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誦
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よ
ふりがな文庫
“
誦
(
よ
)” の例文
張松は、胸を正し、膝へ手をおくと、童子が書物を声読するように、孟徳新書の初めから終りまで、一行一字もまちがいなく
誦
(
よ
)
んだ。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一夜道心の
俄坊主
(
にわかぼうず
)
が殊勝な顔をして、ムニャムニャとお経を
誦
(
よ
)
んでお蝋を上げたは山門に住んだと同じ心の
洒落
(
しゃれ
)
から思立ったので
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
誦
(
よ
)
んでも、
坐禪
(
ざぜん
)
を組んでも、諦めきれないのが、お喜代のポチヤポチヤした可愛らしさだ——眼の前にチラ付いて、寢ては夢、さめては
現
(
うつゝ
)
銭形平次捕物控:217 歎きの幽沢
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
烟草
(
たばこ
)
燻
(
く
)
ゆらし居たる週報主筆
行徳秋香
(
かうとくあきか
)
「渡部さん、恐れ入りますが、お
序
(
ついで
)
にお
誦
(
よ
)
み下ださいませんか」「其れが
可
(
い
)
い」「どうぞ」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
手足被杻械
(
しゅそくぴちゅうかい
)
、
念彼観音力
(
ねんぴかんのんりき
)
、
釈然得解脱
(
しゃくねんとくげだつ
)
、と牢の
中
(
なか
)
でも
観音経
(
かんのんぎょう
)
を
誦
(
よ
)
んで居たが今ヒョロ/\と縄に掛って仮牢から
引出
(
ひきだ
)
されるを見ますると
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
が、オーリャは死者のために詩篇を
誦
(
よ
)
みに外出しているとかで、会えなかった。僧院の帰り途に父親の家へ行って見たが、やはり留守だった。
大ヴォローヂャと小ヴォローヂャ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
人となり聰明にして、目に
度
(
わた
)
れば口に
誦
(
よ
)
み、耳に
拂
(
ふ
)
るれば心に
勒
(
しる
)
す。すなはち阿禮に勅語して、帝皇の
日繼
(
ひつぎ
)
と先代の舊辭とを誦み習はしめたまひき。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
貧しき家の夕闇に
盲目
(
めしい
)
の老夫のかしらを剃りたるが、
兀然
(
ごつぜん
)
として仏壇に向ひて
鉦
(
かね
)
叩き経
誦
(
よ
)
める後姿、初めて見し時はわけもなく物おそろしくおぼえぬ。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
ロレ おゝ、それは、
卿
(
そなた
)
の
戀
(
こひ
)
をば、
能
(
よ
)
う
會得
(
ゑとく
)
してもゐぬことを、
只
(
たゞ
)
口頭
(
くちさき
)
で
誦
(
よ
)
む
類
(
たぐひ
)
ぢゃと
見拔
(
みぬ
)
いてゐた
爲
(
ため
)
でもあらう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
光明経
(
こうみょうきょう
)
を
誦
(
よ
)
むと厄をはらうことができるということを聞いたので、それを求めて人に教えてもらって誦んだ。
瞳人語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
お米が無しになると、良寛さんは、山をおりて
托鉢
(
たくはつ
)
する。家々の
門先
(
かどさき
)
に立つて、短い経を
誦
(
よ
)
んで、一つまみづつのお米や、麦を
鉢
(
はち
)
の子のなかへ
貰
(
もら
)
ふのである。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
この坊主がお経を
出鱈目
(
でたらめ
)
によむのを御存知なく、椿岳さんになってから、お経も沢山
誦
(
よ
)
んで下さるし、
御蝋燭
(
おろうそく
)
も沢山つけて下さる、と悦んで礼をいいましたね。
寺内の奇人団
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
と白秋が去りにし日の「蝮捕り」を
誦
(
よ
)
みつつ、都家歌六の高座を偲べば、こころ、何か、何かあやしく
随筆 寄席風俗
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
さて私は時々夕方の檢温の結果などによつて、氣に入つた讃美歌の一くさりを
誦
(
よ
)
み、ぽつかりと音もなくともる電燈を見つめながら、ベツドの上に四肢をのばしてゐる。
輝ける朝
