“夜:よ” の例文
“夜:よ”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花99
小川未明97
芥川竜之介39
夏目漱石28
田中貢太郎25
“夜:よ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸43.5%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)17.6%
文学 > 日本文学 > 小説 物語11.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
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七草ななくさ牧野まきのが妾宅へやって来ると、おれんは早速彼の妻が、訪ねて来たいきさつを話して聞かせた。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
筆「其のは頭巾を被っていらっしゃいましたからお顔は覚えませんがお声で存じて居ります、頂いたに相違ございません」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
られぬなれば臥床ふしどらんもせんなしとて小切こぎれたる畳紙たゝうがみとりだし
雨の夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
逢魔あふまときの薄暗がりより漸次しだいに元気衰へつ、に入りて雨の降り出づるに薄ら淋しくなりまさりぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
彼等かれら婚姻こんいんには屹度きつときまつたためし饂飩うどんもらひにたのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かの時の、そのより、ただちに小親に養われて、かくすこやかに丈のびたる、われは、狂言、舞、謡など教えられつ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
海原うなばらみちとほみかも月読つくよみあかりすくなきはふけにつつ 〔巻七・一〇七五〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかも遊びに更けた正月のの十二時過ぎなど、近所の友だちにも別れると、ただ一人で、白いやしろの広い境内も抜ければ
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのおそくなってから、彼女かのじょつかれて、むなしくまちほうかえってゆきました。
星の子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すがら、燭に、頬骨を照らさせて、遅々と、筆を持っている彼の姿を想像すると、思うだけでも、肌にあわが生じてくる。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あき野分のわけしば/\して、ねむられぬながの、あささむく――インキのかほり
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もやかすみもないのに、田畑たはたは一めんにぼうとして、日中ひなかはるおぼろである。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
また実際三日目のには、囲いの行燈あんどんに向っていても、雪折れの音のする度毎に、聞き耳ばかり立てて居りました。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
その夜、竜之助はおのが室にくるまで黙然もくねんとして、腕を胸に組んで身動きもせずに坐り込んでいます。
イヤ止まらぬと、今度は老人を相手に大議論を始めて、れと悶着もんちゃくして居る間にが明けて仕舞しま
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
この年十二月二十一日の塙次郎はなわじろう三番町さんばんちょう刺客せきかくやいばに命をおとした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
からうじて大和川やまとがはの支流幾つかを渡つて、に入つて高安郡たかやすごほり恩地村おんちむらに着いた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
あの広場ひろっぱの雑樹へさがって、が明けて、やッと小止こやみになった風に、ふらふらとまだ動いていたとさ。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又の年の秋、今日ぞこのごろなどおもいづる折しも、あるふけて近き垣根のうちにさながらの声きこえ出ぬ。
あきあはせ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かつてりて、姉上と部屋にて人形並べて遊びしに、油こそ惜しけれ、しかることは日中ひなかにするものぞと叫びぬ。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山越やまごしかぜときじみちずいへなるいもをかけてしぬびつ 〔巻一・六〕 軍王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
おゝ、婿むこどの、いざ婚禮こんれいまへに、死神しにがみめが貴下こなたつま寢取ねとりをった。
そしてそのは一晩中、私はそれらのことを確める方法を考えて、まんじりともせずに転輾反則てんてんはんそくしました。
黄色な顔 (新字新仮名) / アーサー・コナン・ドイル(著)
「いいえ、兄が一緒ですから……でも大雪のなぞは、町から道が絶えますと、ここに私一人きりで、五日も六日も暮しますよ。」
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
てきなかで、けるのをらなかつたのはじつ自分じぶんながら度胸どきやうい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みづしろあかるつた……おうら行方ゆくへれ、在所ありかわか
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
九十九夜くじゅうくやまで通い詰め、思いのかなはてに、雪に凍えて死んだとは、少々ふかくなお人じゃえ。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
いくら暑いでも、今までは一晩も眠れぬことはなかったのに、その晩は妙に暑さが気になって、暁方に至るまで眠られなかった。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
その日は、何事もなかった――もとの墓地を抜けて帰った――ものにかれたようになって、はおなじ景色を夢にた。
瓜の涙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前のも哥沢節の稽古に出でて初夜しょやすぐる頃四ツ谷まる横町よこちょうかどにて別れたり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
けると、くれなゐほしながるゝやうに、町々まち/\行燈あんどんつじ萬燈まんどう
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
