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選
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よ
ふりがな文庫
“
選
(
よ
)” の例文
こういう事のあったあとだからというので、
鳶
(
とび
)
の者や力自慢の道具方など、
選
(
よ
)
りすぐった七人の者が、寝ずの番を
仰
(
おお
)
せつかったのだ。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
選
(
よ
)
りに選って、日本人なんか目っけなくてもよさそうなものだと、少々変な心持で、何だって聞くと、今度は名刺を出した、見ると
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
選
(
よ
)
って残しておいでになったのにはそれだけの考えがあるのでしょうから、あなたに愛されない子供達を私の手でどうにか育てましょう
源氏物語:40 夕霧二
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
それは私の
生命
(
いのち
)
にも換えられませぬお恥かしい秘密で御座いますから、この四ツの鼓の中から『あやかしの鼓』をお
選
(
よ
)
り出し下すって
あやかしの鼓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
お登和さん、ホントに今
選
(
よ
)
り
出
(
だし
)
て下すった松茸は良い品物ばかりですね。
何故
(
なぜ
)
良い品ばかり揃えて
直段
(
ねだん
)
を高くして
売
(
うら
)
ないでしょう。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
「まあ、まあ、こつちさえその気になれば、相手は
選
(
よ
)
り取り、お好み次第つていう有様だから、兄さんなんか、気が強いわけさ」
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
そこに並んだのは、美酒と
佳肴
(
かこう
)
と数十基とも知れぬ
銀燭
(
ぎんしょく
)
と、そして、十二三から二十五六までの一粒
選
(
よ
)
りの美女が二十人ばかり。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そしてまずあたくしが読んでみまして、他の受験書に出ていない問題を
選
(
よ
)
りわけまして、道夫に毎日毎日やらせているのでございますよ。
新学期行進曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いえ、万が一、いや、いずれに致せ多いがよろしかろうと存じまして、屈強の者
選
(
よ
)
りすぐり、二十名程増やしまして厶ります」
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
そのせいか、お角はだいぶ客の
選
(
よ
)
り好みをしていましたが、そのうちに
苫
(
とま
)
の陰と橋の上とで、何か下相談の出来たらしい様子で
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、三、四人の知らない記者がいたが、みなたいへん快活で、僕に親切と好意とを見せてくれた。一粒
選
(
よ
)
りのりっぱな連中だったよ。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「
選
(
よ
)
りに
選
(
よ
)
つて
奴
(
やつ
)
が
落
(
お
)
ちるなんてよつぽど
運
(
うん
)
が
惡
(
わる
)
いや‥‥」と、
一人
(
ひとり
)
はまたそれが
自分
(
じぶん
)
でなかつた
事
(
こと
)
を
祝福
(
しゆくふく
)
するやうに
云
(
い
)
つた。
一兵卒と銃
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
世に珍しい美女にお生れになりながら、
選
(
よ
)
りに選って
祖父
(
おゝじ
)
か
曾祖父
(
ひいおゝじ
)
のような夫をお持ちなされたのでは、
嘸
(
さぞ
)
御不満なことがおありであろう。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そうかと思うと又ふいと娘がこの中に来ていはせぬかと思って、銀杏返しに
結
(
い
)
っている、若い女を
選
(
よ
)
り出すようにして見ることなどがある。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
細君の品物を
選
(
よ
)
り分ける顔つきや挙動や、それを黙って見ている主人の表情はさまざまである。いろいろな家庭の一面がここに反映している。
丸善と三越
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
夜はおそくまで、部屋の
整頓
(
せいとん
)
。机の引出の中まで、きれいに片づけた。読み終った本と、これから読む本とを
選
(
よ
)
りわけて、本棚を飾り直した。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「そんなことどうでもよござんすよ。それより、妾
癪
(
しゃく
)
にさわるのは、
選
(
よ
)
りに選って妾の顔へ、あんな大きな穴をあけて……」
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
漸
(
やつ
)
と安心をした内田氏は、ベルン一番の時計屋に入つて往つた。そして色々時計を持ち出させた上、一番
