トップ
>
廃
>
よ
ふりがな文庫
“
廃
(
よ
)” の例文
旧字:
廢
私などは中学を途中で
廃
(
よ
)
して、二松学舎、成立学舎などに通い、それから予科に入ったのであるから、非常に
迂路
(
まわりみち
)
をしたことになる。
私の経過した学生時代
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
主人の飼っている
Jean
(
ジャン
)
という大犬が吠えそうにして
廃
(
よ
)
して、鼻をくんくんと鳴らす。竹が障子を開けて何か言う声がする。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いや。そんな事は
廃
(
よ
)
せ。
己
(
おれ
)
はこれでも並の人間とは違う積りだ。並の人間にするような事はしたくない。己には何もかも分かっている。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
『
廃
(
よ
)
さう。今朝は食べたく無い。それよりは客を下の座敷へ通して、一寸待たして置いて下さい——今、直に斯部屋を片付けるから。』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「冷麦でございますか、はい、はい」と、茶屋の
主翁
(
ていしゅ
)
は茶を汲もうとしていたのを
廃
(
よ
)
して、冷麦をかまえ、それを皿に載せて持って来た。
一緒に歩く亡霊
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
選ぶほど大事なものはないと考えさせられました。そこで、めッたに針売りは
廃
(
よ
)
されないぞと、ついつい、三年も経ってしまったので——
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さあ。それはさうでございますが、旦那様、あなたが
廃
(
よ
)
せと仰やれば、致しません。(
間
(
ま
)
)。薔薇を切つて参りませうか。」
薔薇
(新字旧仮名)
/
グスターフ・ウィード
(著)
『
骨牌
(
かるた
)
、茶屋狂ひ、碁将棋よりは面白いでせう。其れ等の道楽は、飽きて
廃
(
よ
)
すといふこともあるですが、釣には、それが無いのですもの。』
元日の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
学校を途中で
廃
(
よ
)
して帰ってきた兄は、家の庭に研究所を建ててほとんど終日それに
籠
(
こも
)
っていた。兄は歌津子と結婚した。そして幸福であった。
青草
(新字新仮名)
/
十一谷義三郎
(著)
本とうに動物が可あいそうなら植物を喰べたり殺したりするのも
廃
(
よ
)
し
給
(
たま
)
え。動物と植物とを殺すのをやめるためにまず水と食塩だけ
呑
(
の
)
み給え。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
新「お
廃
(
よ
)
しよ、
死
(
しに
)
たい/\って気がひけるじゃアないか、
些
(
ちっ
)
とは看病する身になって御覧、
何
(
なん
)
だってそんなに死度いのだえ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「何、
安田
(
やすだ
)
の
炭鉱
(
たんこう
)
へかゝってたんですがね。エ、二里ばかり、あ、あの山の
陰
(
かげ
)
になってます。エ、最早
廃
(
よ
)
しちゃったんです」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
ばかりではなく、結局は飯さえ食えなくなったんだと、それが一体どんな奴のためだと、思うと私は
廃
(
よ
)
さなかったのです。
指
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
「どうも困るな、こんな
取着
(
とりつ
)
き
身上
(
しんしょう
)
で、そんな
贅沢
(
ぜいたく
)
な
真似
(
まね
)
なんかされちゃ……。何だか知んねえが、その
引物
(
ひきもの
)
とかいう物を
廃
(
よ
)
そうじゃねえか。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
さうして、男性に対する貴女の危険な戯れを、今日限り
廃
(
よ
)
していたゞきたいと思ふのです。それが青木君の死に対する貴女のせめてもの償ひです。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
そのうち次第に意志が一方に傾いて来て、とう/\出掛けるのを
廃
(
よ
)
して、悪魔のするが儘になつて
留
(
と
)
まる事にした。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
『君はもう
廃
(
よ
)
してくれ給へ、
身体
(
からだ
)
がまだ
真実
(
ほんとう
)
になつてないんだから、よしてくれ給へ。君、君、いけませんよ。』
戸の外まで
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『いつか
仰
(
おつしや
)
つた様に雑誌を満百号限りお
廃
(
よ
)
し遊せな。それは
貴方
(
あなた
)
に取つても私に取つても残念ですけれど。』
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
己れはお前が居なくなつたら少しも面白い事は無くなつてしまふのだからそんな
厭
(
い
)
やな
戯言
(