茫々ばう/\たる燒野原やけのはらに、ながききすだくむしは、いかに、むしくであらうか。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その小使こづかしつ障子しょうじやぶれから、つめたいかぜんできました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
もうひとどおりはなく、さびしいふけのまちに、かご足音あしおとばかりがおとをたてていました。
坂の上にいるときには、今にもが明けてしまいそうに見えていたが、下へおりてみると、真暗で黎明らしい趣きはなかった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
もとよりものやさしきたちの、これはまた一段いちだん可愛かあいがりて、ものさびしきあめなど
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
こヽろそら宵闇よひやみはる落花らくくわにはあしおとなきこそよけれ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
七月十六日の何處どこみせにも客人きやくじん入込いりこみて都々どゝ端歌はうた景氣けいきよく
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昨夜ゆうべもすがらしづかねぶりて、今朝けされよりいちはなけにさま
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お蝶はこの頃になって、ごと、或いはどうかすると真昼にも、山屋敷の見廻りの隙を狙って、江戸の町へ出て行くようです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし義士の討入りのに両刀をふるつて闘つた振り袖姿の小林平八郎は小学時代の僕等には実に英雄そのものだつた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
その上前にも云った通り、は深いし風も出ている、――わたしの商売にとりかかるのには、万事持って来いの寸法すんぽうです。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
櫻木海軍大佐さくらぎかいぐんたいさ指揮しきしたに、いで製造せいざうされつゝあるのであるが
三月二十六日の四つ半時はんどき、時田は自宅に八人のものを呼んで命を伝へ、すぐに支度したくをして中屋敷に集合させた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……だがそのはじめて、彼女かのぢよ戀人こひびとはげしい熱情ねつじやうとうじたのだつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
――お光は、ひまのあいてから、これを着て、嬉しがって戸外おもてへ出たのである。……はじめは上段の間へ出向いて、
みさごの鮨 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唇へ差した余りの紅を耳たぶや眼の間へ差して、髪を掻揚げてしまい、着物を着替えたりするとボーンと亥刻よつになります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そこでさり水を汲んではいかん、この井戸は、化物屋敷の井戸で、いわくのある井戸と知って汲むのか、知らずに汲むのか」
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
爐邊ろばたにあるふる屏風べうぶわきぢいやのなべをする塲所ばしよときまつてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
野良犬のごとく江戸のちまたになの夢をむすんだお艶を、諏訪栄三郎になりかわって、豪侠泰軒がちから強く守っていた。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
これと相對あひむかひてめぐるは、天秤はかり(こは夜の長き時その手より落つ)を持ちてガンジェを去れり 四―六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
彼我を彼に從ひてゆくこのまことの肉とともに導いてけしを過ぎ、まことの死者をはなれたり 一二一―一二三
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わたしけるまでることが出来できないから、其間そのあひだ心持こゝろもちといつたらない
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
母親を無くした小供が、ある、ふと眼を覚ました。そのへやは二階で、傍には親父おやじをはじめ二三人のものが寝ていた。
炭取り (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
長屋の両隣りょうとなりには心安い人がいたが、もうけているのでそのはそのまま寝ることにして寝た。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
少しなまあつたかいになると、もう一ぴき二ひき蚊が飛び出すやうになつて来た。蚊については面白い謎が一つある。
当障あたりさわりはないからであったに、そのは何と間違ったか、門附の天窓あたま束髪たばねがみのまま砕けて取れよう
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
まことにうも御厄介ごやくかいでございませうが今晩こんばんたゞあかけでよろしうございます
あるみせからかれは、あしくままに、停車場ていしゃばしてやってきました。
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
みちをまちがったって、もうじきけますよ、この夜中よなか、どこをおあるきなさったのですか?」
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのうちにはあけて、一がつ一日ついたち年始ねんしのあいさつにきた人々ひとびとに、諭吉ゆきちはいいました。
日が暮れるとすぐ寝てしまううちがあるかと思うとの二時ごろまで店の障子に火影ほかげを映している家がある。
武蔵野 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
り候ては又気分変り、胸の内にはか冱々さえざえ相成あひなり、なかなかねぶり居り候空は無之これなく
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
っては別に往来ゆきゝもない処で、人目にかゝる気遣いはないからというので、是から合図をして藪蔭へくゞり込み、
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うと/\と熟睡じゆくすゐすることも出來できないで輾轉ごろ/\してながやうやあかした。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其の洋服代も美奈子がばう新聞社へ売つた小説の稿料の中から支払つたので妻がの目も眠らずに働いた労力の報酬の片端である。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
お糸さんを一足先へかえし、私一人あとから漫然ぶらりと下宿へ帰ったのは、彼此かれこれ十二時近くであったろう。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