手丈夫
(
てぢやうぶ
)
さうなのを
選
(
よ
)
つて購ふ事にした。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
殊に林檎や梨は本場の一粒
選
(
よ
)
りださうです、少々遠くても品物を持つて売りにお出掛けになるそうですから何卒皆さまお得意になつて下さいまし。
編輯室より:(一九一四年一一月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
自薦
(
じせん
)
他薦
(
たせん
)
の養子の候補者は、
選
(
よ
)
りどり見どりだが、苦労を知らない
大家
(
たいけ
)
の次男三男を養子に貰ったところで、よくいう
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
選
(
よ
)
りに選ってこんなときに、と彼は心の中で舌打ちをした。肝心なときにくしゃみとは、まるっきり茶番じゃあねえか。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は先刻から
選
(
よ
)
りそろえておいた七、八冊のさし絵入りの漢書——それは皆彼の父が
丹精
(
たんせい
)
して手に入れたものであった——を
風呂敷
(
ふろしき
)
に包み、また
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
しかのみならず、ごく地味の良い水がかりの良い処ばかりを
選
(
よ
)
り取りしたに相違なかった。つまり京都の荘園の主人を良い旦那にしておったのです。
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
輸入するにも、国土民情に適したものを
篩
(
ふる
)
い
選
(
よ
)
り、そしてさらにこれを民族精神で精製し直し、全く日本的の仏教にして消費し来ったのであります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
さういふ条件の小説を特別に
選
(
よ
)
り出す事は出来ないし、又特別に取扱はなくてはならない小説があるとも思へない。
風変りな作品に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
神社や学校で
恭々
(
うやうや
)
しく買上げる手筈になっているではないか! それをまあ、
選
(
よ
)
りにも選って!——と私は、その時芸術家の感興を
弁
(
わきま
)
えぬ村人達から
ゼーロン
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
今夜、私は
机
(
デスク
)
の前に腰をかけて抽斗を開けた。書いたものをあらまし引裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書を
選
(
よ
)
り分けにかかったのだった。
ある自殺者の手記
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
こんなときに
撒
(
ま
)
かないととても紛れることは出来ぬと、
態
(
わざ
)
とごた/\致す人中を
選
(
よ
)
って
漸
(
ようよ
)
う汽車に乗りこみます。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
アルカージナ おや、そう? そんなら、何か当り前の芝居を出せばいいのに、なぜ
選
(
よ
)
りに選って、あんなデカダンのタワ言を
聴
(
き
)
かせようとしたんだろう。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ところが、にんじんは、それをほんとだと思う。ただ、もっと上品に、美しい葉のところだけを
選
(
よ
)
るのである。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
人通りの少いところを
選
(
よ
)
って私達は歩いた。けれど私達はお互いに何も話さなかった。往来で話すような軽い単純なものを私は話そうとしているのではない。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
俗に「
耳白
(
みみしろ
)
」という文銭を
選
(
よ
)
り出しては箱に入れて集めておられ、それが
貯
(
たま
)
り貯りして大変な
量
(
かさ
)
になっていたのを、蔵の中にある穴蔵の中へ入れてありました。
幕末維新懐古談:30 身を引いた時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
彼等は明るい電車通りを
選
(
よ
)
って歩いた。村上は心に何かありそうな顔色をしていた。それが松井にも伝った。孰れも球を突こうとも云い出さないでただ歩いた。
球突場の一隅
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
細君の方は目が高くて、煙草の葉を
選
(
よ
)
るのにたしかで早い、大事な内職人なので、その方を手離したくないために、役にたたない御亭主も雇っておいてくれる。
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
どの
玩弄物
(
おもちゃ
)
欲しい、と
私
(
わし
)
が問うたでの、
前
(
さき
)
へ悦喜の
雀躍
(
こおどり
)
じゃ、……
這奴等
(
しゃつら
)
、騒ぐまい、まだ早い。殿たち
名告
(
なの
)
らずば、やがて、
選
(
え
)
ろう、
選取
(
よりど
)
りに私が
選
(
よ
)
って
奪
(
と
)
ろう!