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
エレジヤの詩を最も愛し、好んでボルテールのエピグラムを学生に教え、又、自ら好んで
誦
(
よ
)
む。
日本文化私観
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
『経律異相』四五には牧牛児あり常に沙門の経
誦
(
よ
)
むを歓び聞く、山に入りて虎に食われ長者の家に生まる、懐姙中その母能く経を誦む、父この子の
所為
(
しわざ
)
と知らず
鬼病
(
もののけ
)
と
為
(
おも
)
う
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
全生徒は二人づゝ列を作つて、その順序のまゝ階段を下り、寒いぼんやりした
燈
(
ひ
)
の
點
(
とも
)
つた教室へ這入つた。此處で、ミラア先生がお祈りを
誦
(
よ
)
んで、それから彼女は叫んだ——
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
怖ろしく声の
美
(
い
)
い人で、お経を
誦
(
よ
)
むと、その調子が自然に
律呂
(
りつりよ
)
に
合
(
かな
)
つて、まるで音楽でも聴くやうな気持がするので、道命が
法華
(
ほつけ
)
を誦むとなると、
大峰
(
おほみね
)
から、熊野から、
住吉
(
すみよし
)
から
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ぢいに向つては、何のゑんりよもなかつた私でしたが、お経をあげてゐる時のぢいは、ふだんのぢいとはすつかり変つた人のやうに思はれて、しづかな
誦
(
よ
)
み声が、ぞく/\と身にしみました。
海坊主の話
(新字旧仮名)
/
土田耕平
(著)
これをもって来たり請う者あるごとにおおむねみな辞して応ぜず。今徳富君の業を
誦
(
よ
)
むに及んで感歎
措
(
お
)
くことあたわず。破格の一言をなさざるを得ず。すなわちこれを書し、もってこれを
還
(
かえ
)
す。
将来の日本:03 再版の序
(新字新仮名)
/
中江兆民
、
中江篤介
(著)
これをもって来たり請う者あるごとにおおむねみな辞して応ぜず。今徳富君の業を
誦
(
よ
)
むに及んで感歎
措
(
お
)
くことあたわず。破格の一言をなさざるを得ず。すなわちこれを書し、もってこれを
還
(
かえ
)
す。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「門前の小僧は習わぬ経を
誦
(
よ
)
む」鍛冶屋の嫁は次第に鉄の産地を知る。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
モーセ時にその血の半ばをとりて鉢に
盛
(
い
)
れまたその血の半ばを壇の上に
灌
(
そそ
)
げり。しかして契約の書をとりて民に
誦
(
よ
)
みきかせたるに彼ら応えて言う、エホバの
宣
(
い
)
う所は皆我らこれをなして
遵
(
したが
)
うべしと。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
「お
祖母
(
ばあ
)
さん、どうして今頃御経を
誦
(
よ
)
むの。」
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
謡
(
うた
)
に唄って
誦
(
よ
)
んでいた
父母恩重経
(
ぶもおんじゅうぎょう
)
のことばも、それがいろはのように平易なので、
誦
(
よ
)
むにつれ、聴くに従い、だんだん分って来たものとみえる。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
僧「はい、お隣座敷へ泊ってな、坊主は経を
誦
(
よ
)
むのが役で、お
喧
(
やか
)
ましいことですが、
夜更
(
よふけ
)
まで誦みはいたしません、貴方も
先刻
(
さっき
)
から御回向をしていらっしったな」
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
鮒鮓
(
ふなずし
)
や彦根の城に雲かかる」という私の好きな蕪村の句を
誦
(
よ
)
むたび、彼女の美しい細おもてを、上海引き揚げ後これも行方のわからない虎ちゃんともども偲ぶのである。
わが寄席青春録
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
勉強時間中は子供たちと一緒にゐなくてはならなかつたし、それから、今日はお祈を
誦
(
よ
)
み、みんなを寢かす番に當つてゐた。その後で私は他の先生たちと一緒に夕食を
濟
(
すま
)
した。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
歌を
下
(
しも
)
の句まで
誦
(
よ
)
んでしまふと、忠実な博士の指は三十五文字を数へてゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
長じて正直者ながら経を
誦
(
よ
)
む事鈍かった(『因果物語』中)。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「調馬は
