“好:よ” の例文
“好:よ”を含む作品の著者(上位)作品数
芥川竜之介45
泉鏡花38
三遊亭円朝20
森鴎外18
高村光雲15
“好:よ”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 伝説・民話[昔話]60.0%
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸58.1%
芸術・美術 > 彫刻 > 彫刻史 各国の彫刻20.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「だって御金が山のようにあったって、欽吾さんには何にもならないでしょう。それよりか藤尾さんに上げる方がござんすよ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あまり現金に見えては、却つてくない結果を引きおこしさうな気がしたので、苦しいのを我慢してすはつてゐた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
平八郎は夢をさまされたやうに床几しやうぎつて、「い、そんなら手配てくばりをせう」と云つた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
粥河圖書は年齢としごろ二十六七で、色の白い人品じんぴんひとで、尤も大禄を取った方は自然品格が違います。
「はつはつはつ、みづなかで一生懸命しよけんめいじうげたところかつたね‥‥」
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
お光は依然として勤勉な春風楼の裁縫師であり、き母であり、穏やかな平和さを絶えず身辺に漲らしている小母さんであった。
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
後に「倭」の字を改めて、これを同音の「和」の字に代えたのは奈良朝の末で、けだしき意味の文字を取り換えたに他ならぬ。
国号の由来 (新字新仮名) / 喜田貞吉(著)
いつかウワアズワアスの話が出たら、「詩と云うものは全然わからぬ。ウワアズワアスなどもどこがいのだろう」と云った。
保吉の手帳から (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
藤「だって誠に品格ひんい、色白な眉毛の濃い、目のさえ/″\した笑うと愛敬の有る好い男の身丈せいのスラリとした」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
清淨しやうじやうみづでもければ、不潔ふけつみづでもい、でもちやでもいのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
はゝの客に行つてゐた所は、その遠縁とほえんにあたる高木たかぎといふ勢力家であつたので、大変都合がかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
堂堂たる日本の批評家たちもちつとは僕等に同情して横暴なる歌人や俳人の上に敢然と大鉄槌だいてつつゐくだすがい。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「それは、うございましたけれど、風邪をひくと不可いけません。あんまり晩くならないうちに、今度からお帰りなさいよ。」
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いっそ村役人に吩咐いいつけてこの村に置かないことにしてやろうと言ったが、趙太爺は、そりゃくないことだと思った。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
はなはだ「是非の心無き」に近く、きに改めるに如かざるに遠しというわけで、この意見が結局彼の頭の中に生長して来た。
端午節 (新字新仮名) / 魯迅(著)
くば弱つて喘いでゐる大きな魚をつかまへることが出来たりするので、童らは何時いつまでも陸に上らうとはしない。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
さっぱりとした銀杏返いちょうがえしにって、こんな場合に人のする厚化粧なんぞはせず、殆ど素顔と云ってもい。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
「もうい。かくこの帽子はお前に返してやるが、今後は、他人の邸宅へ無断で侵入しては相ならぬぞ、よしか」
都の眼 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
それでいさ、それでいさ。実際保証書などはそれでいが、どうか学問だけはよく吟味して教へて欲しいものだ。
少しこの方に意を用ゐられ候はば、人は何のために世にあり、何事をなしてきかといふことを考ふるやうにならるるならん。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
その翌年の秋、わたしは鳥越とりこえの中村座で、彼が「伊賀越」の助平と幸兵衛を観たが、遠眼鏡の助平は図ぬけてかった。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おつや (追い出すように。)箱根には宿屋が幾軒もありますから、夜のけないうちに早くおいでなさるがうござんすよ。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
杉山君すぎやまくん男振をとこぶりほどいからなにてもくお似合にあひなさるツて
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
さうした言葉ことばれるのとひと氣持きもちにまかせるのと、どちらがいとおもひますか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
朴訥ぼくとつな人のささうな老爺おやぢが、大きな鍵を持つてわたしの前に立つた。わたしは線香と花とを買つた。
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
れるといふはことわることで、おたがわがまゝの生地きぢまゐります
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
昔の永代えいたい橋の右岸のたもとから、左の方の河岸かしはどんな工合になって居たか、どうもく判らなかった。
秘密 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
なお巴毗弇はびあんに関して、詳細を知りたい人は、新村博士しんむらはかせの巴毗弇に関する論文を一読するがい。
るしへる (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
ただそのどよみは前のような、勢いのい声援の叫びではなく、思わず彼等の口をれた驚歎のうめきにほかならなかった。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
別に活計くらしに困る訳じゃなし、おごりも致さず、偏屈でもなく、ものはよく分る、男もし、誰が目にも良い人。
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
いざと云ふ場で貴方の腕が鈍つても、決して為損しそんじの無いやうに、私刃物きれものをお貸し申しませう。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