じようだん
)
は
廃
(
よ
)
しにしておくれ、ゑゑつまらない事を言ふ人だと
頭
(
かしら
)
をふるに
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
継母
(
かあ
)
さんはあのとおり真向な、念々刻々の働き者だからいい人だと思うけれど、何しろあの毒舌には
敵
(
かな
)
わん。あれだけは
廃
(
よ
)
してくれるといいと思うがなあ。
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
雪、虚勢は
廃
(
よ
)
せ。なあ、貴さまと、拙者、あの
一剋
(
いっこく
)
の一松斎の門では、一つ鍋の飯を食うたことがあるのだ。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ああありがたい、茶袋だと
此方
(
こち
)
で一本というところを
反対
(
あべこべ
)
にもう
廃
(
よ
)
せと云いますわ、ああ好い心持になりました、歌いたくなりましたな、歌えるかとは情ない
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
おりながらとめどもなしに笑って
廃
(
よ
)
すことができなかった。そして、やっと足が地にとどきそうになってから、手を滑らして堕ちた。それと一緒に笑いもやんだ。
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
十二年
経
(
た
)
つて殿様を
廃
(
よ
)
して
家
(
うち
)
へ帰つた時、お父さんと、おつ母さんとにこれを御土産になさい。
蚊帳の釣手
(新字旧仮名)
/
沖野岩三郎
(著)
結い了う頃は最う
午砲
(
ドン
)
だけれど、お昼はお
腹
(
なか
)
が
満
(
くち
)
くて食べられない。「
私
(
あたし
)
廃
(
よ
)
してよ」、という。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お勢はその後踊りの師匠を
廃
(
よ
)
して、お町を葬った寺の花屋の株を買い取りました。美しく清らかな花屋のおかみがしばらくの間江戸の評判だった事はいうまでもありません。
銭形平次捕物控:030 くるい咲き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大正三年秋の
彼岸
(
ひがん
)
に、わたくしは久しく
廃
(
よ
)
していた
六阿弥陀詣
(
ろくあみだもうで
)
を試みたことがあった。
放水路
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
漸々
(
ぜんぜん
)
話し込んでみると元来傾向が同じであったものだから犬猿どころか
存外
(
ぞんがい
)
話が合うので、喧嘩は
廃
(
よ
)
そう、むしろ一緒にやろうじゃないかという訳になって、
爾後
(
じご
)
大分心易くなった。
福沢先生の処世主義と我輩の処世主義
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
比喩
(
ひゆ
)
は
廃
(
よ
)
して露骨に申しますが、僕はこれぞという理想を奉ずることも出来ず、それならって俗に和して肉慾を
充
(
みた
)
して以て我生足れりとすることも出来ないのです、出来ないのです
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
最初からけちがついたことが、縁喜商売だけに一層伯父の心を腐らし、今では最う余り気乗りがしてない様だつた。都合によれば、
廃
(
よ
)
してもいゝといふやうな口吻を洩らすことさへあつた。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
それでも菜穂子は、晴れた日などには、秋からの日課の散歩を
廃
(
よ
)
さなかった。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
大原君、チュウチュウ音をさせるのと舌打をするのはどうぞ
廃
(
よ
)
してくれ給え。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「本郷の××女学校に二年まで行っていましたけれど、都合があって
廃
(
よ
)
したんです。」と言うから、じゃ何うして
斯様
(
こん
)
な処に来ている……と訊いたら、斯うしてお
母
(
っか
)
さんを養っていると言う。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
窮屈
(
きゅうくつ
)
な侍稼業をスッパリ
廃
(
よ
)
して、わたくしは、あなた様と御一緒に元の町人に帰り、面白おかしく
呑気
(
のんき
)
に暮らして——その、再び手を取り合って泣く日を楽しみに、喬さま、園絵は、園絵も
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
振返ると、まだそこに、掃掛けて
廃
(
よ
)
したように、
蒼
(
あお
)
きが黒く
散々
(
ちりぢり
)
である。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに雨に濡れて骨牌の色刷の絵までがにじんでぼやけて来た。無論相手の破落戸はそれには困らない。どうせ骨牌を裏から見て知っているからである。しかしきょうはもう
廃
(
よ
)
す気になっていた。
破落戸の昇天
(新字新仮名)
/
フェレンツ・モルナール
(著)
「
酔客
(
よつぱらひ
)
を相手にしたつて仕方が無えだ!