旦那だんなふは、しま銘仙めいせんあはせ白縮緬しろちりめんおび
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
けると、多勢おほぜい通學生つうがくせいをつかまへて、山田やまだその吹聽ふいちやうといつたらない。
怪談女の輪 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
たなそこさはつたのはさむあさひ光線くわうせんで、はほの/″\とけたのであつた。
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お不動様の御像おすがたの前へ、かんかん燈明を点じまして、そのは一晩、てまえが附添ったほどでござります。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
は暗く霧は重く、ちょうどはてのない沼のようでところどころに光る燈火がりんの燃えるように怪しい光を放ちて明滅していた。
まぼろし (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
定めて心変りよと爪弾つまはじきせらるるならんと口惜くちおしさ悲しさに胸は張りくる思いにて、もおちおち眠られず。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
わたしけるまでることが出来できない、あはれとおもつてしばらくつきあつて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
私の身体の不浄は、せめてもの幸いといってよろしく、若しそうでなかったならば……と考えて、私はあの一睡も致しませんでした。
秘密の相似 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「佐々木はあの家に帰るなり、はげしい吐瀉としゃを始めて三時間たたぬうちに死にましたわ。まるで夢のようねえ」
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
さき、母から十日の内には死ぬと云い聞かされた時には、彼は心ひそかにお葉というものを頼みにしていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まをすまでもなく、最大さいだいなる愛讀者あいどくしやで、みやさん、貫一くわんいちでなければけない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それでもはなは、ごとにそらいて、ほしからってくるつゆけました。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けると、あたりはおともなくしずまりかえって、くさはみんなしろくしおれていました。
二つの運命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
になると、若者わかものは、大空おおぞらつきひかりあおぎました。つきは、またかたったのです。
塩を載せた船 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けると、雑木林ぞうきばやしのこちらへえだに、からすがきてまって、いていました。
風の寒い世の中へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
私は秋のの、如何に冷かに、如何に清く、如何にあおいものかを知ったのも、生れて此のが初めてであった。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
るや珠數じゆずかれては御佛みほとけ輪廻りんゑにまよひぬべし、ありしは何時いつの七せき
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
が、そのうちはまだよかつた、……汽車きしやとともにけてき、汽車きしやとゝもにしづむのに
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
現に死刑の行われた、判事、検事、弁護士、看守かんしゅ、死刑執行人、教誨師きょうかいし等は四十八時間熟睡したそうである。
猿蟹合戦 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
本来は暗いである。人の力で明るくした所を通り越すと、雨が落ちているように思う。風が枝を鳴らす。三四郎は急いで下宿に帰った。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかあそびにけた正月しやうぐわつの十二時過じすぎなど、近所きんじよともだちにもわかれると
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
……すご吹雪ふゞき不思議ふしぎことあひました、のおはなしをするのであります。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さる十三にちぼくひとつくゑ倚掛よりかゝつてぼんやりかんがへてた。
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
その時よりして畏気おじけ附き、白昼ひるは更なり、も里方へはいで来らず、をさをさ油断ゆだんなかりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
呼べ、と言えば、おんなどもが愚図ぐず々々ぬかす。新枕にいまくら長鳴鶏ながなきどりがあけるまでは待かねる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうこうも遅くなっては、何事もなく無事に家に帰るとして、ただ二人で今までなんだから、女中はじめ変に思おう。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
乳母 はれま、結構けっこうなお教訓けうくんぢゃ、すがら此處こゝ居殘ゐのこっても、聽聞ちゃうもんがしたいわいの。
青木さんはふと一人ごとのやうにさうつぶやいて、のき先にえるれた空をぢつと上げた。
(旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「いま鳴いておりましょう、あれはうぐいすです。欧羅巴でも、チロルあたりまで行きませんと、このごろは、なかなかきかれません」
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もっとも三日なんて置こうものなら、はじめの日は朝寝をして、次のは内をあけて、三晩目には持遁もちにげをしようというもんだ。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
肌身は、茶碗の水と一緒に、その、卯の花のように、こなごなに散った、と言うのを、やがて聞くことになりました。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
夜気やき沈々たる書斎のうち薬烟やくえんみなぎり渡りてけしのさらにも深け渡りしが如き心地
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
お登和嬢に心の名残なごりを惜しみつつりて中川の家を出でたるが下宿屋へは足の進まずしてとかく心は後方うしろへ戻る
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)