トップ
>
由
>
よ
ふりがな文庫
“
由
(
よ
)” の例文
何に
由
(
よ
)
ることも誰れの学説に頼ることもなしに自分は何の躊躇もなく自分の本能を元にして宇宙を測ることをしようと自負して居る。
註釈与謝野寛全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
手紙で知らして来た容子に
由
(
よ
)
ると、その後も続いて沼南の世話になっていたらしく、中国辺の新聞記者となったのも沼南の
口入
(
くちいれ
)
なら
三十年前の島田沼南
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
後
(
あと
)
では
寧
(
むし
)
ろ
悔
(
く
)
いるまでも
羞恥
(
はぢ
)
と
恐怖
(
おそれ
)
とそれから
勘次
(
かんじ
)
を
憚
(
はゞか
)
ることから
由
(
よ
)
つて
來
(
きた
)
る
抑制
(
よくせい
)
の
念
(
ねん
)
とが
慌
(
あわ
)
てゝ
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
り
挘
(
もき
)
らせるのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其
(
その
)
前にバナナや
桜実
(
さくらんぼ
)
を
堆
(
うづたか
)
く盛つた果物屋の車が其れを
輓
(
ひ
)
かせて来た頸に綱を附けた三匹の犬と一人の老婆とに
由
(
よ
)
つて店を出して居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
何番の何組がどの消し口を取ったとか、それによって手柄が現われたので、消防夫の功績は一にこれに
由
(
よ
)
って成績づけられたものです。
幕末維新懐古談:16 その頃の消防夫のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
貝層
(
かひそう
)
は
極
(
きは
)
めて
淺
(
あさ
)
いが、
其下
(
そのした
)
に
燒土
(
やけつち
)
の
層
(
そう
)
が
有
(
あ
)
つて、
其中
(
そのなか
)
に
少
(
すくな
)
からず
破片
(
はへん
)
がある。
幻翁
(
げんおう
)
の
言
(
げん
)
に
由
(
よ
)
ると、
香爐形
(
こうろがた
)
の
出
(
で
)
た
層
(
さう
)
と
同一
(
どういつ
)
だといふ。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
此
(
これ
)
を
以
(
もつ
)
て
相持
(
あひぢ
)
する、
此
(
こ
)
れ
説
(
ぜい
)
の
成
(
な
)
る
也
(
なり
)
。
伊尹
(
いゐん
)
は
(九七)
庖
(
はう
)
と
爲
(
な
)
り、百
里奚
(
りけい
)
は
(九八)
虜
(
りよ
)
と
爲
(
な
)
る、
(九九)
皆
(
みな
)
由
(
よ
)
つて
其上
(
そのかみ
)
に
干
(
もと
)
めし
所
(
ところ
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
小大(の事)、
之
(
これ
)
に
由
(
よ
)
るも行なわれざる所あるは、和を知って和せんとするも、礼を以て之を節せざれば、
亦
(
また
)
行なうべからざればなり。
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
左の肩から台座に及ぶこの衣の線が、体躯の光りに応じて縦横に弧線を描き、ここに光りの循環に
由
(
よ
)
るメロデーは完成されるのである。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
以上は抽斎の手記した文について、その心術
身行
(
しんこう
)
の
由
(
よ
)
って
来
(
きた
)
る所を求めたものである。この外、わたくしの手元には一種の語録がある。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
すなわち前には回転せぬ棒をもって打っていたのが、これに
由
(
よ
)
って始めて腰を曲げずに、藁やその他の
穀
(
こく
)
を打つことができたのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
人よりに非ず、人に
由
(
よ
)
るに非ず、イエス・キリスト及びこれを死人の中より
甦
(
よみが
)
えらせ給いし父なる神に由りて使徒となれるパウロ。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そして
此等
(
これら
)
の
損失
(
そんしつ
)
の
殆
(
ほと
)
んど
全部
(
ぜんぶ
)
は
地震後
(
ぢしんご
)
の
火災
(
かさい
)
に
由
(
よ
)
るものであつて、
被害民
(
ひがいみん
)
の
努力
(
どりよく
)
次第
(
しだい
)
によつては
大部分
(
だいぶぶん
)
免
(
まぬか
)
れ
得
(
う
)
られるべき
損失
(
そんしつ
)
であつた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
その
由
(
よ
)
って来たるところは千差万別ですが、みな自分の数字を限りなく神聖なものとして、それに絶対の信を置いていることは同じです。
踊る地平線:09 Mrs.7 and Mr.23
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
如何
(
いか
)
に説いても男は帰らぬ。さりとて国へ報知すれば、父母の許さぬのは知れたこと、
時宜
(
じぎ
)
に
由
(
よ
)
れば
忽
(
たちま
)
ち迎いに来ぬとも限らぬ。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
何事に
由
(
よ
)
らず
新工風
(
しんくふう
)
を
運
(
めぐ
)
らして
之
(
これ
)
を実地に行うと云うのは、その事の大小を問わず余程の無鉄砲でなければ出来たことではない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
