“罷(よ)” の例文
文三の心持では、成ろう事なら、行けと勧めて貰(もら)いたかッた。それでも尚(な)お強情を張ッて行かなければ、「貴君と御一所でなきゃア私も罷(よ)しましょう」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私らンとこの菊太郎も実地はもうたくさんだで、今茲(ことし)は病院の方を罷(よ)さして、この秋から田舎に開業することになっておりますでね、私もこれで一ト安心ですよ。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
黒い長い髪が縺(もつ)れてひらひらしてたんだぜ、それが手に吸いついて、髪が指にからまっちまったもんだから、奴(やっこ)さん驚いたの、驚かねェの、青くなって、それっきり罷(よ)しちまった。
鉄路 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
相談を懸けたら飛だ手軽ろく「母が何と云おうと関(かま)やアしませんやアネ、本田なんぞに頼む事はお罷(よ)しなさいよ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「昨夜(ゆうべ)の今夜ですから、酒はお罷(よ)しなすった方がようござんすらに。」
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「モウお罷(よ)しなさいよ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)