)” の例文
「二番目の兄が、この宿場の在方ざいかたで、手習師匠をしておりまする。それへ身を寄せて、中風を養生しておりますが、もうる年のこととて」
大谷刑部 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池を飛び越えて向うへ立ってスリの立ち廻りを見物していたそうで、私は、いつもながら、年はっても父の機敏なのに驚いたことであった。
見ると一人の赤い帽子をかぶった年りの頑丈そうな百姓が革むちをもって怒って立っていました。
ポラーノの広場 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
平田というあの年のった教員、あれがもう老朽でしかたがないから、転校か免職かさせようと言っていたところに、ちょうど加藤さんからそういう話があるッて岸野君が言うもんだから
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
それでも頂上に着いてしまうとそのとしりがガラスのびんを出してちいさなちいさなコップについでそれをそのぷんぷん怒っている若い人に持って行って笑って拝むまねをして出したんだよ。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)