入
(
ちんにゅう
)
を防ぐには「久松留守」という貼札をするがいいと云うことになった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
この段取の間、男は
背後
(
うしろ
)
の
戸棚
(
とだな
)
に
凴
(
よ
)
りながらぽかりぽかり
煙草
(
たばこ
)
をふかしながら、
腮
(
あご
)
のあたりの
飛毛
(
とびげ
)
を人さし指の先へちょと
灰
(
はい
)
をつけては、いたずら半分に
抜
(
ぬ
)
いている。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
家門隆昌を祈って、それから食事の後には、ただもう机に
凴
(
よ
)
って源氏を読んでいたというが、如何にも寂びた、細〻とした、すっきりとした、
塵雑
(
じんざつ
)
の気のない、平らな、
落
(
おち
)
ついた
魔法修行者
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
凴
部首:⼏
14画
“凴”を含む語句
凴夢弼
凴拠
凴着