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
キャラコの
肌着
(
はだぎ
)
にはちやうど適當な品です。針も糸に合つたのを
選
(
よ
)
りました。
縫針
(
ぬひばり
)
の方は、おぼえを
記
(
つ
)
けておくのを忘れたと、あなたからスミス先生に云つて下さらんか。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
外輪
(
そとわ
)
がゆるやかに胸の上に垂れ、九カラット、八カラット、順次に三、二、一カラットから、〇・八五、六五までのもの、いずれも欧州一といわれる粒
選
(
よ
)
りのダイヤばかり
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それは仮りにも選をするのであるから
選
(
よ
)
りわけて悪いものは落し良いものは採る、という厳正な批評の眼を向けることは
勿論
(
もちろん
)
であるが、そこにこういう考えが浮ぶのである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
大和
(
やまと
)
の国、
三輪
(
みわ
)
の町の大鳥居の向って右の方の、日の光を
嫌
(
きら
)
って蔭をのみ
選
(
よ
)
って歩いた一人の女が、それから一町ほど行って「薬屋」という看板をかけた大きな宿屋の
路地口
(
ろじぐち
)
を
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かねて新調の藍縞糸織の
袷
(
あわせ
)
に、白縮緬の三尺を巻附け、羽織は元の奉書で、運動と見せて宿を立出で、顔を知らぬ
車夫
(
くるまや
)
を
選
(
よ
)
って柳橋手前で下り、ぶら/\と淀文の前まで来ると
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
郊外の丘にある薄汚い土民小屋の近くで、老人と若い男が懸命に
錫
(
すず
)
の鉱石を
選
(
よ
)
っていた。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
以上の二首は連作で二つとも
選
(
よ
)
っておきたいが、今は一つを従属的に取扱うことにした。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「お坊さんがお寺からお布施をもらいに来たんだわ、
選
(
よ
)
りに
選
(
よ
)
ってこんなところへ!」
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ですから時によると、自分は全体どんなわけで
選
(
よ
)
りに選ってこんな仕事をするようになったのだろうと思って、それをのろうような気分になったりすることもあることを白状します。
抵抗のよりどころ
(新字新仮名)
/
三好十郎
(著)
小池はんがまた何故に、
選
(
よ
)
りに選つて六日といふ惡い日を選んだのであらう。七日なら好かつたし、五日でも何うにかして會へるのに、六日の午後八時二十五分では何うにもならぬ。
兵隊の宿
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
拠
(
よんどころ
)
なく、夫婦は
白樺
(
しらはり
)
の樹の下を
選
(
よ
)
って、美しい葉蔭に休みました。これまで参りましても、夫婦は互に打解けません。源はお隅を見るのが苦痛で、お隅はまた源を見るのが苦痛です。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「じゃ、これから、
竹
(
たけ
)
を
見
(
み
)
つけにいこうか。」といって、
子供
(
こども
)
たちといっしょに、
竹
(
たけ
)
やぶの
方
(
ほう
)
へやってきて、
雪
(
ゆき
)
のかかった
竹
(
たけ
)
を
選
(
よ
)
り
分
(
わ
)
けて、よさそうなのを
切
(
き
)
っていたのでありました。
熊さんの笛
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
難有
(
ありがた
)
いと、それを
鞄
(
かばん
)
に
入
(
い
)
れて
居
(
ゐ
)
ると、
篩
(
ふるひ
)
で
貝
(
かひ
)
を
選
(
よ
)
つて
居
(
ゐ
)
る
女土方
(
をんなどかた
)
が、
小
(
ちい
)
さな
聲
(
こゑ
)
で。
探検実記 地中の秘密:07 末吉の貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
真っ先に
笙
(
しょう
)
篳篥
(
ひちりき
)
、太鼓、大笛、足取りを
揃
(
そろ
)
え、その次に金香炉、それは十二、三から十五に至るまでの、チベット人としては最もうるわしい子供ばかりを
選
(
よ
)
り集めて立派な
法衣
(
ほうえ
)
を着せ
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
すべての宗派の発生は、つまりは
斯
(
こ
)
うした手続でできたに外ならない。めいめい最初から自分自身の理想ができて
居
(
お
)
り、経典の中から
選
(
よ
)
り出した啓示を
以
(
もっ
)
て、
之
(
これ
)
を裏書きしたまでである。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
選
常用漢字
小4
部首:⾡
15画
“選”を含む語句
選手
選抜
選択
選好
選取
選分
選択集
粒選
唐詩選
人選
選出
少選
選民
選良
当選
選嫌
一粒選
選択本願念仏集
文選
選挙
...