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余
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よ
ふりがな文庫
“
余
(
よ
)” の例文
旧字:
餘
何人
(
なんぴと
)
が進んでその
嘱
(
しょく
)
に応ずるかは
余
(
よ
)
の知る限りでない。余はただ文壇のために一言して諸君子の
一考
(
いっこう
)
を
煩
(
わずら
)
わしたいと思うだけである。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
太古
(
たいこ
)
遺跡
(
ゐせき
)
の
發掘
(
はつくつ
)
に、
初
(
はじ
)
めて
余
(
よ
)
が
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
したのは、
武藏
(
むさし
)
の
權現臺
(
ごんげんだい
)
である。それは
余
(
よ
)
の
品川
(
しながは
)
の
宅
(
たく
)
から
極
(
きは
)
めて
近
(
ちか
)
い、
荏原郡
(
えばらぐん
)
大井
(
おほゐ
)
の
小字
(
こあざ
)
の
事
(
こと
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
○
蓑
(
みの
)
をやち○笠をてつか○人の死をまがつた又はへねた○
男根
(
なんこん
)
をさつたち○
女陰
(
ぢよいん
)
を
熊
(
くま
)
の
穴
(
あな
)
。此
余
(
よ
)
あまたあり、さのみはとてしるさず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
不知庵主人
(
フチアンシユジン
)
の
譯
(
やく
)
に
成
(
な
)
りし
罪
(
つみ
)
と
罰
(
ばつ
)
に
對
(
たい
)
する
批評
(
ひゝやう
)
仲々
(
なか/\
)
に
盛
(
さかん
)
なりとは
聞
(
きゝ
)
けるが、
病氣
(
びやうき
)
其他
(
そのた
)
の
事
(
こと
)
ありて
余
(
よ
)
が
今日
(
こんにち
)
までに
見
(
み
)
たるは
僅
(
わづか
)
に
四五種
(
しごしゆ
)
のみ
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
此書
(
このしよ
)
全部
(
ぜんぶ
)
六巻、
牧之老人
(
ぼくしらうじん
)
が
眠
(
ねふり
)
を
駆
(
かる
)
の
漫筆
(
まんひつ
)
、
梓
(
あづさ
)
を
俟
(
また
)
ざるの
稿本
(
かうほん
)
なり。
故
(
ゆゑ
)
に
走墨乱写
(
そうぼくらんしや
)
し、
図
(
づ
)
も
亦
(
また
)
艸画
(
さうぐわ
)
なり。
老人
(
らうじん
)
余
(
よ
)
に
示
(
しめ
)
して
校訂
(
かうてい
)
を
乞
(
こ
)
ふ。
北越雪譜:05 北越雪譜二編凡例
(新字旧仮名)
/
山東京山
(著)
▼ もっと見る
原文は
余
(
よ
)
ほど長いものであるから、今その
要
(
よう
)
を
摘
(
つま
)
んで
左
(
さ
)
に紹介する。で、その中に
私
(
わたし
)
とあるのは、即ち
其
(
そ
)
の目撃者たる画工自身の事だ。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
余
(
よ
)
は
曾
(
かつ
)
て
如此
(
かくのごと
)
き事を
試
(
こゝろ
)
みし事なし、
否
(
い
)
な
試
(
こゝろ
)
みて
其
(
その
)
甚
(
はなは
)
だ
馬鹿気
(
ばかげ
)
切
(
きつ
)
たる事を
認
(
みと
)
めたれば
全然
(
ぜん/\
)
之を
放棄
(
はうき
)
せり、
道
(
みち
)
を
行
(
おこな
)
ふ
事
(
こと
)
是
(
こ
)
れ
道
(
みち
)
を
説
(
と
)
く事なり
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
「ええ、ええ、もうこれから百
里
(
り
)
の
余
(
よ
)
もあって、
行
(
い
)
くだけに
十日
(
とおか
)
あまりかかって、
帰
(
かえ
)
りにもやはりそれだけかかるのですからね。」
松山鏡
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
押
(
おし
)
入の
暗闇
(
くらがり
)
で赤色
燈
(
とう
)
に
現像皿
(
げんぞうさら
)
をかざしてみながら、いかに
私
(
わたし
)
は
歡喜
(
くわんき
)
の笑みを
浮
(
う
)
かべたことであらうか?それからけふまでもう二十
余
(
よ
)
年
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
余
(
よ
)
は何者か、
余
(
われ
)
に近く
歩
(
あゆ
)
み寄る
跫音
(
あしおと
)
、続いて何事か囁く声を聞き侯ふが、
少時
(
しばらく
)
にして再び歩み
出
(
いだ
)
せば、……あゝ
何処
(
いづこ
)
にて捕へられしや。
夜あるき