小言が一通り済んだと思った時、私は静かに席を立とうとした。父はいつ行くかと私に尋ねた。私には早いだけがかった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
作「今此処こゝのろけんでもい兎に角夫婦仲がければ、それ程結構な事はない、時に權六段々善い事が重なるなア」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「御機嫌よろしゅう」、「さようなら」なんぞという詞が、愛相あいそうい女学生達の口から、さえずるように出た。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
……見ると大髻おおたぶさの若衆頭、着物は木綿物では有りまするが、生れ付いての器量しで、芝居でする久松の出たようです。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この歌は、平凡な歌だけれども、新年の楽宴の心境がく出ていて、結句で、「嬉しくもあるか」と止めたのも率直で効果的である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
また現在ああいうものが復興するにせよ、時代にはかなわぬだろうから、あの成行きはあれはあれでかったというものである。
三筋町界隈 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
それは黒檀こくたんで彫るので、珊瑚の赤色にはくうつるので、外国人向きとしてなかなか評判よろしくく売れるという。
それも一つの方法には相違ないが、もつといのは、ビスマルク流に落選でもしたら、犬養始め皆の首根つこを縊めると脅かす事だ。
さうしてこれらのうたは、みなうたつて氣持きもちのいように、調子ちようし調とゝのつてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
村の人たちには、どうしてあんなに仲のかった伊作と多助が、こんな喧嘩をするようになったのか誰も知りませんでした。
三人の百姓 (新字新仮名) / 秋田雨雀(著)
「あなたは、どこがくて、マレーフスキイさんなんかを家へ入れるのです?」と、ある時わたしは彼女にいてみた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
(泣きながら)あなたはそれでもいと云うのですか? やみから闇へ子供をやっても、かまわないと云うのですか?
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「こう云う狭隘きょうあいな所だから、敬礼も何もせなくともい。お前達は何聯隊の白襷隊しろだすきたいじゃ?」
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
長屋の評判もし、ちょいとうちへ来ても水を汲みましょうか、買い物はありませんかといって気を附けてお呉れで、御品格と云い
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
打ち明けてみようかと考えたり、した方がかろうかと思い直したりする動揺が、妙に私の様子をそわそわさせた。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
長蔵さんと赤毛布あかげっとがいたから、いようなものの、蝙蝠とたった二人限ふたりぎりだったら——正直なところ降参する。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たゞ「坊主く来た」と云つて、微笑ほゝゑみつゝ頭をでゝくれたことだけを、かすかに記憶してゐる。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「人の女房に流し目で見られたときは、くびに墨を打たれたと思うがい。後家は」何やらというような事であった。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
時にとってのき道しるべと、兵馬は余の方面はさておき、自分の目的地方面をたどると、はしなくもそこに一つの迷いが起りました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
我曰ふ。あゝわがマルコよ、汝の説くところし、我は今レーヴィの子等がかの産業に與かるあたはざりしゆゑをしる 一三〇—一三二
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
天気のい日は、老博士も、死人のような生残者たちも、僕から釣道具を借りて、釣りに興ずるのだった。嵐のあとの晴れた朝だった。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
留吉は、小学校時代の友達で、村長の次男がいま都に住んでい位置を得てくらしていることを思出おもいだしました。
都の眼 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
わたくしは夕焼の雲を見たり、明月を賞したり、あるいはまた黙想に沈みながら漫歩するには、これほどい道は他にない事を知った。
深川の散歩 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
——ティウトンのヨハンネスとこたへる其声そのこゑきとほるやうで、いてゐて、心持こゝろもちくなる。
ドウもにおいだ、何ともいえん美味うまそうな匂だ。僕は今まで折々豚を食べたけれどもあんまり美味いと思った事がない。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
何日いつでもちよいとわつしをおびなさりやアあな見附みつけて一幕位まくぐらゐせてげらア
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「さうですか。わかりました。ござんす、それでは十日には屹度越すことにしますから」とあやまるやうに云つた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
そういう土地の人間は、顔だちがくって、しなやかで、ものに感じやすく、言葉はみやびやかで、動作はしとやかです。
此の通りゴタ/\して居りますのに、悪戯わるふざけをなすっては困ります、い花魁はわたくしどもの自由にはなりませんので
実は今夜連れられて行った先で、矢田が気前祝儀しゅうぎを奮発するかどうかを確めて置こうと思っただけである。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
町内てうないかほいのは花屋はなやのお六さんに、水菓子みずぐわしやのいさん、れよりも
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大「あゝうか、あゝーい心持だ、何処どこで酒を飲むより宅へ帰って気儘に座を崩して、菊の酌で一盃飲むのが一番旨いのう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かれしかれ、実際に行なって見て、初めてその意味を悟ったのは、ひとり長州地方の人たちのみではなかった。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「そんなのなら、ええ、もう、うござんす、品物は持って帰りましょう。難癖をつけられる覚えはないんですもの。」
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