未
(
ま
)
だしもよ、朝
夙
(
と
)
く法華経二部を、腹のそこから声を出して
誦
(
よ
)
んでみい。五臓六腑、一物もなくなってしまう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私共
(
わたくしども
)
の
家
(
うち
)
には御出家様が時々お泊りになりますが、御膳の時はお経を
誦
(
よ
)
んで御膳をお
盖
(
きせ
)
に取分けて召上りますな、あなたも此の
間
(
あいだ
)
お遣りなすったしお経もお読みなさいますが
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「あれは独りで何しているか。また、こよいも、
堂籠
(
どうごも
)
りして経でも
誦
(
よ
)
んでいるかな。それとも、
時鳥
(
ほととぎす
)
でも聞いているだろうか。変り者ではあるよ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
永「それは門前の小僧習わぬ経を
誦
(
よ
)
むで、寺にいると自然と覚えて読んで見たいのだが、また
此方
(
こなた
)
は御出家じゃアが、もう旅へ出ると経を読まぬてえ、是が
紺屋
(
こうや
)
の
白袴
(
しらばかま
)
という
譬
(
たと
)
えじゃアのう」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「そうじゃ、何の土産もないが、これはわしが写経したもの、一部進ぜましょう程に、
閑
(
ひま
)
な時、
誦
(
よ
)
んでくだされ」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よせやい、てめえがベソを掻き掻き
誦
(
よ
)
むもんだから、おれっちまで、変てこに、涙が出て来やがるじゃねえか」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女は日課の法華経も
誦
(
よ
)
みおえ、それから覚一と机をはさんで、覚一のために、詩経の素読をさずけていた。
私本太平記:07 千早帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、年々その忌日には、
恵林寺
(
えりんじ
)
をはじめ諸山の
法燈
(
ほうとう
)
は秘林の奥にゆらいで、万部経を
誦
(
よ
)
みあげていた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
藁
(
わら
)
や
莚
(
むしろ
)
を持ちこんで、頼朝は尼がいいという日まで、じっと待っていた。その間、毎日毎日、そらんじる程よく聞いたのは、尼が朝暮に
誦
(
よ
)
む
法華経
(
ほけきょう
)
の声であった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
口のうちに
誦
(
よ
)
みながらそこを巻いてゆくと、大きな
蕪之図
(
かぶらのえ
)
が繰り
展
(
の
)
べられた。蕪の題語には
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「みろ、
誦
(
よ
)
み手が、黙っちまったあ。聞きながらトロトロいい気持で聞いていたのに」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
清子は、
大日如来
(
だいにちにょらい
)
の
御前
(
みまえ
)
に、長いこと
額
(
ぬか
)
ずき、また、地蔵菩薩の
宝前
(
ほうぜん
)
に、香や花をささげ、地蔵経一巻を声ひくく
誦
(
よ
)
んで、いつものように、杉木立の小道を、
館
(
やかた
)
の方へもどって来た。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
狎
(
な
)
れてはならぬ)と、美衣美食をおそれ、夜の
具
(
もの
)
の温まるを
懼
(
おそ
)
れ、
経文
(
きょうもん
)
を口で
誦
(
よ
)
むのをおそれ、美塔の中の
木乃伊
(
ミイラ
)
となってしまうことを
懼
(
おそ
)
れたが、門跡として見なければならぬ寺務もあり
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「なすこともなく、日々、
経
(
きょう
)
など
誦
(
よ
)
んでおります」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幾度も口の
裡
(
うち
)
で
誦
(
よ
)
む。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
経
(
きょう
)
誦
(
よ
)
んでおざった
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誦
漢検1級
部首:⾔
14画
“誦”を含む語句
暗誦
口誦
読誦
誦経
復誦
諷誦
念誦
諳誦
朗誦
一誦
黙誦
讀誦
大誦
誦念
諷誦文
誦読
愛誦
吟誦
拝誦
伝誦
...