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
余
(
よ
)
は既に頭巾と
覆面
(
ふくめん
)
との事に付きて言ひしが如く遮光器の
存在
(
そんざい
)
に關しても
當時
(
たうじ
)
の
氣候
(
きかう
)
寒冷
(
かんれい
)
なりしならんとの事を
想像
(
さうざう
)
するなり。(續出)
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
彼が、これを最後として作りにかかっているのは、
窯焚
(
かまた
)
きの
百助
(
ももすけ
)
が、自分を
罵
(
ののし
)
った言葉に着想を得た、
増長天王
(
ぞうちょうてんのう
)
二尺
余
(
よ
)
の像である。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ひどいことをやりやがったな。かねて、こういう危険があるかもしれないと思い、
余
(
よ
)
は、注意を願うよう、上申しておいたのに」
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
カスチリヤの
使
(
し
)
と、支那の使とを引見したるは、
即
(
すなわ
)
ち
此
(
この
)
歳
(
とし
)
にして、
其
(
そ
)
の翌年
直
(
ただち
)
に馬首を東にし、争乱の
余
(
よ
)
の支那に乱入せんとしたる也。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それらの人々が宿を引揚げて行ってからも、浜屋の主人だけは、お島の世話で部屋借をしていた家から、一月の
余
(
よ
)
も病院へ通っていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
殿
(
との
)
よツく
聞
(
きこ
)
し
召
(
め
)
し、
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
はせ
給
(
たま
)
ひ、
余
(
よ
)
を
誰
(
たれ
)
ぢやと
心得
(
こゝろえ
)
る。コリヤ
道人
(
だうじん
)
、
爾
(
なんぢ
)
が
天眼鏡
(
てんがんきやう
)
は
違
(
たが
)
はずとも、
草木
(
くさき
)
を
靡
(
なび
)
かす
我
(
われ
)
なるぞよ。
妙齢
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
昨
(
さく
)
三十七
年
(
ねん
)
十二
月
(
ぐわつ
)
某夜
(
ばうや
)
の
事
(
こと
)
なりき、
例
(
れい
)
の
如
(
ごと
)
く
灌水
(
くわんすゐ
)
を
了
(
を
)
へて
蓐
(
じよく
)
に
入
(
い
)
り
眠
(
ねむり
)
に
就
(
つ
)
きし
間
(
ま
)
もなく、
何者
(
なにもの
)
か
來
(
きた
)
りて
余
(
よ
)
に
七福
(
しちふく
)
を
與
(
あた
)
ふと
告
(
つ
)
げたりと
夢
(
ゆめ
)
む。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
余
(
よ
)
のこの地に進入せしは勇敢なる冒険家諸士に
倣
(
なろ
)
うて、探検の功を全うし、広く世界の文明に資せんとの大志願ありしに非ず。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
学校の机の
蓋
(
ふた
)
の裏側に、
余
(
よ
)
は偉大なる落伍者となっていつの日か歴史の中によみがえるであろうと、キザなことを
彫
(
ほ
)
ってきた。
いずこへ
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
と一喝しておいて、「死生は命のみ、
余
(
よ
)
豈
(
あ
)
に之を避けんや。唯先づ余をして満腔の熱血を吐露せしめよ。然る後もし理由あらば貴意に従はん」
風雲児、坂本竜馬
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
余にはこの翁ただ何者をか秘めいて
誰
(
たれ
)
一人開くこと
叶
(
かな
)
わぬ箱のごとき思いす。こは
余
(
よ
)
がいつもの怪しき
意
(
こころ
)
の
作用
(
はたらき
)
なるべきか。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
で、チチコフはそのあっさりした玉子入りのピローグに手をつけて、いきなり半分の
余
(
よ
)
も食ってから、それを褒めそやした。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
と
見
(
み
)
ると、
室内
(
しつない
)
には
白衣
(
びゃくい
)
を
着
(
き
)
た五十
余
(
よ
)
歳
(
さい
)
と
思
(
おも
)
わるる
一人
(
ひとり
)
の
修験者
(
しゅけんじゃ
)
らしい
人物
(
じんぶつ
)
が
居
(
い
)
て、
鄭重
(
ていちょう
)
に
腰
(
こし
)
をかがめて
私達
(
わたくしたち
)
を
迎
(
むか
)