第八条 (1) 天皇ハ公共ノ安全ヲ保持シ又ハ
其
(
そ
)
ノ
災厄
(
さいやく
)
ヲ
避
(
さ
)
クル
為
(
ため
)
緊急ノ必要ニ
由
(
よ
)
リ帝国議会閉会ノ場合ニ
於
(
おい
)
テ法律ニ代ルヘキ
勅令
(
ちょくれい
)
ヲ発ス
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
思うにこれは西の面が
亜細亜
(
アジア
)
大陸と相対し、また外国との交通が港を通して早くから行われていたのに
由
(
よ
)
るのでありましょう。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
△江戸川乱歩氏の作では苦楽の「闇に
蠢
(
うごめ
)
く」を挙げる。例に
由
(
よ
)
って瑰麗の文章である。そうして次号を待たせるだけの強い魅力を持っている。
マイクロフォン:「新青年」一九二六年三月
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この「人妻ゆゑに」の「ゆゑに」は「人妻だからと
云
(
い
)
って」というのでなく、「人妻に
由
(
よ
)
って恋う」と、「恋う」の原因をあらわすのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
あるいは彼自身も、ああいう日記を書きたくなった心の経過、その
由
(
よ
)
って来るところを理解していなかったのかも知れない。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
世
(
よ
)
に
傳
(
つた
)
はる
攝養法
(
せつやうはふ
)
に
種々
(
しゆ/″\
)
ありと
雖
(
いへど
)
も、
余
(
よ
)
の
實驗
(
じつけん
)
に
由
(
よ
)
れば、
尤
(
もつと
)
も
簡易
(
かんい
)
にして
尤
(
もつと
)
も
巧驗
(
こうけん
)
あるものは
冷水浴
(
れいすゐよく
)
の
他
(
た
)
にあらざる
可
(
べ
)
し。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
一つフロツクコートで
患者
(
くわんじや
)
も
受
(
う
)
け、
食事
(
しよくじ
)
もし、
客
(
きやく
)
にも
行
(
ゆ
)
く。
然
(
しか
)
し
其
(
そ
)
れは
彼
(
かれ
)
が
吝嗇
(
りんしよく
)
なるのではなく、
扮裝
(
なり
)
などには
全
(
まつた
)
く
無頓着
(
むとんぢやく
)
なのに
由
(
よ
)
るのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
且、また、自分の行くまでに雜誌を見て、自分が實際何をやつてゐるかといふことを知らせて置きたかつたにも
由
(
よ
)
るのだ。
泡鳴五部作:03 放浪
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
その地の神怒れるに
由
(
よ
)
ると信じ、虎初めて人を食えば神に捧物してこれを
鎮
(
しず
)
むれど、二度目に人食わるれば神の怒りやまぬつもりで村を移すと。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
抑
(
そもそ
)
もまた文三の
僻
(
ひが
)
みから出た
蜃楼海市
(
しんろうかいし
)
か、
忽然
(
こつぜん
)
として生じて思わずして
来
(
きた
)
り、
恍々惚々
(
こうこうこつこつ
)
としてその
来所
(
らいしょ
)
を知るに
由
(
よ
)
しなしといえど、何にもせよ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
明日
(
あした
)
になるか
明後日
(
あさって
)
になるか、ことに
由
(
よ
)
ったら一週間も掛るか、まかり間違えば無期限に延ばしても
差支
(
さしつかえ
)
ないと
高
(
たか
)
を
括
(
くく
)
っていたせいかも知れない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うまく行きそうな家は、見かけからして既に
胸襟
(
きょうきん
)
を
披
(
ひら
)
いている感じなのである。私がこの路地を黙殺してしまったのは主として地理的関係に
由
(
よ
)
る。
安い頭
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
他
(
か
)
れが悲みも
他
(
か
)
れが涙も
他
(
か
)
れが失望の絶叫も
総
(
すべ
)
て
最
(
いと
)
巧
(
たくみ
)
なる狂言には非ざるや、藻西太郎の異様なる振舞も
幾何
(
いくら
)
か倉子の為めに
由
(
よ
)
れるには非ざるや
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
政府より売出すにはやはり
法定
(
ほうてい
)
の価格に
由
(
よ
)
るの外なくしてみすみす大損を招かざるを得ざるより、その
処置
(
しょち
)
につき
勘考中
(
かんこうちゅう
)
、カションこれを聞き込み
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
次第に
由
(
よ
)
っては握り潰さないものでもないという助五郎の言葉に釣られて、やがてその夜のことを逐一話し出した。
助五郎余罪
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
要するに教育は時代の精神に
由
(
よ
)
りて、その国情に適合する方法を採らなければならぬ。その時代の要求を
容
(
い
)
れなければ、非常な不幸に陥るものである。
女子教育の目的
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
我が国の偉大な事は教育に
由
(
よ
)
るのであります。その
中
(
うち
)
でも大学の支度をする寄宿舎学校が国の
基
(
もとい
)
になるのであります
