“荒廃”のいろいろな読み方と例文
旧字:荒廢
読み方割合
こうはい53.3%
あれ13.3%
あ6.7%
あれすさ6.7%
さび6.7%
すた6.7%
デザーテッド6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、本能寺(ほんのうじ)の変(へん)とどうじに、異国(いこく)の宣教師(せんきょうし)たちは信長というただひとりの庇護者(ひごしゃ)をうしなって、この南蛮寺も荒廃(こうはい)してしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
諏訪湖(すわこ)にまたは天竜川に、二人の兄弟は十四年間血にまみれながら闘ったが、その間柵(しがらみ)と久田姫とは荒廃(あれ)た古城で天主教を信じ佗(わび)しい月日を送っていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
海の底かのように、庭は薄蒼く月光に浸っていた。庭は、まことに広く、荒廃(あ)れていた。庭の一所に、頼母の眼を疑がわせるような、物象(もののかたち)が出来ていた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
此の隣なる家の主(あるじ)なりしが、一二九過活(わたらひ)のため京(みやこ)に七とせまでありて、昨(きそ)の夜帰りまゐりしに、既に荒廃(あれすさ)みて人も住ひ侍らず。
クッキリと黄色い光線を浴(あ)びている甃石の上は、日蔭よりも淋しかった。青空も、往来も、向う側の家々も、黒眼鏡を通して見るように明瞭(はっきり)として、荒廃(さび)れて見えた。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
ちょうど、立場(たてば)が荒廃(すた)れて、一軒家が焼残ったというのも奇蹟だからと、そこで貴婦人が買取って、少(わか)い女(ひと)の世を避ける隠れ里にしたのだと言います。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは古い礼拝堂の廃屋の中に立ちつくしたような荒廃(デザーテッド)な跪拝の心持ちであった。彼は立ち上って蒼空と大地との間に何かを模索するような眼差しを投げた。
過渡人 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)