廃
(
よ
)
さつせい、廃さつせい!」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
『南米に? そんな事で学校も
廃
(
よ
)
したんだな。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
廃
(
よ
)
し給えよ。僕は窮屈な事は真っ平だ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
... 長い奴が、寒いもんだから御互にとぐろの
捲
(
ま
)
きくらをやって
塊
(
かた
)
まっていましたね」「もうそんな御話しは
廃
(
よ
)
しになさいよ。厭らしい」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「君、いろんな
言草
(
いいぐさ
)
は
廃
(
よ
)
してくれ
給
(
たま
)
え。君が友人として僕をいたわってくれた段は実に感謝する。それが好意というものだろう。」
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
其程熱心に成つて居るものを強ひて
廃
(
よ
)
し給へとも言はれんし、折角の厚意を無にしたくないと思つて、それで一緒に歩いたやうな訳さ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
説法さえ
廃
(
よ
)
して貰われれば、僕も
謗法
(
ぼうほう
)
はしない。だがね、君、独身生活を攻撃することは廃さないよ。
箕村
(
みのむら
)
の処なんぞへ行くと、お肴が違う。
独身
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
△「まア何うしたんだ、勝も
余
(
あん
)
まり大人気ねえじゃねえか、熊の
悪口
(
わるくち
)
は知ッてながら、
廃
(
よ
)
せッてえば、
下
(
くだ
)
らねえ喧嘩するが
外見
(
みえ
)
じゃアあるめえ」
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして、男性に対する貴女の危険な戯れを、今日限り
廃
(
よ
)
していたゞきたいと思うのです。それが青木君の死に対する貴女のせめてもの
償
(
つぐな
)
いです。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「ほんとに、お前さんは臆病だよ」女房は笑うのを
廃
(
よ
)
して真顔になり、「さ、
御飯
(
ごはん
)
を早くお
喫
(
あが
)
りよ」
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
猫の話で思い出したが、
儂
(
わし
)
は明治四十二年の春、
塩釜
(
しおがま
)
の宿で
牡蠣
(
かき
)
を食った時から
菜食
(
さいしょく
)
を
廃
(
よ
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
心配は
廃
(
よ
)
しゃアナ。心配てえものは
智慧袋
(
ちえぶくろ
)
の
縮
(
ちぢ
)
み目の
皺
(
しわ
)
だとヨ、何にもなりゃあしねえわ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「やめるがいい。もう従来の陰の骨折りは
廃
(
よ
)
すことだ。わかったか。これからは鎌倉表の厳命どおり、帝以下をきびしく囲って、配所の守備を、かりそめにも手かげんするな」
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
何故
(
なぜ
)
さうなのでせう。玉川の方でも
乳
(
ちゝ
)
は一年
限
(
ぎ
)
りで
廃
(
よ
)
して居たのだつたのにね。』
帰つてから
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
“廃(娼婦/廃)”の解説
「娼婦/廃」(しょうふ/はい)は、ムックの1枚目のシングル。
(出典:Wikipedia)
廃
常用漢字
中学
部首:⼴
12画
“廃”を含む語句
荒廃
廃物
廃止
廃墟
廃屋
廃業
頽廃
廃頽
頽廃的
廃址
御廃
廃品
廃園
廃者
廃兵院
廃嫡
廃頽的
廃頽期
弛廃
興廃
...