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綟
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よ
ふりがな文庫
“
綟
(
よ
)” の例文
赤塗の自転車に乗った電報配達人が綱を
綟
(
よ
)
っている男女の姿を見て、道をきいていたが、分らないらしい様子で、それなり元きた
彼方
(
かなた
)
へと走って行った。
元八まん
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
もう一人、
袷
(
あわせ
)
の
引解
(
ひっと
)
きらしい、汚れた
縞
(
しま
)
の
単衣
(
ひとえ
)
ものに、
綟
(
よ
)
綟れの三尺で、
頬被
(
ほおかぶ
)
りした、ずんぐり
肥
(
ふと
)
った赤ら顔の
兄哥
(
あにい
)
が一人、のっそり腕組をして
交
(
まじ
)
る……
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
すなわちその葉が風に吹かれるとその風が葉面に当たってその葉を一方に押しやる。そうするとその長い葉鞘が
綟
(
よ
)
れてこの葉がこんな姿勢をとるのである。
植物一日一題
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
ドタリと音を立てて草の上にたおれると、すぐに両手を突張って起き上ろうとしたが、そのまま全身を
綟
(
よ
)
じらしてゲロゲロ、ゲロゲロと白いものを
嘔
(
は
)
き始めた。
童貞
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
遠い山に歯のような
皓
(
しろ
)
い縄のように雪が
綟
(
よ
)
れかかり、前の山は暗い茜にそまって秋のままの姿だった。
童話
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
ミミは草の葉を
綟
(
よ
)
り合わせた糸に、その花を一つ一つつなぎまして、長い長い花の鎖にしてゆきました。
ルルとミミ
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
とだけん
(著)
気のせいであったのか、それとも一種の幻惑の種類であったのか、ともかく、彼女の厚い
脣
(
くち
)
もとから鼻すじへかけて、深い微笑の皺が
綟
(
よ
)
れこんだ事は実際であった。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
綟
漢検1級
部首:⽷
13画
“綟”を含む語句
紙綟
綟子
觀世綟