允成ただしげがしばしば戯場ぎじょう出入しゅつにゅうしたそうであるから、殆ど遺伝といってもかろう。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
仮に夫唱婦和が昔の道徳の保存としてい事であるとしても、今の多数の男子は夫として妻に対し何を唱えるでしょう。
離婚について (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
だから鑑賞かんしやうの上から云へば、菊池の小説を好むと好まざるとは、何人なにびとも勝手に声明するがい。
雑筆 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「まア、暫く、かうやつて、落附かせて置いて下さい。……イヤ、世話するものなぞはなくつてもう御座んすから。」
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
お玉は暫く考えて、「まあ、好い工合のようですから、お父っさん、お案じなさらなくってもござんすわ」と云った。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
お月様は、幹子ののうちに輝いた。それは恰度ちょうど、「のみっちゃんおやすみ」と言っているように見えました。
(新字新仮名) / 竹久夢二(著)
岩野泡鳴氏は、議論をすると随分厚かましい事を言ひ出し兼ねないが、交際つきあつてみれば罪のないい男である。
難界が谷というは窟の中の淵ともいうべきものなるが、暗くしてその深さを知るに由なく、さし覗くだにき心地せず。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おゝ/\……お美那みな可愛想かあいさうぢやアないか……見なよ……人品ひとがら可愛かあいらしい子供こぞうだが
額襟許清らに見え、色いと白く肉置ししおく、髪房やかに結いたるが、妖艶あでやかなることはいわむ方無し。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おとまはんかア、……あの鬼みたいな青六が村長になつて、何がかろぞい。」と、文吉は鍬の手を止めて、間拔けた聲で答へた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
だが、お前は、そうしてお人しにビクビクしていたばっかりに、今日きょうが日まで、このみじめな有様を続けているのではないか。
木馬は廻る (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「何が嘘じゃ? この村のものにも聞いて見るがい。己は去年の大患おおわずらいから腰ぬけになってしもうたのじゃ。じゃが、——」
伝吉の敵打ち (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
分散せずにいた方がいか、倅を殺さずに置いた方が好いか、——(突然苦しそうに)どうかわたしを御救い下さい。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「まあ、い景色ですことね! 富士が好く晴れて。おや、大相木犀もくせいにほひますね、お邸内やしきうちに在りますの?」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さらば虎に勝った勇士の内には真の勇士でなくて機会く怯弱な虎に出逢って迎えざるの誉れを得たのもあるだろう。
それだけならばまだかったが、徳は兄には似ないで、かえって父栄玄の褊狭へんきょうな気質を受け継いでいた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
矢野(弦光)の、通俗、首ったけなれかたを、台町の先生に直ぐ取次いだところ、「かろう。」と笑いながらの声がかかった。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
久米も今は僕の予言に大いに敬意を表してゐる。さう云ふことならば白状してもい。——実は僕も僕の予言を余り信用しなかつたのだよ。
七十を越したよはひであるから、もはや定命ぢやうみやうてもいとおもふが、それでもやはり寂しい心が連日いた。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
何よりもいことに、街子は父親の仕事を好きなばかりでなく、父親の技倆ぎりょうを尊敬さえしていたことです。
最初の悲哀 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
旅行好たびずきの書肆ほんやの頭には、原稿よりい物は、鉄道の無賃乗車券よりほかには、何も無かつた。
梅幸も福助もさすがに女になりきつてゐる。値安ねやすで成るべくい物を手に入れたいと思つてゐる点において。
ところが、一寸見がいいために、何も知らない百姓はその人のさから、あーあ有難いものが出来たと大喜びなんだ。
不在地主 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
馬を撫恤なでる処にて、平手にて舌をこきてやり、次にあしを抜いて馬の毛をこくなどいふ通をやりしはし。
謙作は背後姿うしろすがたかったが、い女だなと思ってちょっとその容貌きりょうに引きつけられた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あそこまで参れば、わたくしの耳は紀介様のお声をきくことが出来まするし、ご機嫌かった日のお笑いごえを耳に入れることもできます。
玉章 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
の世い行ったらもう焼餅喧嘩げんかせんと仲脇仏わきぼとけのように本尊の両側にひッついてまひょと
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「跡はただ何事も、天主てんしゅ御意ぎょい次第と思うたがい。——では釜のたぎっているのを幸い、茶でも一つ立てて貰おうか?」
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あゝい景色だとか、綺麗な色だとか、五色ごしきばかりではなくの葉の黄ばんだのも面白く、又しみだらけになったのも面白い
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「皆な面をもって喜んでいるね。万豊の栗拾いたちが、くもあんなにそろって面を持出したとおもったが——飛んだ役に立てたものだな。」
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
なんといふ清水しみづながとひとほつて、どん/\ながれてましたらう。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
着物きものてゐる姿すがたかツたが、はだかになると一だんひかりした。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そうですか。わかりました。ござんす、それでは十日には屹度越すことにしますから」と謝まるように云った。
子をつれて (新字新仮名) / 葛西善蔵(著)
それにこの高原の空気と自給自足の労働とが、よほど健康にもかったらしく、たださえ頑丈な身体が益々ますます丈夫そうになっていた。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)