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聘
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よ
ふりがな文庫
“
聘
(
よ
)” の例文
昵懇
(
なじみ
)
になると面倒だからといつて同じ女を滅多に二度と
聘
(
よ
)
ばないのを自慢にしてゐる位だから京都に飽いたといふのに無理も無いが
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
聘
(
よ
)
ばれる座敷は気が向いた客のみにしか行かず、弟子取りも断って、わたし一人だけ幼年の無邪気なのを取得に家に置くことを許した。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
其方の
後
(
うし
)
ろ
楯
(
だて
)
に助勢致させようかと、折入って仙石殿からのご好意、
聘
(
よ
)
び寄せたものであろうかどうじゃ
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうも法王がお
聘
(
よ
)
びになったり、あるいは貴族、大臣等が迎えるという程の非常に立派な医者を、今居るようなつまらない僧舎に置くことも出来まいというのが
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
は
醫者
(
いしや
)
の
手
(
て
)
でさへそれをどうすることも
出來
(
でき
)
なかつた。
加之
(
それのみでなく
)
彼
(
かれ
)
は
醫者
(
いしや
)
を
聘
(
よ
)
ぶことが
億劫
(
おつくふ
)
で、
大事
(
だいじ
)
な
生命
(
いのち
)
といふことを
考
(
かんが
)
へることさへ
心
(
こゝろ
)
に
暇
(
いとま
)
を
持
(
も
)
たなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
良い眼科医がその町にいるはずもなく、また遠方からわざわざ医者を
聘
(
よ
)
ぶようなこともされなかった。そしてどことかの弘法様の水などを時々
瞼
(
まぶた
)
に塗っておられた。
御殿の生活
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
それに貴方
明日
(
あした
)
ね向山へ
往
(
い
)
くので、私は留守居でげすが、向山へ往って
芸妓
(
げいしゃ
)
を
聘
(
よ
)
ぶので、あなた方なんなら御一緒に入らしって月見を成すっては
如何
(
いかゞ
)
です、向山の
玉兎庵
(
ぎょくとあん
)
てえので
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
反
(
かへ
)
つて
苦
(
く
)
に
病
(
や
)
み
年頃
(
としごろ
)
に成し身にしてあの如く
外
(
そと
)
へも出ねば
癆症
(
らうしやう
)
も
發
(
おこ
)
りやすらん
一個
(
ひとり
)
の
外
(
ほか
)
掛替のなき者なるを
病
(
やまひ
)
起
(
おこ
)
らば
如何
(
いかに
)
せんと
長年
(
ながねん
)
勤
(
つとむ
)
る
管伴
(
ばんたう
)
の忠兵衞を
聘
(
よ
)
び事の由を話して
折
(
をり
)
も有しならば息子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
遊女
(
おんな
)
は幾人でも
聘
(
よ
)
んでくれる。それで馬鹿騒ぎをするでもない。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「バカをいうな、——それよりも妓を
聘
(
よ
)
ぼう」。
風蕭々
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
逸作がまた、おまえのうちのお茶ひき連を
聘
(
よ
)
んでやろうかというと、雛妓は今夜は暑くって踊るの嫌だからたくさんと言った。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
その頃の
暦
(
れき
)
学者として聞えた伊能忠敬の娘が病気した時、
聘
(
よ
)
ばれて毎日のやうに病室に入つて往つた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
只
(
たゞ
)
お
品
(
しな
)
が
心配
(
しんぱい
)
になるので、
近所
(
きんじよ
)
の
者
(
もの
)
を
頼
(
たの
)
んで
取
(
と
)
り
敢
(
あへ
)
ず
醫者
(
いしや
)
へ
走
(
はし
)
らせた。さうして
自分
(
じぶん
)
は
枕元
(
まくらもと
)
へくつゝいて
居
(
ゐ
)
た。
彼等
(
かれら
)
は
容易
(
ようい
)
なことで
醫者
(
いしや
)
を
聘
(
よ
)
ぶのではなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
水街道の麹屋へ話してお隅を金で
身受
(
みうけ
)
して
家
(
うち
)
へ連れて来てまず様子を見るとしとやかで、器量といい、誠に母へもよく
事
(
つか
)
えます故、母の気にも
適
(
い
)
って村方のものを
聘
(
よ
)
んで
取極
(
とりきめ
)
をして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「じゃあ、父上が
聘
(
よ
)
んで、一日、酒宴を設けてくれませんか」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大いに酒を飲みまた女を
聘
(
よ
)
んでその夜は騒いで居りました。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
忙がしい中からこの鷺市のような郊外市の演芸場へ度々
聘
(
よ
)
ばれて来るのに就ては、脇百瀬の新五郎氏の邸内に古い茶室の四窓庵というのがあって
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
山三郎は離れた所が
宜
(
い
)
いと云うので奥の離れ座敷の二階へ連れて参りましたが、お蘭は心配のせいかきや/\
癪
(
しゃく
)
が起って来る様子、薬を取寄せなまじい医者を
聘
(
よ
)
んで顔を見られてはならんと
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ある時三味線を
弾
(
ひ
)
く
妓
(
をんな
)
を
聘
(
よ
)
んでみた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「奥さんにお願いしますわ。今度また、ぜひ
聘
(
よ
)
んでね。そして、そのときは
屹度
(
きっと
)
うちの
姐
(
ねえ
)
さんもぜひ聘んでね」
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼は言う——すでに買われた幇間である、
聘
(
よ
)
ばれている間は客の
弄
(
もてあそ
)
びもの許りではなく客が唯一の主である以上、客の生命さえ護る心得がなくてはならない。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「あんな綺麗な男の子、見たことはありませんよ。
聘
(
よ
)
んでお酒でも飲ましてやりたいようだねえ」
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「どうだ一つ、さっきのお雛妓の、あの若いかの子さんでも
聘
(
よ
)
んで元気づけに君に見せてやるか」
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
聘
漢検1級
部首:⽿
13画
“聘”を含む語句
招聘
聘物
聘礼
文聘
傭聘
雇聘
召聘
朝聘
田猟馳聘
聘問
聘托
厚聘
聘珍
聘珍楼
使聘
聘禮
聘金
通聘
韓使来聘記
馳聘