)” の例文
こちらの文のお返しに、白紙などこされて、なんとも小憎い一座ではある。このまま黙って引っ込んでいては、愈〻いよいよ、あの公達輩きんだちばらをよい気にさせて置くようなもの。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その勢力のある英国の権力を持って軍隊からわざわざこしてくれたこの人物——ホートンと名乗るこの人物の、こればかりの要求を拒絶するということも義理合いとして出来難い。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
小兼春吉お房蝶子四の五の云はせず掴むで来い、すねの達者な若い衆頼も、我家うちへ行て清、仙、鐵、政、誰でも彼でも直に遊びにこすやう、といふ片手間にぐい/\仰飲あふる間も無く入り来る女共に
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
おんなたちを手古てこずらせていたが、その寒巌枯骨ともいえるような細ッこい老躯の中には、なかなかかない気性がひそんでいるらしく、さっき白紙の返書をこしたり、あちらの別室で
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)