えました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
村田清風の詩は、
嘉永
(
かえい
)
四年
余
(
よ
)
が叔父徳富
一義
(
かずよし
)
、小楠翁に
陪
(
ばい
)
して天下を周遊するに際し、親しく村田翁に授りたるもの、今や蔵して余の家に
在
(
あ
)
り。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
と。
此
(
こ
)
れ
(一五)
何
(
なに
)
を
以
(
もつ
)
て
稱
(
しよう
)
せられたる。
(一六)
太史公
(
たいしこう
)
曰
(
いは
)
く、
余
(
よ
)
、
箕山
(
きざん
)
に
登
(
のぼ
)
りしに、
其上
(
そのうへ
)
に
蓋
(
けだ
)
し
許由
(
きよいう
)
の
冢
(
つか
)
有
(
あ
)
りと
云
(
い
)
ふ。
国訳史記列伝:01 伯夷列伝第一
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
翁に向ってその名を問うと
頭
(
くび
)
を振って決して答えない。又親や、兄弟があるかと問うても、ただ「無い。」といって
余
(
よ
)
のことは語らなかった。……
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
余
(
よ
)
っぽど現実世界でいじめられてる人じゃないかしら。普通ならお墓へ来れば気が引締まるのに。お墓へ来て気がゆるんでおならをする人なんて。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
再びヨボヨボと歩き出すと、ひとしきりの風が
驀地
(
まっしぐら
)
に道の砂を捲いて老翁を包んだ時
余
(
よ
)
は深き深き空想を呼起こした。
凩
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
来る十五日夜閣下の邸宅に開かるる貴国実業家代表歓迎大夜会には、
余
(
よ
)
も招かれざる客として、必ず出席致すべく
候
(
そうろう
)
。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
凡
(
およ
)
そ二百
頁
(
ページ
)
余
(
よ
)
のものであったと思う。それを写すに
就
(
つい
)
ては誰にも言われぬのは
勿論
(
もちろん
)
、写す処を人に見られては大変だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この篇の稿
成
(
な
)
るや、先生一本を写し、これを
懐
(
ふところ
)
にして翁を
本所
(
ほんじょ
)
の宅に
訪
(
おとな
)
いしに、翁は老病の
余
(
よ
)
、視力も
衰
(
おとろ
)
え物を
視
(
み
)
るにすこぶる困難の様子なりしかば
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
『
料理番
(
れうりばん
)
に
申
(
まを
)
しつけて、
玄竹
(
げんちく
)
に
馳走
(
ちそう
)
をして
取
(
と
)
らせい。
余
(
よ
)
もともに一
獻
(
こん
)
酌
(
く
)
まう。』と、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は、
紀
(
こつな
)
を
立
(
た
)
ち
去
(
さ
)
らせた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
会長は
茶谷金弥
(
ちゃたにこんや
)
、四十年輩の脂切った身体と、皮肉な微笑と、聡明らしい眼を持った男で、社会的地位はわかりませんが、
余
(
よ
)
っ
程
(
ぽど
)
金を持って居るらしく
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小「これは
怪
(
け
)
しからん、これ政七、
余
(
よ
)
の品とは違い、当家伝来の
御宝剣
(
ごほうけん
)
を失って只相済みませんでは置かれんぞ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こりゃ六兵衛、
汝
(
なんじ
)
が
盗人
(
ぬすっと
)
でない
証拠
(
しょうこ
)
を見せるために、
余
(
よ
)
の手のひらに書いた文字を当ててみよ。うまく
判
(
はん
)
じ当てたならば、のぞみ通りの
褒美
(
ほうび
)
をとらせよう。
とんまの六兵衛
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
▼同席者 呉一郎(十八歳)被害者千世子の実子、伯母八代子(三十七歳)福岡県
早良
(
さわら
)
郡
姪
(
めい
)
の
浜町
(
はままち
)
一五八六番地居住、農業——
余
(
よ
)
(W氏)——以上三人——
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「旗本のめんめんはわれと共にしんがりせよ、
余
(
よ
)
の隊は浜松までひけ、しんがりは旗本にてひきうけたぞ」
死処
