)” の例文
「左は僕の知つてる人にく似てる。」などゝ言つて笑ふものも有つた。禮服、勞働の姿でれて居た。K君は二枚分けて貰つた。
伊豆の旅 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ほかにも烏檡おと(『漢書』)、𪂬䖘(揚雄『方言』)など作りあれば、烏菟おとは疑いなく虎の事でその音たまたま猫の梵名にく似たのだ。
たまや、さう/\、おまへも一しよればかつたね!空中くうちゆうにはねずみないだらうけど、蝙蝠かうもりならつかまへられる、それはねずみてゐるのよ。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
其処に飾付かざりつけて在ッた木像にんぎょうの顔が文三の欠伸あくびをした面相かおつきているとか昇の云ッたのが可笑しいといって、お勢が嬌面かおに袖をてて、勾欄てすりにおッかぶさッて笑い出したので
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
然樣さういふのは散る氣の習が付いて居る人に甚だく肖て居るけれども、實は氣の散る習が付いて居るといふよりも、他の事に氣が凝つて居るのであると云つた方が適切なのである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
甘味即美味とする幼稚の味覚と、富即幸福とする多数人の考とは、事情がはなは相肖あいにている。甘味少ければ美味ならずとするのと、貧即ち不幸福とするのとは、甚だ酷く相肖ている。
貧富幸不幸 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「三吉、お前がそんなことをしてるところは、正太にく似てるぞや」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)