)” の例文
旧字:
後について来るとおもたものが足音を絶つ、並んどったものが見えんになる、前に進むものが倒れてしまう。自分は自分で、楯とするものがない。
戦話 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
ところで、なんぜ油を嘗めよったかと言うと、いまもいう節で、虐待されとるから油でも嘗めんことには栄養の取りがない。まあ、言うたら、止むに止まれん栄養上の必要や。
秋深き (新字新仮名) / 織田作之助(著)
五百のぶたの群のに。
飯を喰てたうえへ砲弾の砂ほこりを浴びたんやさかい、口へ這入るものが砂か米か分らんであった。
戦話 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)