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「他あやんもっとほかの話してんか。ペンケトの話ばっかしや。
〆
(
しめ
)
さんの話の方が
余
(
よ
)
っ
程
(
ぽど
)
おもろいぜ。」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
同益社
(
どうえきしや
)
へは
卅円
(
さんぢうゑん
)
の
月賦
(
げつぷ
)
かにした二
百円
(
ひやくゑん
)
余
(
よ
)
の
借用証文
(
しやくようしやうもん
)
を入れて、それで
中坂
(
なかさか
)
の店を閉ぢて
退転
(
たいてん
)
したのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『それより
急
(
いそ
)
ぎ
新客
(
しんきやく
)
の
部室
(
へや
)
の
仕度
(
したく
)
をせよ、
部室
(
へや
)
は
二階
(
にかい
)
の
第二號室
(
だいにがうしつ
)
——
余
(
よ
)
の
讀書室
(
どくしよしつ
)
を
片付
(
かたづ
)
けて——。』と。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「
畏
(
かしこ
)
くも天の下しろしめす皇帝、ピョートル一世陛下の
御名代
(
ごみょうだい
)
として、
余
(
よ
)
は
本癲狂院
(
ほんてんきょういん
)
の
査閲
(
さえつ
)
を宣す!」
紅い花
(新字新仮名)
/
フセヴォロド・ミハイロヴィチ・ガールシン
(著)
旦那は英語よりシュウィーツェル・ドイッチの方が
余
(
よ
)
っぽどうまいやなんて、感心されてた位である。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
そしてしまいには何がなんだか夢中になって、宅に出入りするお医者さんの
膝
(
ひざ
)
を
枕
(
まくら
)
に、泣き寝入りに寝入って、
夜中
(
よなか
)
をあなた二時間の
余
(
よ
)
も寝続けてしまいましたわ。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
で、今我部屋へ来て床の
敷
(
と
)
ってあるのを見ると、もう気も
坐
(
そぞ
)
ろになって、
余
(
よ
)
の事なぞは考えられん。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
正して
居竝
(
ゐならび
)
たり越前守は
見知人
(
みしりにん
)
の甚左衞門善助を御
近習
(
きんじふ
)
に
仕立
(
したて
)
寶澤に相違なくは
余
(
よ
)
が
袂
(
たもと
)
を引べし夫を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
花が
咲
(
さ
)
くのに支柱があっては見っともないと
云
(
い
)
うのだけれども桜が咲くにはまだ一月もその
余
(
よ
)
もある。菊池先生は春になったのでただ
面白
(
おもしろ
)
くてあれを取ったのだとおもう。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
中等室の
卓
(
つくえ
)
のほとりはいと静かにて、
熾熱燈
(
しねつとう
)
の光の晴れがましきも
徒
(
あだ
)
なり。
今宵
(
こよい
)
は夜ごとにここに
集
(
つど
)
い来る
骨牌
(
カルタ
)
仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは
余
(
よ
)
一人
(
ひとり
)
のみなれば。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
行つて見ると三つの室に、七十何点かの
画
(
ゑ
)
が並んでゐる。それが皆日本画である。しかし唯の日本画ぢやない。いづれも
経営惨憺
(
けいえいさんたん
)
の
余
(
よ
)
になつた、西洋画のやうな日本画である。
西洋画のやうな日本画
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
余
(
よ
)
は
此
(
この
)
言葉を聞き此記録を書綴る心を起しぬ、此記録を読むものは
何人
(
なんびと
)
も悪事を働きては
間職
(
ましょく
)
に合わぬことを
覚
(
さと
)
り、
算盤珠
(
そろばんだま
)
に掛けても正直に暮すほど利益な事は無きを知らん
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
そのささやきには
真摯
(
しんし
)
の響きがこもっていた。たった二度だけ。その
余
(
よ
)
は、私を困らせた。
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
“余”の解説
余(よ)は、漢姓の一つ。
(出典:Wikipedia)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
“余”を含む語句
余程
残余
余光
剰余
余沫
有余
余裕
余燼
余波
零余子
磐余
余部
自余
余戸
余韻
持余
余計
余所行
余人
紆余曲折
...