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その原因を臆測するにもまたその正否を判断するにも結局当の自分の不安の感じに
由
(
よ
)
るほかはないのだとすると
のんきな患者
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
彼は実に最善最賢者の誘導の下に、衆民に
由
(
よ
)
りて、衆民の進歩を以て、平民主義の第一義と為せり。彼は徹頭徹尾平民主義の信者なりし、預言者なりし。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
険しい道に
由
(
よ
)
り狭い門をくぐって私たちは天国に入るのである。この世の智恵を滅ぼすとき神の智恵は生れる。まことに天国は心の貧しき人のものである。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
信仰に
由
(
よ
)
りて我等が認むる所の物もかしこにては知らるべし、但し
證
(
あかし
)
せらるゝに
非
(
あら
)
ず、人の信ずる第一の眞理の如くこの物
自
(
おのづ
)
から明らかならむ 四三—四五
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
実に学問の独立に
由
(
よ
)
るものなれば、その国を独立せしめんと欲せば、
必
(
かな
)
らず
先
(
ま
)
ずその民を独立せしめざるを得ず(大喝采)、その民を独立せしめんと欲せば
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
『イヤ
其
(
それ
)
は
誰
(
だれ
)
だつて
道具
(
だうぐ
)
に
由
(
よ
)
ります。
如何
(
いく
)
ら
上手
(
じやうず
)
でも
道具
(
だうぐ
)
が
惡
(
わる
)
いと十
尾
(
ぴき
)
釣
(
つ
)
れるところは五
尾
(
ひき
)
も
釣
(
つ
)
れません。』
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
たとえ人手に渡さばとて、やがてこの二面の琴は、師の君が同門の人に
由
(
よ
)
りて
購
(
あがな
)
わるることを保証します。
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
伊太利製や仏蘭西製の上等は滅多にありません。その味の悪い事と申したらポツポツして
粘着気
(
ねばりけ
)
がありません。これもやっぱり小麦粉の性質に
由
(
よ
)
るのでしょう。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
余は斯うした場合の價値は其作品即ち小説なり隨筆なりが一般讀者の感興を惹くことの多少と、勸善懲惡的な誘導力の多少とに
由
(
よ
)
り決するものと思考するものである。
貝殻追放:007 愚者の鼻息
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
識者は思想問題や社会問題の
由
(
よ
)
ってくるところを深く洞察すべきである。ああして一銭も要らずに誰れでもが飛び入りで踊って遊べるというのは何といいことであろう。
祇園の枝垂桜
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
その母「塩の
長次
(
ちやうじ
)
にはあらねど、夢中に馬を呑むと見て、懐胎したる子なるゆへ」大豆右衛門と称せしと云へば、この名の
由
(
よ
)
つて来る所は
必
(
かならず
)
しも多言するを要せざるべし。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その
由
(
よ
)
って来るところを尋ねる時、少年のころ親しく見聞した社会一般の情勢を回顧しなければならない。即ち明治十年から二十二、三年に至る間の世のありさまである。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
歴史に
由
(
よ
)
って諸君の知る通り、昔から時々、天界で新たな星が
忽然
(
こつぜん
)
と光り出す事が有ります。
暗黒星
(新字新仮名)
/
シモン・ニューコム
(著)
丁子のことは
夙
(
つと
)
に漢時代にあった迷信で、『
西京雑記
(
せいけいざっき
)
』に「火華則拝之」とあるのがそれだと、三村竹清氏の書かれたものにあった。
由
(
よ
)
って
来
(
きた
)
ること遠しというべきである。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
製法 磨製石斧の
製法
(
せいはふ
)
は現存石器時代人民の
爲
(
な
)
す所に
由
(
よ
)
つても
知
(
し
)
るを得れと、
遺跡
(
ゐせき
)
に於て
獲
(
う
)
る所の
截
(
き
)
り
掛
(
か
)
けの
凹
(
くぼ
)
み有る石片截り目を存する
石斧
(
いしおの
)
、
刄
(
は
)
の
鈍
(
にぶ
)
きもの刄の鋭きもの
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
通俗小説を大衆文学というのはやや
軽蔑
(
けいべつ
)
した意味が含まれているようにも受取れる。けれどもその文学に
由
(
よ
)
って大衆が慰安を得るという点からいえばなかなか価値が大きい。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
一千数百名の将兵をして勅命違反の
叛軍
(
はんぐん
)
たらしめんとするに至れるは、果たして誰の責任であろうか。事件は突如として今日現れたのではなくて、
由
(
よ
)
って来れる所遠きに在る。
二・二六事件に就て
(新字新仮名)
/
河合栄治郎
(著)
“由”の意味
《名詞》
(よし)(古語・雅語)理由。
(よし)(古語・雅語)手段。
(よし)(古語・雅語・文書語)伝聞した内容。
(出典:Wiktionary)
由
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
“由”を含む語句
理由
自由
由緒
由縁
不自由
由来
所由
因由
事由
由々
由井
御不自由
縁由
養由基
由々敷
来由
由旬
由井正雪
何不自由
由謂
...